でいりいおくじょのBLOG

2022.12.28

読書日記「ばんざい またね」

 

人に勧められた本は

なるべく読むようにしています。

 

というのも、

そういう本って、自分ではまず、選ばない本だったりするし

その人が読んで良かったって言っているってことは

好き嫌いの好みはあっても、よい本であることは間違いないから。

 

この本もそう

 

「ばんざい またね」(萩本欽一著 ポプラ社)

 

著者は、“あの”欽ちゃんです。

 

2014年に欽ちゃんがそれまで続けてこらえたお芝居をやめ

70歳代で、受験勉強を始めて大学に入った欽ちゃん。

 

それまでの仕事の事

これからの生き方

大事にしてきた信念などについて

書かれた本です。

 

コント55号も大好きだったし

その後、欽ちゃんが出ておられたテレビ番組も、ほぼほぼ見てきたし

欽ちゃんの全盛期を知っている年代です。

 

全体としては、欽ちゃんの話し言葉で書かれているので

読んでいると、昔の欽ちゃんの映像がよみがえってくるような感じさえします。

 

前半は、お芝居の事や、テレビで高視聴率を取ってこられた話

等が中心で、

それはそれで、すごいなあとは思いましたが

 

この本は、後半の方が断然いいです。

 

後半は、70歳になってから

一人の人間、欽ちゃんの姿を

垣間見ることができます。

 

いやあ、すごい方です。

本当に、真面目な方です。

 

芸能界って

華やかな世界だし

 

イメージとしては、

面白おかしく遊んで暮らしておられる感じがしますが

全くそうじゃない。

 

とにかく勤勉で、まじめ。

 

もう少し、気楽に楽しいことをしてもいいんじゃないんですか?

って言いたくなる位まじめ。

 

たぶん

自分の人生の中で大事な事の優先順位がきちんと決まっていて

 

やるべき事と、やらなくても良い事を分けられて

自分に必要ないものは、切り捨てて

必要なことを淡々とこなしてして、コツコツと階段を上がってこられたんだろうな

ということが想像できます。

 

でも私は

欽ちゃんが何をして、何を考え、どんな風に行動したか

ってことよりも

欽ちゃんが、

何を切り捨て、何をやめ、やらなかった事、語らなかったものは何か

ということの方が、気になって仕方なかった。

 

たぶん、普通の人が普通に手に入れられる、ごくごく平凡な幸せ

みたいなことの多くは、切り捨ててこられたんじゃないかとおもいます。

 

でもそれは、ご自分の意志でやられたことで

後悔もされていない。

そうな感じがしました。

 

そういう意味では

人の幸せって、その人が持っているもの(地位とか、知名度とか、財産とか)

で計りがちだけれど

実際は、それを得るために、切り捨てたものもたくさんある

 

手に入れたものと

手に入れなかったもの

 

結局は、その二つを足したら

みんな似たり寄ったりになるのかもね。

 

ただ、

自分がどうなりたいのか、何を得たいのか

そのために、何かを犠牲にしても、失ったとしても、手に入れたいものがある

それがある人は幸せだな。

 

そういう意味では、欽ちゃんは欲しいものがあって

それを手に入れたわけだから

幸せな人なんだと思う。

 

そういえば

ずーっと前

24時間テレビのランナーとして、番組最高齢で走られたことがありましたが

あの時の感じ

テレビで見ている欽ちゃんとは、違う人みたいに見えて

えっ????って思ったのを記憶しています

 

ただただ、自分に厳しく、目の前のゴールに向かって淡々と走る

あの時に、垣間見えた姿が

もしかしたら、限りなく素の欽ちゃんなのかもって、

今更ながら思いました。

 

コメディアンとして有名になりたい

視聴率を取りたい

 

そのために

あそぶこともやめ

人間関係も整理し

ぼーっとしたり、グダグダしたりすることのなく

ただただ、走り続けた欽ちゃん。

 

あの時、テレビに出る人の顔ではなく

自分に厳しい

普段の顔に戻っておられたんだなと思う。

 

2022年12月27日読書日記「バンザイまたね」

コメント

  1. Amy より:

    私も欽ちゃん、好きでした。他人を落として笑わせるということがなかったですね。家族で安心して見ていられました。

    1. 奥薗壽子 より:

      ホント、ホント、欽ちゃんを見ていると気持ちが穏やかになりましたね。

  2. ママデューク より:

