家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
「風と共に去りぬ」を見ようと思ったんだけれど
問題は、その長さ。
3時間越えの映画は、見るのに勇気がいりますね。
そこで、(こういう見方は本当に邪道だと思うんだけれど)
毎日、少しずつ
連続テレビ小説を見るような感じで
コツコツ見ていき
そうしてようやく見終わりました。
いやあ、すごい映画ですね。
何がすごいって、主人公のスカーレットが
とにかく、自己中心的で、傍若無人、
悪気はないのかもしれないけれど、強すぎる女です。
ざっくりとしたストーリーを書いておくと
時は、アメリカ独立後、南北戦争の時期
舞台は、その渦中にある、南部アメリカ。
奴隷を使った綿花の栽培で反映している南部の
お金持ちの娘、スカーレット。
彼女は、とにかく男性にモテモテで
どんな男性でも、自分に夢中になると思っているんです。
そんなモテモテ女のスカーレットが、思いを寄せているのがアーシュレイ。
ところが、アーシュレイはメラニーと婚約してしまいます。
ところが、その婚約発表の日に、
なんと、スカーレットはアシュレイに告白するんです。
自分が告白して、自分のことを好きにならない男性はいないと思っているんです。
もちろんスカーレットはふられるんですが
その腹いせに、アシュレーのお兄さんと結婚するんです。
すごい。
やがて南北戦争がはじまり、アシュレイも、スカーレットの夫も戦争に行き
スカーレットの夫は戦死
未亡人になったのに、やっぱりアシュレーのことが好きで
メラニーと結婚しているのにもかかわらず、いいよるスカーレット
すごい、というか、怖い、怖すぎる。
その後、戦争が激化して、すべての財産を失い
路頭に迷いそうになるんだけれど
今度は、
妹の彼氏を横取りして結婚し
彼の会社で、商売の才能を開花させ、お金を稼ぎまくるスカーレット
この辺も、すごすぎて、すごすぎて。
まあ、ストーリーを全部書くと、ネタバレになるの
後は、映画を見ていただきたくとして・・・
たぶん、この映画は
南北戦争の事や
スカーレットとメラニー(アシュレイの妻)との友情とか
スカーレットトレッドバトラー(スカーレットを愛し、夫となる)の関係とか
いろんな、角度から見ることができるんだと思うんですが
私は。スカーレットの強さばかりが、ものすごく印象に残りました。
自己中心で、人に厳しく、素直でなく、
女性から見て、女性として魅力に欠けるスカーレット
けれど途中から、嫌いなんだけれど、嫌いになれなくなり
そのうち
嫌いきらいも好きのうち
みたいな気持ちになってくるから不思議。
最終的には、スカーレットみたいな人と友達になるのも悪くないなあ
なんて思いました。
くよくよせず
どんなことでも、体当たりで正面突破していく姿が
なんとも小気味よく、気持ちがいいのです。
いや、しつこいようですが
スカーレットって、ひねくれていて、現実主義で、お金史上主義で
本当に嫌な奴なんですよ
嫌な奴なのに、なぜか嫌いにれなくて
最後は、なぜか好きになっている。
メラニーもきっと、そんな気持ちで
スカーレットのことが、大好きだったんだろうなあと思います。
バトラーも、きっと、そういうスカーレットを愛していたんだろうなあ。
スカーレットトレッドバトラーの恋物語は
バトラーがかわいそうすぎました。
なんか、まとまりのない感想ですが
長い映画というのは、そういうものなのかもしれませんね。
コメント
「風と共に去りぬ」。観て頂いてありがとうございます🙇♂️長いので迷惑かもしれませんが、分割して観た後の感想をコメントさせて下さい
「風と共に去りぬ」(原作:マーガレット・ミッチェル、製作:デヴィット・O・セルズニック、監督:ヴィクター・フレミング 231分)
話の内容は「男と女のラブゲーム♪」。
口うるさい黒人の太った家政婦の女優さん(ハティ・マクダニエル。ラオール・ウォルシュ監督の「壮烈第七騎兵隊」にも出ている)がとっても良かった。その娘役の黒人の女の子も良かった。
スカーレット・オハラの豪華なドレスが良かった。
雲の多い夕焼け空と手前にカメラが引いた時の大きな木が良かった(そこに父と娘が立っている)。
ボクはヴィヴィアン・リーよりオリヴィア・デ・ハヴィランド派だった。
大きな中央階段を豪華なドレスでスカーレットが駆け下りてくるシーンが良かった。
戦争の知らせで豪邸内に人が行き交い大騒ぎになるのが、シーン的に良かった。
寄付を募るパーティーでの凄い豪華な衣装と大人数の迫力あるダンスシーンが最高だった。
ダンス相手をオークションで選べるという提案に、太った醜いババァ達三人がケチをつけるのが無茶苦茶コミカルだった。
