でいりいおくじょのBLOG

2012.02.24

おからのブラウニー

『和風ケーキ&クッキー』の頃から
レシピを愛用しています、という方からメールをいただきました。

あまりの嬉しさに
もう、うれしさを通り越して感動してしまった私。
 
『和風ケーキ&クッキー』(農文協)
というのは、私の料理本の記念すべき一冊目。
今から21年ほど前です。
 
実際は、その本の前に
父親と共著で地球環境の本を書いていたのですが
料理本としては、これが最初です。
 
あの頃はまだ息子が2歳くらいで
子育てに必死の新米ママで
 
子供のご飯は一日4食
3食+おやつなんだけれど
そのおやつもご飯と考えて、不足しがちなものを食べさせる
そういうふうに考えて
3食で不足しがちな豆類や海藻や野菜なんかを使ったおやつを
一生懸命子供に食べさせてたんです。
 
あの当時、
実は息子は、なぜか豆腐が嫌いで
食事で食べさせられない豆類をおやつにして食べさせようとしたのが
そもそもの始まりで
 
豆腐やおからやきなこを使ったおやつを
ああでもないこうでもないと、日々作っていました。
 
某ドーナツ屋さんが豆腐ドーナツを発売したのは
この本の発売のずっと後ですので
豆腐やおからを使ったお菓子というのは
当時、相当斬新なものだったと思います。
 
メールやネットなどなかった時代ですから
もう頭の中で、考えて作るしかなかった。
 
全くの素人が考えたレシピを本にしようとしてくださったことは、
今から思えば、すごいことで
それが、今につながる、始まりだったわけで。
 
メールをくださった方は
今でもこの本のおからのブラウニーを作ってくださっているとのこと。
 
実は私、
減塩本の次の本の構想に取り掛かっていて
その中でおからを使ったものを紹介しようと思っていて
最近あれこれ作っているのですが
 
今回このメールを頂いて
ああ、そうだった
私の料理の原点はここにあったんだということを
あらためて思ったのです。
 
おいしくて、
体に良くて
簡単に作れて
繰り返し作ってもあきなくて
自分の周りの人に、食べてもらいたくなるようなもので
 
そうそう
その思いで、いつもいつも料理を作ってきたのでした。
 
考えてみたら
料理研究家でなかった時間と
料理研究家になった後の時間とが
同じ長さになりつつある今
 
自分の思いは、あの頃と変わってなくて
むしろ、ぐるっと一周回って、
また、あの頃いた場所に帰ってきているみたい。
 
そのことに気づいて
なんだか自分でも、嬉しくなりました。
 
そして、そう思うと、
あの頃のレシピがものすごく愛おしくなって
 
久しぶりにおからのブラウニーを作ってみました。
 
はじめての本だったので
1つのレシピを完成させるために
何十回も試作しました。
 
これで大丈夫だろうか
もっと美味しく出来るんじゃないだろうか
と、いつも不安で不安で
何回も何回も、作らずにはおれない
 
その小心さは、
実は、今でもちっとも変わっていなくて
このレシピを見て
美味しくできるだろうかというのが、いつも心配で仕方ありません。
 
久しぶりに食べたおからブラウニー
やっぱり美味しくて、よかった。
 
あの頃の私に、笑われないように
新しい本にむけて
もっともっと頑張らねばと思ったのでした。

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