家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
大好きでいつも見ているヒューマニエンスという番組があるのですが
今回、2週にわたって“腸内細菌“がテーマでした。
腸内細菌が注目されるようになったのはいつごろからですかねえ。
まだ20年はたっていないかなあ。
私も、これまで
医学系の番組で、
何度も腸内環境にいいレシピを紹介させていただいてきました。
レシピの依頼があるたびに
どんどんいろんな研究が進み
新しいことを教えていただき
腸内細菌は面白いなあとずーっと思ってきました。
なので、今回のこの番組も、すごく興味深く見させてもらいました。
そもそも
腸は第2の脳と言われていて
からだの消化吸収のかなめというだけではなく
さまさまな健康効果をもたらし
ひいては、心にも影響を及ぼしているというのは
今や広く知られているところです。
今回の番組では
最新の研究などを交えながら
腸内細菌の新たな可能性を示してくれるような内容になっていて
例えば、
好成績を出したマラソン選手は腸の中には
ベイロネア・アティピカという腸内細菌がたくさんいることが判明。
その金をネズミの腸の中に入れてみると
その菌を持っていないネズミと比べ
13%も長く走ることができるのだそう。
これって、すごくないですか?
まあ、その菌を持っているから長く走れるのか
あるいは、長く走ることによって、その菌が増えるのか
が、まだよくわかっていないようですが
この研究が進めば
オリンピック選手も、最終的には腸内細菌も調整して強くなる時代が来る可能性だってありますね。
腸内細菌ならドーピングにはならないとしたら
これは、えらいことになってきますね。
さらに、便移植治療なるものも紹介されていました。
他人の便の中から、不純物を取り除き
生きた菌を腸の中に入れて、病気を治す方法だそうで
まさに、臨床実験の段階に入っているようなのです。
これ、新しい治療方法として注目を集めているのだとか。
これも、抗生物質で病気の菌を殺すよりも
腸内細菌を増やすことで、ある種の病気に打ち勝つというのは
まさに夢のような治療ですね。
腸内細菌というと
私が宿主で
菌に場所を貸してやっている、みたいな感じだったのですが
実際は、腸内細菌によって、操られている可能性も高い。
腸内菌によって、
気分の良し悪しや
スポーツの記録や
仕事の効率や
若さとか、病気とか
いろんなことが動かされているのかもしれない
となると
実際は、腸内菌によってコントロールされているのは
人間の方なのかもって、思えてきました。
それはともかく
腸内細菌の研究がもっともっと進めば
薬ではなく、腸内細菌をコントロールすることで
私たちの健康を向上させたり、病気を治せることも可能になるかもしれないので
それは、ちょっとおもしろいなあとも思いました。
いずれにしても
腸内環境は、いいに越したことはないから
食物繊維をしっかりとって
発酵食品やら
野菜やらもたくさん食べて
腸内細菌とうまく暮らしていきたいですね。
コメント
奥薗先生、おはようございます。
先日、生ごみをリサイクルした力のある土での、生命力のある野菜づくりを提唱されている、吉田俊道さんという方の本を購入して、今読んでいるところです。
とても興味深い内容で、ブログも探して読ませていただいたら、腸内細菌と、今現在、世界規模で問題になっていることとの関係性について書かれた記事があって、深く考えさせられました。
食べるということの意味や大切さを、あらためて感じた次第です。
抗生物質と腸内細菌の関係って
土の世界とすごく似ているなあと思いました。
病気を治すために、腸内細菌も含め、すべてを一網打尽でやっつけてしまう抗生物質
収量を上げるために、虫や細菌を一網打尽にしてしまう農薬
それを使った方がいい場合もあるので
ゼロか百かという問題ではないとは思うんですが
でも、なんだもかんでも、使えばいいというもんでもない。
うまく共存していけるところを、探っていければいいなあと思います。
土づくりの本、面白そうですね。
まだ、感想お聞かせください。