    わざわざ買って貰って読んで頂いて長文の感想を書いて頂いてとても嬉しいです😆ありがとうございます🙇‍♂️
    欽ちゃんさんは奥薗姐さんのように60代で野球、70代で大学生やマラソン、そのほかにもいちはやくニコニコ動画やYOTUBEで配信をするなど、歳をとっても新しい事に挑戦する姿勢が凄いなと思っていたので、この「ばんざい、またね」を図書館で借りて読んだのですが、本当に凄い本に出会ったなと感動しました📖
    お笑い、特に動きの笑い軽演劇の極意「動きとセリフが別行動」「セリフを言わないでセリフが聞こえるように演じる」「お客さんの入りや状況に合わせて芝居を変える」なんかは今でもお笑いを目指す人達の為になる極意だとボクは思うし、出てくるエピソード(奥さんや子供達が笑って旦那さんを送る粋な葬式や政治家になるよう誘われた時のエピソード、大ばぁちゃん中ばぁちゃんお嫁さん孫の女の子の家族全員女性の家族のエピソード、スタア誕生の「ばんざーい、ナシよ」が生まれたエピソードなどなど)も感動できたり凄いなと感心するエピソードのオンパレードで凄いのですが、やはりラストの方の生きる為のアドバイスがボクの心に響きました。
    「遠くする」話。遠くする事で物語が生まれ物語が豊かになる。鬱で苦しんでいたのもいつかは成功する為の「遠くする」の一環に思えた。
    粋な言葉を身につけるコツは、現実をそのまま口にしない。辛かったら楽しい言葉を、悲しかったら嬉しい言葉を、悔しかったら幸せな言葉を笑顔で言ってみる。この話はボクの大好きな笑い悲惨な現実を笑いに変えるユーモアとピッタリ一致していた
    ダメな所は時には長所にもなる。欠点が長所になると人生は大きく変わる。鬱の時自分は働かないダメ人間だと自分を責めていたが、ダメでもいいんだと勇気づけられた(又欽ちゃんさんの格言「欽言」の「ダメな時ほど運がたまる」にも、鬱で落ち込みが激しい時、この後は幸運になれるかなと感じられ鬱が和らいだ)
    「辛いは辛いの向こうにある」本当に辛くなる前から辛くなる事を心配する。本当に辛い事が起きた時でも覚悟を決めて向かい合えば思った程の辛さにはならない。これは将来の母の介助に漠然と不安を抱いてずっと心配していたが、実際に乳がんで出血して緊急入院になった時でも、覚悟を決めて一つ一つやるべき事をこなしていけば乗り切れたのでその通りだなと思った。今でも先取り不安(精神病用語で実際になる前から心配不安になる事)は強いけれど、この「辛いは辛いの向こうにある」と言う言葉に救われている
    人は自分のためだけに生きていてもつまらない。自分のためじゃなく、誰かの為に生きる事が楽しくて、その人に生かされていると気づく事が大事。鬱の時は自分の事で精一杯だけど、鬱が軽い今は自分の事だけでなく周りの人の事も気遣える余裕が出来た
    などなどボクにとっては本当に凄い「欽言」ばかりでした。
    欽ちゃんさん、今かなり体調が良くないみたいですが、いつまでも長生きして欲しいです🙏
    長々と失礼しました🙇‍♂️それでは失礼致します🙇‍♂️足立区一のお調子者f@

    1. 奥薗壽子 より:

      良い本を教えていただき、ありがとうございました。
      たぶん、教えてもらわなければ、絶対に手に取っていなかったと思うし
      欽ちゃんのことも、もしかしたら、思い出すこともなかったかも。
      欽ちゃんは、いい仕事をしてこられましたよね。
      「バンザイ、なしよ」も大好きでした。
      欽ちゃん、体調を崩されているのですか。
      回復されて、元気な姿を見せてもらいたいですね。

  3. ママデューク より:

    色んな事を犠牲にして、新しい事に創意工夫しながら挑戦し続けて、仕事で成功を収める。欽ちゃんさんや奥薗姐さんはホントに凄いなと思います。
    ボクはそこまで仕事に精進してこなかったけれど、今は仕事で成功するのは難しいだろうけれど、自分なりに自分のペースで楽しく生きていけたらいいなぁと感じています。
    欽ちゃんさんは大分身体が悪いみたいで、少し前は入院したり、ちょっと前に映像で観た時は動いた後に酸素吸入器で酸素吸ったりしていました。とても心配です。大学も中退してしまったし。
    けれどボクは観てませんが、今でもyoutubeで月水の午後9時から生配信はしてるみたいです。
    欽ちゃんさんにはいつまでも元気で長生きして欲しいです🙏それでは失礼致します🙇‍♂️足立区一のお調子者f@

    1. 奥薗壽子 より:

      欽ちゃんはスゴイですが、私は全然すごくないです。
      横に並べて書かれると、ゴメンナサイって感じです。
      仕事での成功と、人生を満足して生きるのとは違いますからね
      自分にとって、何が大事なのか
      自分の価値観の中で、マイペースで楽しく生きることが人生の優先事項なら
      それもまた、最高に幸せな人生だと思いますよ。
      自分の幸せの物差しは、自分の中にあるのですから。
      欽ちゃん、大学中退されたんですね。体がしんどいんでしょうね。
      元気になってほしいですね。

  4. ママデューク より:

    最近は最悪生活保護を受ける事になっても3食作って食べそれをスマホでインスタにアップする事と映画を観て感想をブログにアップ出来れば自分は満足で、そのくらいなら生活保護の範囲でやりくりが出来そうだという自信は持てるようになりました(食費かからないのは奥薗流の料理のおかげが大きいです。ありがとうございます🙇‍♂️)料理と映画の基本線は崩さず、高齢の母の介助もしながら、まだ働く余裕があるなら働けたらいいなぁと今の自分は思っています。
    最近は落ち込みも少なく、生活も充実しているので、今が生きていた中で1番楽しい、毎日が自己ベスト更新していると感じられています。今はこの感じと今の生活の充実が続いて欲しいなと願っています。
    それでは失礼致します🙇‍♂️足立区一のお調子者f@

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「送信」ボタンを押してください。

PageTop