でいりいおくじょのBLOG

2021.03.29

読書日記「cook」

本屋大賞候補作をずーっと読んできたのですが

今日はちょっと小休止

前から気になっていた本(すでに勝手スタンバイしてあった)を読みました。

 

「cook」(坂口恭平著 晶文社)

 

著者の坂口恭平さんは

建築家であり、作家であり、音楽家であり、画家でもある。

 

この本は、坂口恭平さんが料理に目覚め

日々つくられた料理を日記という形で

写真と、文章と、時々ちょっとしたイラストでまとめられた

料理日記です。

 

かわいい料理本を作ってみようと思った

 

と、ご本人が書いておられる通り

写真に添えられた手書きのレシピと文章が、めちゃめちゃ合っていて

すごくあったかくて、かわいい本です。

 

はじめにのところに

“治療としての料理”

という言葉が出てくるので

 

最初は、いったい何の治療なのか

よくわからなく

 

でも、日々、楽しみながら作って、美味しく食べておられるのが

すごくよく伝わってきて、

読んでいる私まで、ニンマリしてしまう感じ。

 

でも、最後まで読み進めると

 

どうやら、著者は躁うつ病であることがだんだんわかってくる。

次の日の朝・昼・晩のメニューを前の日に決めて

朝から、その通りに作って食べる。

 

体調のすぐれない日もあるけれど

それでも、料理することで体と心を保っている様子が

すごく伝わってくる日記です。

 

気持ちが落ちている時は

彩の華やかなちらしずしを作ってみたり

トマトや緑の野菜で、彩を浴してみたり

 

確かに、料理の彩は大事だなあ。

食べるときの彩というだけじゃなくて

作っている時の気持ちを盛り上げるという意味でも。

 

巻末の長いエッセイ

これが、かなり厚くて、読み応え田があって、

すごーくいいです。

 

最初は、治療のために料理を作って日記を書こうとされていたんだけれど

途中から、料理にハマっていく感じがすごくよく伝わってきます。

 

料理にハマるっていういい方は良くないなあ。

 

料理は作って食べるという単純なものではなく

新しい発見をしたり、新たな工夫を加えたり

チャレンジしてみたりすることによって

 

作って食べるという事だけでは、とても収まらない

大きなエネルギーを生み出している感じ

 

明日も生きるという、希望のようなものにつながっている感じ

 

この本を読んで

料理の原点に立ち返らせてもらった感じがします。

 

料理は楽しさでもあり

明日もまた、生きる事でもある。

 

手元に置いておき

何度も、何度も眺めていたい本です。

 

2021年3月28日cook

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