家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
樹木希林映画祭り、絶賛開催中!
といっても、私一人で勝手にやっているだけですが。
「あん」は話題になっていた頃
先に原作を読んでしまったので
映画は、見ないままになっていました。
原作を先に読んでしまうと、それだけで満足しちゃうし
映画というのは、監督さんのフィルターを通してしまう分
自分の感じた世界観と違う風になってがっかりすることも多々あるし
で、原作を読んだら、もう映画は見ない
ってことが多かったんです。
でも、最近は、本は本でいいけれど
映画は映画で、別物として、またこちらも良い、
っていうのが増えましたね。
「あん」もそうでした。
町の小さなどら焼き屋さんに
ある日、徳江さん(樹木希林さん)という80歳近い女性が働きたいといってくるところから物語は始まります。
立ち仕事だし、力も体力もいるし
最初は、断るんだけれど
徳江さんが持ってきたあんこを食べて
そのおいしさにびっくり。
どら焼きはあんこが命でしょ?っていう徳江さんの言葉に心が動き
粒あんを煮てもらうことになるんです。
やがて徳江さんの煮るあんこのおいしさが評判になって
行列ができるほどの人気店になるんだけれど
実はこの話には、もう一つのテーマがあって
徳江さんが、ハンセン病患者という事だけで
いわれのない、偏見や差別を受けることになるのです。
(ストーリーの続きは、映画を見てね)
私たちは、この世を見るために聞くために生まれてきた
だとすれば、何かになれなくても
生きる意味がある
徳江さんのこのセリフ
重かったです
本当にそうだと思ったけれど
そういう風に、軽くいってはいけないような気がしました。
そんなに難しく考えなくてもいいのだと思うんです
ただ、自分の耳で聞き
自分の目で見る。
他人の評価に惑わされないこと。
そのことが大事なのだと思います。
心はどこまでも自由です
自由なはずなのに
人の価値観でがんじがらめになってしまう。
人の価値観にとらわれてしまう。
自分の目で見て、自分の心で判断すれば自由でいられるのに
どんどん、自分をかごの奥に閉じ込めてしまう
心の中では、外に出たい外に出たいと叫んでいるから
だから、苦しくなる。
自分を内に閉じ込める弱さも
一歩外に出る力も自分の中にある。
この映画のすばらしさは
登場人物の一人一人が多くを語らず
語らない言葉の中に、たくさんのメッセージがあって
その言葉のないところに
たくさんのものが詰まっていて
それが、見る者の心の中で自由に大きくなっていくところ
その説明的でない言葉の中に
本当のこと、とても大切な何かを感じ取ることができました。
見終わった後も
この映画の中で生きていた人たちが
まだ、私の中でしっかり生きていて
今もまだ元気に頑張って生きています。
そのことが
自分の中でずーっとホカホカしています。
本当にいい映画でした。
それにしても、樹木希林さん
この作品もすごいです。
本当にすごいです。
一番最後のシーンは、すごすぎて震えました。
樹木希林さん最後の主演映画
本当に素晴らしかった。
コメント
私も見ました。役に入る希林さんのすごみ、表情のやさしさ。
すべてを受け入れて、おもしろがる心意気。
顔が母に似ているんです。性格はまったく違うのですが。
言葉にするのがもどかしいくらい、心が動かされる感じでした。
本当にいい映画でしたね。
「あん」(監督河瀬直美)とってもいい映画ですね🎞「生きる意味がある」ハンセン氏病で隔離され、子供も産めなかった徳江さんが言うので泣けてきます😢どんな悲惨な人生でも生きる意味は見いだせる。感動します😢樹木希林さんだけでなく、永瀬正敏さん、そして内田伽羅さんのナチュラル演技も良かったです。特に内田伽羅さんの演技は自然体で凄いなと思いました。あん。とっても良い映画ですね🎬それでは失礼致しますf@
そうですね。永瀬さんも内田伽羅さんも、本当に素晴らしかった。
徳江さんは、十代の頃から、あの塀の中で暮らしていて、最初は絶望の中にいたんだけれど、心を閉じ込めることはだれにもできないことに気づいたんですよね。徳江さんの言葉の一つ一つが心に響くのは
深く自分の内面に向かいつつ、心は自由に外に向かっているからなのかなと。
全ての命に生きる意味はある。本当に感動しました。