皆戦死で悲しんでいる中で、楽器を演奏している青年も涙ながらに明るく勇ましい曲を演奏する演出が良かった。
斧を持って鶏を追いかける黒人の執事がコミカルだった。
南軍の軍人として立派なアシュレイは、社交家のスカーレットより貞淑で信心深い優しいメラニーを大事にするというのが理に適っていた
北軍に攻撃されてる街中で、市民は逃げていき(画面奥に逃げる)、きちんとした軍服も着てない南軍の兵士の隊列は戦地へ向かって進軍(画面手前に進む)するシーンが最高だった。
砲弾で教会が燃える中でも、牧師が聖書を集中して声を上げて読んでいるという演出がとても良かった。
騒然とする街中、特に馬車と馬が行き交うのがシーン的に迫力があった。
南軍の老軍医の俳優(ハリー・ダヴェンポート)がとっても良かった。
メラニーのお産の為に老軍医を呼びにスカーレットが街に行ったら、街中に夥しい数の負傷兵がゴロゴロ転がっているというシーン・演出が凄かった。
家が北軍に燃やされそうなのに、バトラーにスカーレットが「戸締りしなくちゃ」と言うのが、とってもコミカルだった。
弾薬も貯めている燃え盛る炎の貯蔵室の前を、馬車で抜け出す大迫力(大きな建物が焼け落ちる等)と緊迫感が凄かった。
家の中の物全て北軍に奪われ、母は死に父は弱気になり、スカーレットは酒を飲まなきゃやってられないのに酒を飲んでも酔えないというのが凄すぎた。
盗みや人を殺してももう二度と飢えには苦しまないとスカーレットが神に誓う前半のラストも凄すぎた。
幕間
前半だけでも凄すぎる。小津安二郎監督が「風と共に去りぬ」を戦中に観て、「こんな豪華な映画を撮るアメリカに戦争で勝てる訳が無い」と言った逸話をボクは覚えていたが、「豪華」とはセットとか大人数のマンパワーと言った物質的な豪華さだけでは無く、音楽・キャスト・演出・シーンそして話の内容等等全てをひっくるめた「映画的な豪華さ」の事を言っていたんだと、作品を観て初めて分かった
戦争の焼け跡の中でも力強くまばらに育ったタラの綿農場の綿花がとっても良かった。
盗みに来た北軍の兵士をスカーレットが銃で撃ち殺し、メラニーがしたたかに後始末のアドヴァイスをするのも凄すぎた。
スカーレットが「妹が結婚してくれると(食い扶持が減って)家計が助かる」と言うのがコミカルだった。
女は好きな男の為に何もかも投げ出して一緒に逃げたいというが、マジメな男は男の誇りと妻と子供の為に「逃げられない」と断る演出が凄すぎた。
大好きな男から渡されたタラの赤土を、昔の父親の部下でタラの家を金で買いに来た男に投げつける演出が凄かった。
父親が金でタラの家を買いに来た元部下を追って馬で追いかけ、馬が柵を飛び越せず死ぬのが凄かった(父親が最初馬で柵を颯爽と飛び越えるシーンを活かした演出)。
会えば衝突・悪態つきまくりのスカーレットとバトラーが最高だった。
数人の黒人達が楽器で演奏して踊る演出・シーンがとても良かった。
タラの土地を守る為にスカーレットが妹の恋人と結婚するのを、税金を払う書類のサイン(妹の恋人の苗字を書く事で結婚した事を明示)で明示する演出がオシャレだった。
スカーレットがメラニーに泣きつく演技で、アシュレイを引き止める演出がとってもコミカルだった。
やり手のスカーレットが拳銃を持って貧民街に行って住民二人に襲われた所を、昔の黒人召使に助けられるのが良かった。
バトラー・老軍医・アシュレイ・メラニーで北軍の兵士の前で大芝居をうつ演出が無茶苦茶大人でカッコ良かった(事情をよく分かっていないお婆ちゃんが「本当に娼館に行ったの」と老軍医に訊ねてくる演出も無茶苦茶コミカルだった)。
娼婦ベルがメラニーにスカーレットの悪態をついた時にメラニーが「スカーレットを誤解しないで。彼女は泣き暮らしているのよ」とスカーレットを擁護する女の友情に熱い涙がこみ上げた。
バトラーが「愛してる」と素直に言えないので、冗談めかしたり、強引に迫ったりするのが「男の可愛さ」だと思った。
バトラーの強引なキスが功を奏して、スカーレットがバトラーとの結婚を承諾するのが理に適っていた。
親しい仲の人達に迄夫とスカーレットの浮気の噂が流れているのに、メラニーはスカーレットを最初から当たり前のように信じて温かくパーティーにスカーレットを迎え入れるのが凄かった。
泥酔して嫉妬に狂ってバトラーがスカーレットを抱いたら、女は喜んだのに、男は後悔するという「男と女のすれ違い演出」が凄過ぎた
バトラーがスカーレットとの話し合いで子供を奪ったが、子供が母親を恋しがったのを見て、子供を母親に返しに行くのが凄かった。
相変わらず素直に自分の気持ちを言えず衝突・いがみ合う二人のやり取りで、スカーレットが階段から落ち、二人目の子供を流産するというのが凄かった。
