家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
カレーのルーの売上が年々落ち込み、苦戦している
という記事を新聞で見つけました。
たしかに、子供が小さい頃は
ルーを使ってカレーを作る機会は今よりずーっと多かったですが
最近は、考えてみたら2ヶ月に1回くらいしか作らないかも。
なんで作らなくなったんだろう?って考えてみると
大量にできたカレーを持て余すことが多くなったからかも。
夕飯を食べない家族がいたりすると
残ったカレーを、結局私一人でせっせと何日も食べ続けなければならなかったりして
そうなると、カレーはいいや、ってことになる。
冷凍すればいいのだろうけれど
基本的に冷凍が嫌いで
(積極的に冷凍しているのはご飯くらいです)
冷凍するとゴロゴロ入っている野菜を潰さないといけなくなるし、
カレーうどんにしたり、水を加えてリゾットにしてみたり
一応、色々アレンジは加えてみるのだけれど
ひと通りやったら、もうしばらくはいいかなって感じになっちゃうんですよね。
そういうのって、うちだけかと思っていたら
全国的な傾向だったとは
そういえば、昔は夕方道を歩いていると
どこからともなくカレーの匂いがしてくるってこと、よくあったけれど
最近は、そういうのもあまりない。
そもそも、味噌汁の臭いとか、焼き魚の臭いとかも
あまりしなくなったような・・・・。
国立社会保障・人口問題研究所のデータによると
1980年代には夫婦と子どもという世帯が約4割を占めていたのに
2035年には4分の1に減って、一人暮らしが4割近くにも達するそうな。
この数字を見るだけでも
1980年代には、インスタントのカレールーを使ったカレーは
簡単で、栄養バランスも良く、経済的で
大人と子供が一緒に食べられる理想的なメニューだったんだろうなあ
ということが想像出来ますね。
けれど、だんだん、家族の形態が変わるに連れて
家庭料理も確実に変わっていっているのですね。
いや、今でも夫婦と子どもという家庭なら、カレーはすごくいいメニューで
変わったのは、自分の状況の方で
20年後、もし一人暮らしになっていたら
ルーを使ったカレーを、つくる時はあるだろうかとさえ思ってしまいます。
でも確実に言えることは
これから、どんどん一人暮らしの人が増えていくということは
そういう人の食生活をサポートするサービスや商品がどんどん増えていくわけで
たぶん、料理しなくても、お金を出せば、それなりにきちんとしたものを食べられるようになるはず。
それは、もちろんいいことであるのだけれど
料理研究家としては
便利便利と無防備に受け入れるだけじゃなくて
どこかで、自分なりの一線を引く必要があるきがして。
自分のためにだけに料理をするのは、めんどくさいけど
ご飯だけはかわずに炊くとか
味噌汁だけは、自分で作って、野菜をたっぷり入れるとか
サラダくらいは自分で作ろうとか
こういうのって、運動と一緒で
いきなり始めるんじゃなくて
無理の無いところで、続けることが大切になってくるから
まだ、体力気力があるうちに
習慣として、料理をする習慣みたいなのを持っておくのがいいんじゃないかと思っています。
ちなみに、カレールーも、いろいろ売上向上のために努力されているそうで
子供用カレーに、あとからスパイスを加える事で、大人用にもなるようにしたりとか
一箱の量を少なくして、低価格化するとか。
そのうち、一人分のお味噌汁をつくる感じで
小鍋で1~2分のカレーを作れるようなサイズのルーができたりして。
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