家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
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チャーハンに使うご飯って
固めに炊いたご飯がいいのか
炊きたての御飯なら、少し冷ました方がいいのか
という質問を、ツイッターで受けました。
本当なら、ツイッターで返すべきところなのでしょうが
iphoneの文字を打つのがめちゃ遅いし
１４０文字にまとめるのは難しそうなので
パソコンで書くことにしました。
実は前からすごく変だなと思っていたことがあって
テレビのグルメ番組や、料理番組でチャーハンを取り上げる時
ご飯がいかにパラパラしているか、ってことばっかり話題になっていて
まるで、パラパラしていること=美味しい
みたいなことが、暗黙の了解みたいになっているように思えるんですけど
本当にそうなんですかね。
そもそもチャーハンって
中国で冷ご飯をおいしく食べるための料理法だったと思うんですよね。
中国４０００年の昔は保温付き炊飯器も電子レンジもないわけだし。
で、その中国に冷ご飯っていうのが
そもそも日本のごはんよりずっとポロポロしていたんじゃないかと思うんです。
たとえば
「華国風味」
〈青木正児著 岩波文庫〉
この本は初版が昭和２４年で
これによると
中国の米はポロポロしており
それは米の品種にもよるのでしょうが
中国人はポロポロした米が好きだというのです。
米の炊き方も、
湯を沸かしたところに米を入れて、
ネバネバしたところをスプーンですくって捨てて、サラサラに炊きあげるのだそうで
ただでさえ粘りの少ない米の、最後の粘りも捨ててしまうほど
粘っていないのが好きというのが、中国人の民族性なのだと。
最近は、日本の粘りのある美味しい米が中国でも人気なので
これはあくまで、ずーっと昔の話ですが
少なくともチャーハンというものが日本に入ってきた当時は
ぱらりとしたコメで作ったものがチャーハンだったと考えていいと思うんです。
となると、本格的に中国風なチャーハンというものは
やっぱりぱらりとしているものなのでしょう。
でも！です。
日本の米は、中国の米とは違う。
まず、そこを考えないといけないと思うんです。
日本の米は、粘りと旨味と甘味があって
とにかく美味しい！！
それを、わざわざパラパラにする必要があるのか
と、私は思うのです。
まして、せっかくの美味しいコメをわざわざチャーハンのために
固めに炊くのって、どうかなと思うんです。
チャーハンにした残りのご飯は
なんかおいしくないなあ、と思いながら食べるんでしょうか？
また、炊きたてのお飯をチャーハンにするのって
もったいないと私は思うんですよね。
炊きたてのご飯は、そのまま食べて美味しさを味わいたい。
だって、炊きたての御飯って
それだけで、すご～くしあわせ感あるし、
それを炒めるのって、罪悪感さえ感じる・・。
もっとも炊きたての御飯は水分が多いので
べちゃめちゃして上手に炒められないと思いますが。
それも、だからといって、
せっかくの炊きたてご飯を
わざわざ冷まして、水分を飛ばしてチャーハンにする必要があるのでしょうか？
長々書きましたが
最初の質問、チャーハンにするご飯は、熱いのか冷たいのか
というところに戻ると
私は、炊き立てではないけど温かいのを使います。
〈たとえば、冷ご飯を電子レンジで温めたのとか〉
１つ目の理由は
冷たいご飯を使ったほうがぱらりとすると思いますが
冷たいご飯をぱらりと炒めるには、大量の油が必要になるからです。
〈油大さじ１で１１１kcalカロリーです
冷ご飯をぱらりと炒めるのに大さじ２～３杯の油は必要になるので
それだけで３００kcal以上のエネルギーを油だけから取ることになります。
油のエネルギーは、サラダ油でも、オリーブオイルでも、ごま油でも
全て同じです。
ちなみにご飯茶碗軽く１杯１５０gで２５２kcalです。
比較すると、この油のカロリーってちょっと多くないですか？）
油でこんなにたくさんのエネルギーを取るより
もっと別の美味しいものでエネルギーを取る方がいいと私は思うのです。
２つ目の理由は
温かいご飯を使ったほうがふっくらおいしいご飯の美味しさを味わえると思うから。
いわゆる日本の焼き飯になると思うんです。
ご飯が温かければ、フライパンの中でご飯を熱々にする必要が無いので
さっくり混ぜるだけで仕上げることができ、
ご飯を入れる前に油を足す必要もなく、
あっさりしていて、ごはんそのもののふっくらした美味しさを味わえます。
もちもちしたお米の美味しさを逆に生かしたほうが
お米の国、日本のチャーハンらしくていいのではと思うのです。
これらはあくまで私の好みなので
そうは言っても、やっぱりぱらりとした方が好き、という方は
たっぷりの油で、固めに炊いた冷たいごはんで、どうぞ。
長々書きましたが
少しくらいは、参考になりましたでしょうか？
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