でいりいおくじょのBLOG

2020.12.14

映画日記「西の魔女が死んだ」

登校拒否になった中学生の女の子が、

自分の弱さと向き合って、成長していく話です。

 

「西の魔女が死んだ」

 

梨木果歩さんの原作は

何回も読み返した、大好きな小説です。

 

あまりにも好きすぎて

映画を見てがっかりすると嫌だなあなんて思っていて

今まで見ないできたんだけれど、思い切って見てみたら

映像もきれいで、すごーくいい映画でした。

 

ストーリーはこうです。

登校拒否のまいは、おばあちゃんの家で過ごすことになります。

おばあちゃんはイギリス人で

住んでいるところは、イギリスの物語に出てくるような

大自然の中にあるおうち。

 

ある日、おばあちゃんが“まい”に言います。

おばあちゃんのおばあちゃんは魔法使いだったと。

 

自分にも魔法使いの血が流れているはずと確信した“まい”は

どうすれば魔法が使えるようになるのかをおばあちゃんに聞くと

 

きちんとご飯を食べて、体力をつけ

規則正しく生活をすること

 

という答え

 

魔法使いになりたい“まい”は、

その日から、決まった時間に起きて、しっかりご飯を食べ

お手伝いも、勉強もきちんとするようになるんです。

 

魔女になるために必要な事は

物事の正しい方向をキャッチするアンテナと

何事も自分で決める力。

 

様々な経験を通して

少しずつ強くなっていく“まい”

 

でも、ある時ふと気づくのです。

 

結局自分は、おばあちゃんの思っている通りに動かされているのではないか。

 

おばあちゃんは、魔法もつかえないし、予知能力もない

おばあちゃんは、“毎日のちょっとした変化が楽しみだから、予知能力で前もって何が起こるか知る必要なんてない

っていうけれど・・・。

 

やがて、ある事件が起きて

まいとおばあちゃんの間に亀裂が入ってしまう…。

 

ネタバレになるので

これ以上は書けませんが

まいの成長していく様子は

たくましいんだけれど、おばあちゃん目線で見ると寂しさも感じる。

 

大人になるという事は

自分しかわからないことが、どんどん増えていって

わからないなりに、自分で答えを見つけていくことであり

 

その時に、周りの大人を傷つけることもある。

 

大人は、それを静かに受け止めるだけ。

 

子供が自立して、巣立っていく瞬間の

たくましさと、せつなさと

 

昔本を読んだ時とは違う、

切なさを感じました。

 

そしてもう一つのテーマ「死」

魂が肉体を離れても

それでなくなるわけではなく

そこから、本当に自由になって

いろんな人の心の中を行ったり来たりできるようになる。

 

そのことも、このお話の中で、すごく心に残ったところでした。

 

更に、

この映画、心に残る素晴らしいシーンもたくさんあり

それも見所です。

 

野イチゴを摘んでジャムを作ったり

(見ているだけで、甘酸っぱいおいしそうな香りでよだれが出る)

薪で湯を沸かし、その湯でシーツを洗濯し

ラペンダーの花の上に広げてシーツを干す。

(見ているだけで、ラベンダーのいい香りがする‥)

自家製のハーブテイーと、畑で育てた野菜のサラダ、

焼きたてのパンや、焼きたてのクッキーが出てきたり

 

そういうのもまた、すごい良いです。

 

ああ、これは、また繰り返し繰り返し、何度も見たくなる映画だなあ。

本当にいい映画でした。

 

2020年12月13日映画日記西の魔女が死んだ

コメント

  1. へいこ より:

    随分前に見ました。おばあちゃんのサチ・パーカーさんが素敵だなと思って調べたら、日本に住んで学習院に通っていたこともあるそうで、なんとシャーリー・マクレーンの娘さんということにもびっくりしました。本名サチコの名付け親は小森のおばちゃまとも。またまたびっくり。

    1. 奥薗壽子 より:

      サチ・パーカーさん、すてきでしたね。
      えええ~~、そうなんですね。しかも小森のおばちゃまが名付け親だなんて。
      いろいろ勉強になります、教えてくださって、ありがとう。

  2. ママデューク より:

    アマゾンプライムビデオに作品があったので観てみました😃以下は印象に残ったシーンと演出です。
    雨が降ってきて車のワイパーで雨を拭くのと、運転している母が泣いて娘が差し出すハンカチで涙を拭くのがシンクロするオープニングが印象に残った
    山の中のおばあちゃん家のロケーションが良かった(森の緑の木々や草花のショットが印象に残った)
    裏の畑からとってきたレタスでサンドイッチ、野いちごを摘んで、洗って、屋外のかまどで薪をくべて、大鍋で砂糖と煮込んでジャムにして、瓶詰めして、カリッカリのトースト(多分カリッカリの音を強調する為アフレコしているとボクは思った)に塗って食べる、夜中の焼きたてのクッキーとティー、父親の大好物のキッシュなど料理とティーが美味しそうだった
    丘の上で緑の山々が連なっているのが見えるシーン、まいサンクチュアリの森の木々の木漏れ日や風で葉がカサカサ鳴る音など山と森のシーンが良かった(暗く土砂降りになるとその山や森の様子が一変して怖くなるというのを撮っていたのも良かった)
    布団のシーツをタライに入れてお湯をはって足で踏み、洗ったシーツをラベンダーの花の上に広げて乾かすというのが印象に残った
    最後おばあちゃんとわだかまりのあるまま別れたのは後味が悪かった(自分がされた事より自分がした事の方が酷い事をしていたと孫娘が気づくのが良かった)

    ボクは、素敵なおばあちゃんで羨ましいなぁと単純に思って観てましたが、独身で子供もいないので、子供の自立の描き方、孫娘が自立して離れていく時のおばあちゃんの寂しい気持ちなどにはあまり気づきませんでした。
    でもとてもいい雰囲気のある映画で良かったです。
    それでは失礼致します。サヨナラ・サヨナラ・サヨナラ👋f@

    1. 奥薗壽子 より:

      シーンの書き方が勉強になります。そうそう、そういうシーンで、そんな風に印象に残りました。
      書いてくださったのを読んで、また、あのいいシーンを思い出しました。
      私はおばあちゃん子で米の気持ちもすごくわかるし
      この歳になってみると、おばあちゃんの方の気持ちもすごくわかるようになり
      最後はとてもせつなかったです。
      おばあちゃんのおうち、本当に素敵でしたね。

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