でいりいおくじょのBLOG

2021.02.16

映画日記「バベットの晩餐会」

昔見た映画で、ずーっと心に残っており

もう一度見たい見たいと思っていた映画をようやく見ることができました

 

「バベットの晩餐会」

 

1989年制作のこの映画

実はアマゾンで、ずーっと視聴不可となっていて

半ばあきらめていたところ

 

突然HDニューマスター版としてプライムになったので

うれしくてうれしくて

大喜びで見ました。

 

やっぱり、いい映画でした。

静けさと快楽とが見事に調和していて

前半部分と、後半部分のコントラストも実にいい。

 

ストーリーはこうです。

 

北欧の貧しい田舎の町の話です。

そこには信心深い人たちが静かに暮らしていました。

 

そこにやってきたのが

国を追われたバベット

牧師の家にお手伝いとして住み込むことになります。

 

月日は流れ

村の人たちは年を取り

神を信じてつつましく暮らしているものの

だんだん、心がぎすぎすし始めます。

 

そんなある日、バベットが宝くじに当たり

大金を手にします。

 

おりしも、亡き牧師の誕生日会が開かれることになっており

そのパーティーの料理を作らせてほしいとパペットは頼みます。

 

実は、パペットはもともと一流レストランの料理長で

料理の腕は確かで

宝くじで得たお金を使って

最高級の食材を仕入れ、村の人たちにふるまうのです。

 

最初は、見たことも食べたこともない料理に対し

村の人たちは、半信半疑なんだけれど

美味しい料理によって、

少しずつ、心を開き、そして優しさを取り戻していきます。

 

ストイックに禁欲的に暮らしていた村の人たちが

美味しい料理によって、少しずつ心を開放していくところが見所です。

 

神の力と

料理の力

 

禁欲と快楽

 

この対比がすごくいい。

 

映画の中にこんなセリフがあります。

 

あの世に持っていけるのは

人に与えたものだけだ。

 

そうなんですよね。

 

地位やお金や、権力など幻にすぎず

年を取ったり、世の中が変われば、あっけなくなくなってしまう。

 

けれど、誰かにしてあげたことは

自分が死んでも、その人の心の中に残り

また、その人が死んでも、誰かの心の中に残っていく。

 

バベットは、宝くじで得たお金のすべてを使って料理を作り

すべてを村の人たちに分け与えました

 

お金は無くなったけれど

みんなの舌と心に残したものは

これから先もなくなることはありません。

 

料理の力にも感動するのはもちろんなんだけれど

生きていくうえで、大事なことを教えてもらった気がします。

 

人に与えること。

与えることで、自分も幸せになれる。

 

手に入れようと必死になることは

手放したくないという執着を生みます。

 

その執着を手放すことこそが

よりよく幸せに生き、死んでいく方法なんだなあと思います。

 

やっぱり、この映画、大好きです。

本当にいい映画でした。

おすすめです。

 

2021年2月15日バベット

コメント

  1. ぶんすけ より:

    こんにちは!
    バベットの晩餐会、私もみました。
    原作を昔読んだのですが、映像化されると素晴らしい作品のひとつだなぁと思います。(「アフリカの日々」も好きです)
    何より姉妹の清らかさが心洗われました。
    料理も興味深く見たのですが、ウミガメのスープ?!すごいなぁと思います。
    姉妹の住む家も外からでは想像つかないほど良い調度品で揃っていて北欧らしきところに目を奪われました。
    心に響く映画が一緒で嬉しかったです^_^

    1. 奥薗壽子 より:

      ずいぶん若い時に見て、最初は料理の力ってすごいなあ、なんて思っていたのですが
      それから、何回か見るうちに、もっと深いテーマに気づくようになりました。
      この映画は、本当に大好き、とてもいい映画ですね。
      アフリカの日々も読んでみたいです。

  2. ママデューク より:

    Amazonプライムビデオで「バベットの晩餐会」観ました🎞以下は感想です。結論から言うととても良かったです😃いい映画を教えて下さり、ありがとうございました🙇‍♂️それではこれからも良い映画を沢山観て良い人になって下さいね😉サヨナラ・サヨナラ・サヨナラ👋足立区一のお調子者f@
    「バベットの晩餐会」(監督ガブリエル・アクセル 102分)
    話しの内容は、デンマークの小さな漁村の牧師生誕100年記念の晩餐会で、今は亡き牧師の、娘2人の召使いが宝くじで当たった金を使って、自費で自分で料理して、村人達にフレンチのフルコースをふるまい、村人や来賓の将軍の気分を美味しい料理でアゲアゲにする話
    ヒラメかカレイを干しているショットが印象に残った
    朝日か夕日に照らされながら、バベットが草を摘んでるシーンが印象に残った
    魚をねぎるバベットが印象に残った
    晩餐会の食材を運ぶ時のうずらの鳴き声が印象に残った
    晩餐会でのバベットの料理の手際の良さと指示の明確さが印象に残った
    食事が美味しいので、会話も弾み、村人達の気分が上々になっていく感じが上手く撮られていたのが印象に残った(最初は恐る恐る食べ、皆んなで約束していた通り食事が美味しいとか食事に関する事は言わないが、美味しい食事に自然と会話が弾み、だんだんガッついて食べ、お互い昔騙した事を許し合い、昔不倫した2人はキスを交わし、最後は帰り際皆んなで手を繋ぎ井戸を囲んで歌い出すという撮り口が素晴らしかった)
    最後は、「芸術家や料理人はお金じゃない。自分の出来る最大限のパフォーマンスで、お客や食べる人を喜ばせればそれでいい」みたいな話も素晴らしかった
    全般的に
    最初は陰気臭い話で、面白い演出とか凄いシーンもなく、退屈かなぁと思って観ていたが、晩餐会のバベットの料理で食べた人達皆を幸せにする撮り口が無茶苦茶素晴らしく、感動したし、観た後味もとても良かった。料理の映画ではラッセ・ハルストレム監督の「マダム・マロリーと魔法のスパイス」や伊丹十三監督の「タンポポ」なんかも好きだが、この作品の素朴さと上品さの前では霞む感じがした。
    料理映画の傑作と言っても過言ではない作品

    1. 奥薗壽子 より:

      バベットの晩餐会、見て下さってありがとうございます。
      静かな静かな映画ですが
      なんとも言えない、味わいがあって
      前半と後半のコントラストと
      最終的な着地点が、なんとも秀逸だと私は思いました。

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「送信」ボタンを押してください。

PageTop