家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
しつこく京都の話。
比叡山に行っていたのでそのことを書かせてください。
実は、亡くなった父が京都の中でとくに好きだったのが比叡山で
子供の頃からよく行っていたんです。
本当に、何かといえば比叡山でした。
八瀬からケーブルとロープウエーを乗り継いで、比叡山山頂まで行くのですが
私の中で、比叡山の山頂に行くと、なぜかお化け屋敷に連れていかれ
それが嫌で嫌で(今でもお化けとか、妖怪とか苦手です)。
だから、比叡山に対して苦手意識があって
もう、ここ30年以上、行ったことがなかったのですが
最近になって
父はなぜあんなに比叡山が好きだったのか、その理由を知りたい
あんなに好きで、想いでもたくさんある比叡山にもう一度行ってみたい
という気持ちが強くなったのでした。
比叡山の山頂に行くには、いろいろなルートがあるのですが
京都駅から出ている直通バスが一番楽ちんなので、それに乗っていざ比叡山頂へ。
約1時間15分くらいで到着。
比叡山派の上は、山頂、東塔、西塔、横川の4つのエリアに分かれていて
さすがに天台宗の総本山、すごい広さです。
4つのエリア間の移動は、基本シャトルバスで、歩いたら大体30分くらいかかる距離(西塔と横川の間は歩けば90分くらいかかる)
一番有名な根本中堂は東塔にあるので、まずはそこから。
残念ながら、修復工事中でしたが
最澄が、このお堂を立てた時に最澄が灯したという「不滅の法灯」は、拝むことができました。
(あいにく補修工事中)
その後、一番北に位置している横川。
それから、バスで西塔に戻るというルートで回りました。
(横川の 元三大師堂 角大師が有名です)
(弁慶が担いだという伝説がある、にない堂)
とにかく広くて、寺坊が多くて
一日では、全然回り切れません。
ただ、今回、延暦寺に来て、あらためてわかったことは
ここが京都の仏教の始まりで
全てはここから始まり、いろんなことがここで起こっているということだけは実感しました。
だから、父は繰り返し繰り返し、ここにきて
いろんなことを考えたり、感じたりしたんだ、と思いました。
哲学と宗教が大好きだった父にとって
比叡山は、とっても大事な場所だったんだなと。
そんなことをぼーっと考えていたら、
まさかの反対方向のバスに乗ってしまい。
慌てて降りたのですが、その時点で、そこから引返すバスは
なんと30分後しかなく、しかも、それが最終!!!
さらに!
そのバスでは、もはや京都市内までは帰れないことが判明。
京都市内まで帰れるバスは、その時点で、もうすべて終わっていたんです。
うそでしょ・・。
バスで1時間かけてあがってきた山道を、歩いて降りるとなると、
いったんどれくらいの時間がかかるのか
しかも、その時点で4時過ぎだったので、
途中で日が暮れたら、私、どうなるん・・・・・・?。
泣きそう・・・・・。
バスの運転手さんに聞いても、あまりよくわかっておられなくて
ますます絶望的・・。
ああ、そうだ、こういう時は、とにかく人に聞くのが一番だと思い、
そのバスに乗っておられた、何人かの人に来てみたら
頂上まで行って、ロープウエーとケーブルと電車を乗り継いで帰るしかないというアドバイス。
ああ、それ
子供の頃、父親と一緒に比叡山に来る時、乗ってたやつやん!!!!
それ、知ってるやつやん!!!
なんかね、ちょっと変な感じなんだけれど
間違って、違うバスに乗ってしまったのも、
京都市内行きの最終バスに乗れなかったのも
子供の頃乗っていた、あのロープウエーとケーブルに乗るためだったような気がして
父親との思い出が、一気にフラッシュバックしたような感じ。
結局、時間が遅かったせいで、乗り継ぎがうまくいかず
2時間20分ほどかかりましたが
なんとか、京都市内まで帰ってきました。
でもね、気持ちはちょっとした達成感で満たされていました。
子供に返って、ちょっとした冒険に出かけたみたいな。
長い、長い一日でしたが、振り返ったら、なんか楽しかったなあ。
比叡山の八重桜。
標高が高いので
今、まさに満開でした。
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