でいりいおくじょのBLOG

2020.06.28

読書日記「神馬」

“神馬”は昭和9年創業

京都で最も古い居酒屋さんです。

その神馬(しんめ)について書かれた本を読みました。

 

「神馬」(上野敏彦著 新宿書房)

 

神馬は居酒屋評論家の太田和彦さんが

「世界遺産的存在」だと評したことでも有名なお店で

居酒屋好きの人たちにとっては、聖地のようなお店です。

 

実は私も、京都に帰った時は、よく伺う、大好きなお店なんです。

 

この本は、その神馬の創業から現在に至るまでの話や

京都の千本通から、北野、上七軒当たりの歴史の話などが書かれた本です。

(少し北に行けば、北野天満宮があります)

 

神馬は入り口は、本当にごくごく普通の居酒屋さんで

入ってすぐに、コの字のカウンターがあって

その周りに、びっしりと椅子が並んでいて

お客さんどおしが片寄せ合って座る感じ。

 

そうして、ご主人の直孝さんが、そのカウンターの中で

あれこれ、気さくに話をしてくださって

それがまた、とっても楽しくて、

お客さんどおしも、なんだかみんな知り合いみたいな気持ちになるんです。

 

実際、隣どおしになったグループの方から

飲み物をごちそうになったりとか

お料理の味見をさせてもらったりとか

そんなことも、よくあります。

 

私が神馬に行って、まず驚いたのは

居酒屋さんなんだけれど

出てくる料理が、どれもこれもすべてめちゃめちゃおいしく

本当に祇園当たりの料理屋さんで出てくるような、おいしさなんです。

 

でも、神馬はあくまで居酒屋さんで

気楽に食べられるから、よけいびっくりするし、ほっこりするし、うれしい。

 

料理って、品のいいお店で

ちょっと緊張しながら食べるのも、

普段とは違うシチュエーションで悪くはないのかもしれませんが

 

神馬に行くようになってからは

気楽に、リラックスして、美味しいものを味わうほうが

私は好きだなあって、思うようになりました。

 

そういう意味で

神馬は、気楽なのに料理のレベルがめちゃ高いので

大好きなんです。

 

そうそう、この本を読んで分かったことは

今のご主人の直孝さんは3代目で

祇園の割烹できちんと料理の修業をされた方でした。

 

いやね、ものすごく気さくなご主人なんで

そんな風に全然見えなかったんです、すいません。

 

さらに、食材に対する目利きもすごいし

良いものを買い付けることに関して、妥協しないストイックさもすごいの。

 

料理の味から想像すれば、そりゃあそうだよね~って思うんだけれど

何せ、ご主人がめちゃめちゃフレンドリーな方なんで

そんなストイックさを、まったく感じないところが、なんとも言えません。

 

この本を読んだら

絶対、神馬に行きたくなるし

行ったら、絶対好きになる。

 

あっ、それから、

この本には書いてなかったけれど

神馬でおすすめは、ローストビーフです。

これが、本当にレベル高すぎるくらい、高い。

 

私の人生の中で最もおいしいローストビーフです、ホントにホント。

 

それにしても

まじめに誠実に仕事をして

きちんと結果を出せる人って、本当にすごい。

 

今、コロナの影響で大変なことになっているとは思いますが

神馬さんも、他のお店屋さんも

皆さん、頑張ってほしいなあと

ただただ、祈るばかりです。

 

普通に、暮らせることのありがたさを

あらためて思い、

いろんなことを祈りました。

 

2020年6月27日神馬1

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