家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
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読もうと思って買ってあったのに
なかなか読めなかった本
ようやく、読むことができました。
ひとのこころ と からだ
「いのちを呼びさますもの」（稲葉俊郎著 アノニマスタジオ）
著者は東京大学医学部付属病院循環器内科にお勤めの医学博士
専門は心臓だそうで
それだけ見ると、なんかお堅い話なのかと思いますが
全くそんなことはなく
医学と芸術と体と心が見えない糸でつながっていくような本です。
○○に含まれる××という成分が△▽に有効であるとか
健康になるために、あれを食べなきゃ、これを食べなきゃ
これは食べてはいけない、どうせ食べるならこれ、とか
もう、健康になるための食べ物の情報って
今や巷にあふれていて
情報が独り歩きしているというか
上滑りしているというか
健康になるための情報に惑わされるすぎて、逆にそれ、不健康なんじゃない？
とさえ思ってしまったりすることがしばしばあります。
確かに、身体にいいものを食べたほうがいい
けれど、身体にいいものを食べてさえいれば健康なのか
というと、それは違うとずーっと思っていました。
完全栄養食品みたいなサプリメントや、ドリンク剤ができたとして
それを食べていれば栄養的には完璧でも
私には健康とは思えないし、まして幸せとも思えないです。
それはつまり、
栄養学的に完ぺきであっても
それだけでは、完ぺきではないという事です。
となると、栄養バランスのいい健康料理は
（もちろん、そういうことも大事ですよ）
食材の栄養素や調理方法だけでは語れないという事だと思うんです。
栄養というのは、身体の臓器にとって必要なものですが
心にとって必要な栄養もあって
心に効く方の栄養素は、いわゆる栄養学で表されるものとは別次元のものだと思うからです。
そういうことを私自身、常々思っていて
家庭料理研究家として、これから先の人生は
健康になるための料理ではなく
日々健康で暮らすための家庭料理を研究していきたいと思うようになりました。
身体にも優しい料理であると同時に
心にも効く料理。
私なりに日々それを探っていて
実は、それが毎日アップしている日めくりレシピなのです。
この本の著者は、
健康というのは、体と心と両方から考える必要があるとおっしゃっていて
心を健康にするものの存在として芸術を上げておられます。
それ、すごくわかります。
私も、本や映画がなければ、心を健康に保つことはできないと思うから。
健康になることと
健康でいることは違うと、著者は書かれていて
そこにもすごく共感しました。
健康になるというのは、どこか具合が悪いところがあるという状態からのスタートで
健康でいるというのは
どこか悪いところがあるとしても、前向きに過ごすという事
つまり、そこには心が関係している。
料理もそうだと思うんです。
健康いなるための料理では、何か必死な感じで楽しさがない。
けれど、健康に過ごすための料理なら、心も含めて前向きになれる。
この本を読んで
わたしが追求したいと思っている事と、日めくりで日々試みていること
どちらも間違っていないと確信できました。
ああ、この料理、作ってみたいとか
どんな味がするんだろうとか
食べてみたい、食べさせてあげたい
っていう風に心が動いたなら
それだけで、心がちょっと上向きになる。
心が上を向いたら
ちょっと心が軽くなる。
いやだなあ、めんどくさいなあって思って料理するんじゃなくて
ちょっと作ってみたいなって料理をすることで、心がほんの少し元気になって
それを食べることで、おいしいなって思ったら、また少し元気になる
そういうことが大事だと思うんです。
料理を作ること、食べること、食べさせてあげることで
心が喜ぶ。
心が元気になる。
そこが大切なところ。
健康になるために頑張る料理ではなく
普通に作って、普通に食べて、普通に暮らして
普通に毎日元気でいられる。
そんな、普通の料理。
私が目指すのは、そんな料理。
この本を読んで、
自分の目指している方向が、間違っていないことを確信しました。
本当にいい本。
おすすめです。
コメント
美味しいと喜んで食べてくれる人がいるからまた、次は何を作ろうかと日々料理しています。
ほんとに最近は食の健康情報にあふれていて振り回されがちになりますが、美味しく食べてこその栄養‼️だと思います。
今日もいっぱい美味しいものを作りたい。今夜は鮭のちゃんちゃん焼きかな😋
作る人の気持ちは、確実に料理の隠し味になると、私は思っています。