家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
調子づいています。
調子づいたついでに
ゴールデンウイークの最終日は
ネパール料理に行って来ました。
ネパールはインドの北東のところにあり
インドが動物の顔なら
パキスタンが向かって左の耳、ネパールが右の耳って感じです。
行ったお店はネパール・インドカレーのお店だったので
何種類ものカレーとナンがメイン料理で
それ以外には
ネパール風の肉まんじゅうのモモとか
タンドリーチキンとかカバブや麺類なんかも少しありましたが
とりあえずカレーとナンを食べることに。
選んだのは
ほうれん草とチキンのカレーと、豆とチキンのカレー
ほうれん草のカレーの方はほうれん草がピューレ状になっていて
ドロリとクリーミーな感じのソースの中に柔らかく煮えた鶏肉が入っています。
ミルクかヨーグルトが入っているのか
全体にすごくまろやかなコクがあり、スパイスの香りや辛さもとっても穏やか。
豆のカレーの方は
レンズ豆がいい感じに煮崩れてドロリとしたとろみになっていて
こちらはトマトのような酸味があります。
ターメリックの入ったきれいな黄色で
ソースはサラリとして、さっぱり味です。
昨日食べたパキスタンの豆カレーと見た目はすごく似ていますが
味的にはこちらのほうがスパイスが効いていて
いわゆるカレーに近い感じ。
ナンは細長い涙型でお皿からはみ出すくらい大きく
表面には油がタップリと塗られています。
食感はふんわりもちもちした感じで柔らかめ。
ナンの感じは、お国柄なのか、お店や作る人によって変わってくるか
その辺はよくわからないのですが
この3日間で食べた感じで言うと
アフガニスタンのは強力粉でしっかりこねられていて
あまり油分が多くなくて乾いた感じ。
噛みごたえもありとっても香ばしいのが特徴でした。
ネパールのは薄力粉で作られている感じで脂分も多く柔らかい食感。
普段食べているパンに近い感じで、なんだけでもモリモリ食べられる感じ。
アフガニスタンのカラヒィーにはとろみがなく、サラリとした感じだったので
ちょっと硬くて、水分少なめのナンと合わせると
シャビシャビした料理の美味しさが引き立ち
ネパールやインドのカレーのように、ドロリとしてクリーミーなカレーと合わせるならば
柔らかくてもちもちしたナンのほうがかれみがよく
口に入れた時の混ざり具合もいい感じ。
合わせる料理によってナンの食感も違っていて
それぞれが、ベストの組み合わせがあるですね、きっと。
なんか、お寿司にはこういうコメ、丼にはこういうコメ
おにぎりにはこういうコメっていう風に
日本人がお米の粘りや味や炊き方にこだわるのにちょっと似ているかも。
でもまあ、
大阪も京都も兵庫も奈良も滋賀も、関西人で一くくりにするのとも似ていて、
本当は、大阪と京都と兵庫と奈良と滋賀は明確に違っていて
関西人なら明確に違いを言うことができるし、見分けることができるのだけれど
他の地方の人は、その辺の細かい部分はやっぱり分かり合えないところがあって
たぶん、本当は、
もっと明確にそれぞれの国にはちゃんとしたその国らしさというものがあって
明確に違いはあって
その国の人は、絶対ここは違うねん、という所があるはずなのでしょうが
その細かいところが、あまり良くわからないんですよね。
せいぜい分かるのが、料理とナンの固さに微妙な関係が有ることくらい。
でも、確実に言えることがあるとしたら
ある国とか、どこかの地方の料理を食べて
それが美味しければ、そこの土地との距離がぐっと近くなって
その土地のことがもっと知りたくなって
なんだか好きになってくるということ。
私は日本が好きで、日本の家庭料理が大好きで
それは、絶対変わらないと思っていたのだけれど
どこの土地にもその土地で食べられてきた絶対的な美味しさがあって
私みたいな、日本大好き人間の心の壁も
簡単にぴょんと飛び越えて、その垣根を取り除いてしまう。
料理の力ってすごいなと、あらためて思ったこの数日間でした。
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