でいりいおくじょのBLOG

2021.02.22

読書日記「望み」

映画の原作が、妙に気になり

映画を観る前に本を読みました。

 

「望み」(雫井修介著 KADOKAWA)

 

建築家の石川一登一家は

妻と、息子と娘の4人家族。

 

高校生の息子は、けがで部活をやめてから

少し、よくない友達とつるんでいる気配。

 

そんなある日、息子が家に帰ってこない。

 

どこで何をしているのかと探している矢先

近所で殺人事件が起こる。

被害者は高校生。

息子の友達だ。

 

現場では、逃げた2人の少年の姿が目撃されており

その2人が犯人と目されているが

彼らの行方は分からない。

 

ところが、捜査が進んでいくうちに

行方が分からなくなっている少年は3人だということが判明する。

 

逃げた少年は2人なので

もう一人の少年は、殺されている可能性がある。

 

息子は、その3人の中の一人であることは間違いないのだけれど

 

逃げている加害者の一人なのか、

どこかで殺されているかもしれない被害者なのか。

 

さあ、どっちなのかが、わからない。

 

母親は、たとえ犯人であっても、生きていてほしいと願い

父親は、人として間違ったことをしないでくれと願う

 

それぞれに思うことがあり、望みがあるのだけれど

 

純粋に、息子を思う気持ちだけとは言えない

自分たちが、社会からどう見られるかという保身やら、

そのことにより起こりうる、これからの生活

人間関係に及ぼす影響についても、考えねばならない。

 

結局

息子が被害者か、加害者かという事と同じくらい

自分たちが

加害者の家族になるのか、被害者の家族になるのか

そのことも、考えることになる。

 

息子とのことを考えているはずが

実際は、息子の事だけを考えているのではないところに

苦しさがあり

心は揺れ動く。

 

もう、本当に、息がつまるような結末です。

 

しんどすぎて、うまく言葉にできません。

 

ただ一つ言えることは

自分一人で生きているわけではなく

自分の起こしたことの影響は

自分の周りの人の人生も巻き込み、変えていくということ

そのことを本当に強く思いました。

 

読み終わった後

ミスターチルドレンの”タガタメ“という歌が

頭の中で流れました。

 

子供たちを被害者にも加害者にもしないために

今、自分に何ができるか

 

もしも、被害者や加害者になった時

自分は何をすべきなのか。

 

苦しかったけれど、いろんなことを考えさせられた本でした。

ミスチルの歌も、是非聞いてみて下さい。

2021年2月21日望み

 

 

コメント

  1. コト より:

    この本、少し前に読みました。
    結果柄どちらに転んでも親としては考えさせるものでしたね。
    静か脩介さん、好きです。
    私の好きな作家さを奥薗さんも読んでいた嬉しいです。

    1. 奥薗壽子 より:

      ホント、そうですね。
      最後まで苦しかったです。
      あっ、私もその本読んだ、とか、読んでみたくなりました
      っていうのは、私もすごーくうれしいです。

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