メラニーは、フツーの優しい女性だが、高齢出産も厭わない勇気のある女性で、なんでもお見通しというのが凄すぎた。
一人娘も黒人の太った家政婦の言う事をきちんと聞かないから、スカーレットの父親と同じ馬の事故で死んでしまうというのも凄すぎた
二人の良き理解者であるメラニー迄最後死んでしまうというのが凄すぎた。
最後に故郷(くに)のタラに戻って、一晩ぐっすり寝て明日じっくり対策を考えれば、スカーレットもバトラーもどちらもやり手なので、二人は「タラで」仲良く暮らせるようになるし、スカーレットの生き様の凄さを観たら高齢出産で3人目以降の子供もバンバン産めそうだし、もし子供が産めなければ子供を欲しければ養子を迎えたりして、スカーレットとバトラーはこの後いともたやすく「愛のある家庭」をスカーレットの故郷(くに)であるタラで築いていくとボクは確信しているので、一般的に言われる悲しい別れのラストではなく、大団円のハッピーエンドだとボクには思え、観た後味も最高だった。
全般的に
凄すぎるの一言。南北戦争・戦争後の時代背景の豪華絢爛な歴史大作映画なのに、それはチョットした添え物に過ぎず、「男と女の愛の難しさ」をメインディッシュとする事で、誰もが共感し分かり易い無茶苦茶面白い感動娯楽作に仕上げている事に度肝を抜かれた。その愛も二人が結ばれるとか結婚するとか子供が生まれるとか生まれた子供が死ぬとかついに自分の気持ちに素直になり「愛してる」と相手に伝え伝われば一挙に全てが解決されるという普通の映画ならば凄すぎる演出がチンケな扱いしかされておらず、「本当の大人の愛の難しさ」を時に無茶苦茶面白く時に無茶苦茶悲しく描き出していて、お子ちゃまのボクの「愛」に対する考え方を根本的に変革してくれて、ただただ超感動するしかなかった。
映画としてもパーフェクトだし、「愛」を深く考えさせられるし、231分と物理的な時間としては長い映画だけれど全編イキっぱなしで、時間が「あっ」と言う間に感じる、ボクの中のベストだった「ポンヌフの恋人」を超えて、ボクが今まで観てきた映画の中で一番大好きで、一番面白く、一番感動した映画作品。大袈裟でなく「観たら人生が変わる作品」と言っても過言ではない。
この頃はテンションが高く、観た直後にこの感想を一気に書き上げました。
長過ぎるのでもし迷惑であれば削除して下さい🙇♂️
「風と共に去りぬ」無茶苦茶長いのに付き合って頂き有難うございました🙇♂️それでは失礼致します🙇♂️サヨナラ・サヨナラ・サヨナラ👋足立区一のお調子者f@
長かったですが、確かに名作ですね。
スカーレットトレッドの恋の駆け引きというか、心の行き違いというか
素直になれないもどかしさというか
この2人は、本当は見ていて気を揉みます。
後、府信者を呪殺した後の、メラニーの言動に
なんか、ちょっとブラックなメラニーを感じて
そこもまた、この物語に深みを与えていますよね。
それにしても、この映画が大好きなんですね。
解説もすごいです。
見るきっかけを作って下さったことに感謝。
「風と共に去りぬ」は、本当に贅沢な作品だとボクは思います。4時間近くを映画観て過ごすなんて、映画が好きで心にもお金にも時間にも余裕がないとなかなか楽しめないとボクは思います。最近は皆んな忙しく、youtubeなどの短い動画、映画もいい部分のダイジェストを観れるので、映画好きでなければ2時間の映画を集中して観るのも今は難しいのではないか?とボクは思っています。
時間というものは誰にとっても貴重なので、奥薗姐さんのように忙しい合間に細切れで観たり、僕の好きな映画監督ジャン・リュック・ゴダールが何かで言っていたようにyoutubeなどでダイジェストやいいシーンを切り抜き出したのを繰り返し観るという映画の楽しみ方もボク的にはアリだと思っています。
本当にインスタ、youtube、なべかまぺえじと忙しい中、観て頂いて、とても嬉しかったです。ありがとうございます🙇♂️それでは失礼致しますf@
本当にそのとおりですね。私も同感です。
最近は、パーっと刺激の強くて、短い時間で結論がわかるようなものが多くなってきている気がします。
でも、そうなると、どんどん、強い刺激でないと満足できなくなる。
見た目の華やかさや、インパクトはなくても
ゆっくりと味わってこそ、美味しい料理があります。
特に、家庭料理というのはそういうものだと思います。
そういうおいしさも、きちんと味わうことを忘れないで、暮らしていけるといいなあと思います。
以前、映画を見ていい人になろう、みたいなことをおっしゃっていましたが
心が豊かになるって、とっても大事なことだと思います。
静かに味う事の豊かさを忘れないで暮らしたいですね。