でいりいおくじょのBLOG

2013.02.03

藝人春秋

実は大のお笑い好きです。
関西人なので
土曜のお昼は、お昼ごはんのコロッケとか食べながら
吉本の漫才と吉本新喜劇を見るのが常で
お腹抱えて、ひっくり返って笑ってました。
オール阪神・巨人さんとか、中田カウス・ボタンさんとか
特に大好きで
故岡八郎さんの「くっさ~」とか、めちゃめちゃ好きでした。
(余談ですが、岡八郎さん上方演芸の殿堂入りされましたね)
 
そんな子供の頃からのお笑い好きなので
今も当然、お笑い大好き。
相変わらず、テレビの前でひっくり返って涙流して笑い転げています。
 
そんなわけで、時々仕事で芸人さんとご一緒させていただくことがあると
嬉しくでドキドキしてしまいます。
 
皆さん、本当に優しくて暖かくて、細かい気配りをしてくださって
本当に大好き。
 
だから
「藝人春秋」
(水道橋博士著 文藝春秋)
も、読むのが本当に楽しみな一冊でした。
 
この本は水道橋博士が15人(組)の選りすぐりの人物に焦点を当て
その生き様をルポ風に書いたエッセイ。
 
その15人のラインナップがすごくて
そのまんま東、石倉三郎、ポール牧から
草野仁、古館伊知郎、稲川淳二
甲本ヒロト、テリー伊藤、三又又三
果ては、堀江貴文、湯浅卓、苫米地英人
 
なんかすごいラインナップになっているのです。
 
最初は芸人さんの裏の顔を綴ったような軽い読み物かとおもいきや
そのラインナップを見ると、芸人さんだけやないやん!
 
読んでみると
これがまあ、面白くて、グイグイ引きこまれていくんです。
まるで自分がその場にいてその光景を見てる感じというか
私自身が水道橋博士の立場で、感情移入してしまうというか
 
時々挿入される「殿(たけしさん)」の逸話も
くるみパンを食べている時に、コリッと当たるくるみの心地よい感触に似て
なんともいえぬお得感があります。
(たけしさんフアンにはたまりません)
 
へえ~とかホーとか、ドキドキしながら読み進むうちに
残り1/3くらいからが読みどころです。
 
甲本ヒロトさんの生き様とか
爆笑問題、たけしさんのいじめに対する話とか
稲川淳二さんの、生き方とか
あとがきに書かれた、児玉清さんの話とか
 
本当にグッときました。
 
あとがきの一説
 
芸能界という、この世のものとは思えぬあの世。
テレビの裏側の物語を書き残したいと書き始めたのが、この「藝人春秋」だった。
 
そして更に
本を読む悦びは結末があることだ
とも書かれています。
 
この本は、各界で活躍されている人はやっぱり人とは違う努力やオーラや
揺るがない価値観や行動力や
また、卓越した頭の回転やリズム感や
なにか凡人とは違ものを身につけておられるのだということを知ると共に
 
そういうものを持たない自分でも
無意味な人間ではなくて
持たない人間でも、生きる価値はあって
それを卑下することなく
堂々と生きていいのだという希望のようなものが、心のなかに残ります。
 
本に結末があるように
すべての人の命にも終わりがあって
その生きた時間こそが一冊の本であり、物語であり
かけがえのない価値のあるものだということを、しみじみと感じるのです。
 
時に笑わせながら、グッと心に残る
読み応え充分の一冊。

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