家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
先日Youtubeで紹介したキウイ寒天
たくさんの方に作っていただき
また、たくさんのコメントも頂いて、本当にうれしいなあと思っています。
そんな中で、
おおおおお~~~、そう来たか~~~
って思うことがありました。
糸寒天で作りました
っていうコメントなんです。
動画の中では粉寒天を使っていますが
棒寒天についても触れたので
棒寒天で作られる方はおられるだろうなあと思っていました。
でも、まさかの糸寒天を使う人がいるとは!
最初、そのコメントを読んだ時に、なんで糸寒天?
って思ったんだけれど
もしかしたら、日本の糸寒天の一大産地、岐阜の恵那市の方だったら
普通に糸寒天を使うのかも・・。
って思ったんです。
でも、どうやらそうではなく
薬局で買ったスープ用の糸寒天を使ったとのこと。
えっ、スープ用の糸寒天!?
スープ用の糸寒天、私も食べたことがあります。
熱いみそ汁にバサッと入れるんですが
寒天が溶けないんですよ。
溶けずに、ジャワジャワした感じの麺みたいな油揚げみたいな感じになるの。
(結構おいしい♪)
あれね、たぶん、メーカーさんは、寒天が煮溶けないように、かなり配合を工夫されたと思うんですよ。
その、糸寒天を、溶かしてキウイ寒天を作ったらどうなるか。
(実験としては、めちゃ面白い!)
結果は、固くなったようです。
いや、そうだろうと思います。
熱いスープに入れても溶けないように配合された寒天ですから
それを溶かして、大きく固めても
しっかり食感が残ると思います。
うん、いわゆるデザートの寒天とは違い、間違いなく固いと思う。
全然話は違うんですが
昔、長野県の茅野市にある寒天を作っておられる方を訪ねたことがあって
その時は、ちょうどトマト寒天のブームで
寒天が品薄になるくらい売れていたんですね。
それって、寒天を作っている方からしたら、すごくうれしいことなんじゃないかと思ったのですが
実はそうではないとおっしゃっていたんです。
なんでかっていうと
寒天ブームがくると、粗悪な寒天が出回るようになって
それを食べた人が、寒天っておいしくないなって思って
寒天嫌いになることを、危惧されていたんです。
それまで、真面目にいい寒天を作っておられた方からすれば
おいしいきちんとした寒天を味わってもらいたい
そう思いますよね。
何が言いたいかというと
お菓子で寒天を作るなら
お菓子用として売られている寒天を使ってほしいなあっておもったってことなんです。
(別に責めてないです、念のため)
ネットで調べてみると
確かに、糸寒天を使った寒天デザートのレシピがたくさん出てくるので
たぶん、糸寒天なら一緒だろうと思われたんだと思うんです。
もちろん、いろんな用途に使える天然の糸寒天もあります。
それなら、いいんですが
(いやあ、なんか、どんどんややこしい話にしている、私、大丈夫か!?)
スープ用糸寒天、ってなると
それは、やっぱり、スープとして食べるように研究して作られたものだと思うんですね。
寒天メーカーさんって
用途に合わせて、食感とか粘りとかが合うように開発されるので
お菓子には、お菓子に使える寒天を使ったほうがいいのになって思っただけなんです。
もちろん、寒天を作って下さったことは、すごくうれしい。
スープ用の糸寒天を溶かして寒天を作ろうと思われた発想も素晴らしい。
本当に、そう思っています。
でも、
それで、寒天って固くてまずいなって思ったり
寒天って作るのが難しいなって、思わないでほしいなって思ったんです。
そして、できれば、普通のお菓子用の寒天でも作ってほしいって思ったんです。
単なる、おせっかいな、めんどくさい奴です、すいません。
寒天メーカーの回しもん見たいになってしまいました。
美味しく寒天を食べてもらいたい
ただただ寒天好きの想いです。
寒天?
コメント
奥薗先生、こんばんは♪
話のピントがずれるかもしれませんが、そういえば、仕事をしていて、この寒天のお話と似たようなことがあるなぁと思いました。
ひとつめは、何かを省略したり、応用したりする前に、まずは基本を押さえることが大事、ということです。
若い子たちによく言うのですが、省略するのも、自分なりにアレンジするのもいいけれど、本来はどうあるべきなのかを理解、会得してからにしてね、と。
基礎があってこその応用だと思いますので。
ふたつめは、長く引き継がれていることには、それなりの意味があるんだなぁということです。
よく、どうしてこんな面倒なことをしているんだろう? これからはここをこう変えよう、と思って、今までと違うやり方を試したりすると、途中で行き詰まってしまったり、さらに手間がかかったりすることがあって、なるほど、だからあんな仕組みになってたのね~、と気が付くことがあります。
以前通っていた料理教室では、徹底的にレシピどおり作らされました。先生曰く、料理が苦手、美味しくできないと言っている人ほど、自己流のやり方、味付けで作るから、とのこと。
それがよいか悪いかは別として、一理あるなと思いました。
自分なりに工夫することって、楽しいですし、勉強にもなりますが、まずは、できるだけレシピどおりの材料、手順にならって作ってみて(なぜならば、「それなりの意味がそこにある」から)、基本の味や手順を確認してから、自分の好みややり方を追求しても遅くはないですよね。
慣れてくると、材料の置き換えや、味付けのアレンジも、的を大きく外さずに済むと思いますし。
ちなみに、私は昨日スーパーで棒寒天を買いました(笑)
小さい頃、水でふやかした棒寒天を細かくちぎって、お鍋で煮溶かした思い出がよみがえって、いったん買い物カゴに入れた粉寒天を戻して、棒寒天を手に取ったという(笑)
ひさしぶりに棒寒天をちぎるのが楽しみです♪
めちゃ分かります。
っていうか、それを伝えたいです。
私のレシピは、結構自由に作っても、なんとかなるように作っているんですが
それでも、これ以上やったら、もうこの料理の原形がなくなってしまうくらいのアレンジをされる方がいて
それでも、一回はある程度レシピ通り作って、出来上がりのイメージを持ってくださっていたらいいのだけれど
一回も作らず、いきなりすごいアレンジを加えて作って
それでも美味しくできたのなら、私はいいかなと思うんだけれど
美味しくありませんでしたって言われた時、私はどうすればいいんでしょう?ってなります。
料理に限らず、いろんなことがそうだと思います。
実は、私も説明書通りに組み立てたりするのが苦手なタイプなので
人のことは言えません。
寒天作って下さってありがとう。
実は私も、棒寒天大好きです。