家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
人生で成功するって何?
という事を考えさせられる映画を見ました。
「きっとうまくいく」
舞台はインド。
型破りの秀才ランチョ―と、ガリ勉のチャトゥルは
エリートエンジニアを輩出する超難関ICE工科大学で勉強する学生です。
チャトゥルは、いい点数を取るために教科書を丸暗記し、友人を蹴落としていい成績を取るタイプ。
ランチョ―はそういう勉強の仕方を否定。
学長に対しても、この学校では、学問ではなく点の取り方を教えているだけだと突っかかっていきます。
この2人
がり勉チャトゥルは、学年一番を目指しているのに
学年トップは、毎年ランチョ―
ランチョ―は、トップになりたいとも、なろうとしもしておらず
学長に逆らって、悪いことばかりいるのに、成績がいいので
チャトゥルは悔しくてたまりません。
ある日、ランチョ―のいたずらにより、
チャトゥルは全学生の前で恥をかかされ、怒りが爆発。
10年後、どちらが成功しているかを競争しようと迫ります。
大学の成績で勝てなかったチャトゥルは
なにがなんでも卒業後の地位や収入でランチョ―に勝ちたいのです。
物語は、その10年後
チャトゥルが、ランチョ―の友人2人を呼び出すところから始まります。
チャトゥルは豪邸に住み、高級車に乗り、
高収入を得て、いい仕事についていて
それを自慢しまくります。
ランチョ―との競争には、自分が絶対に勝っていると自信満々の様子。
実は、ランチョ―には秘密があり
大学卒業後、親友たちの前から忽然と姿を消し、行方不明になっていたのでした。
10年後のこの日のために、チャトゥルがランチョ―の居場所を突き止め
チャトゥルとランチョ―の親友2人は、チャトゥルの車に乗って会いに行くのです。
大学時代の、過去のいろんな出来事と
今の3人の話が行きつ戻りつしながら、ストーリーは展開していきます。
3人は、果たしてランチョ―に会えるのか
10年後のランチョ―は、どこで何をしているのか。
物語のつづきは、映画を見ていただくとして
とにかく、いい映画で
笑いあり、涙あり、ドキドキあり、恋愛あり、
展開もハチャメチャで面白く、3時間弱という長さもまったく飽きることなく
いろんなことを考えさせられました。
人生は競争に勝つか負けるかだ、というセリフがあるのですが
本当に、そうなのかというのが、
この映画の大事なテーマになっていると思いました。
このエリート工科大学に入ること自体が、まず競争で
合格した時点で勝ち組。
でも、大学の中で、また競争があり、
成績でも競争、就職でも競争
その価値観で生きていくならば
一生競争し続けなければならず
卒業してからも、どんな職業につき
どんな家に住み、どんな車に乗り
どれくらいの収入があり、
全部、人と比べることによって、幸せや成功の度合いを測るしかありません。
けれど、
収入や、住んでいる家の広さや、車の種類が
果たして、成功や幸せの尺度なんだろうか…と思うのです。
そして、そもそもそれを誰かと比べることに
いったい何の意味があるのだろうか・・とも思うんです。
学ぶという事は、知らないことを知る喜びであって
誰かよりもいい点数を取るために学ぶという事自体
そもそもおかしくないか?・・と。
確かに、現実は、競争社会であることは否めないし
比較の中で、やりきれない気持ちになることも、確かにある。
いいねの数や、フォロワーの数や、人の評価で比較され
本当の価値がわからなくなることもある。
競争することも、されることも当たり前になると
誰かと比べて、上を見て不安になるのが嫌で、下を見てちょっと安心してみたりしたくなる
そうやって、自分の心をごまかしたくなったりする。
けれど、比較をして、勝ったとか負けたとかって考えている先に、
本当の満足とか、成功の喜びとか
そういうことがあるとは、私には思えません。
この映画を見て、やっぱり、比較の中で、自分を評価したり卑下したりするのは
違うなあって思いました。
人と比べてどうとかじゃなくて
自分が満足しているかどうか
自分が、やりたいと思っていることをやれているか
もしも、それができているならば
それを、人生の成功と呼んでもいいんじゃないかと
この映画を見て、わたしは思いました。
インド映画なので、途中で突然ミュージカル仕立ての歌やダンスが出てきたり
笑いあり、涙あり、ハチャメチャで盛りだくさんですが
飽きずに最後まで楽しめ
見終わった後は
きっとうまくいく!!
と、ささやいてくれるランチョ―が心の中にいて
なんか、うまくいきそうな気になりました。
本当に、いい映画でした。
前向きな気持ちになりたい人に、おすすめです。
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