家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
私は、京都市内で育ったのですが
母方の田舎が、京都の丹波にあり
夏休みになると
そのほとんどを、その田舎で過ごしていました。
京都駅から山陰線の電車に乗って
(私が子供の頃は蒸気機関車でした)
八木という駅で降り
そこから車で30分くらい行ったところに祖母の家はあります。
それこそ、あたり一面田んぼと畑ばっかり。
車がなければ、買い物もできないようなところです。
私は、子供の頃からその田舎が大好きで
毎日、虫を取ったり、どじょうやザリガニを捕まえたり
摘んできた花をつぶして色水を作ったりして、飽きもせず遊んでいました。
それに飽きたら、
縁側に寝っ転がって、庭を見ながら本を読む。
それも、最高に好きな時間でした。
夕方になると
庭に床几を出して
井戸で冷やしたすいかを食べる。
種は庭にぷぷって吐き出しても怒られなかったです。
そうそう、ご飯の時間が近づくと
畑に行って、野菜を収穫してくるのは私の仕事で
きゅうりやら、トマトやら、ピーマンやら
いろいろ収穫したものでした。
今思えば、
あの時の時間は、本当に宝物です。
手に入れようとも思って、手に入らない。
大好きなおばあちゃんの作ってくれたご飯と共に
私の人生の中で、ホントに大事な大事なものです。
あの時の時間と、食べた味が
今、私の中に脈々とつながっていて
今の私の料理を形作っているんだなあって、
ふとした時に思い出す、今日この頃。
コメント
奥薗先生、おはようございます♪
かけがえのない、素晴らしい思い出ですね。
先生の描写がまた素敵で、小さなトシコちゃんのワクワクやキラキラが、そのまま行間からこぼれ落ちてくる感じがして、私もとても満たされた気持ちになりました。
豊かさって、本来、こういうことをいうのだろうなと思います。
いつも動画の最後に、本当に美味しそうに試食される先生と、幼き日のトシコちゃんが、おばあちゃんのご飯を満面の笑みでほおばっている姿とが重なりました。
大切な思い出を共有してくださって、ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
確かに、子供の頃からずーっとつながっている料理がありますね。
その料理を作ったり食べたりしている時は、タイムトリップしているに違いありません。
私は、子供になって、あの頃の情景を確実に見ているんだと思います。
幸せな気持ちになります、こんなことに気づかせていただいて、ありがとうございます。
「子どもの頃の夏休み」わたしもそっくりな夏休みを過ごしていました!
おばあちゃん子だったわたしは、親が迎えに来るまでの約ひと月を毎年おばあちゃんと過ごしていました。
遮る建物がないせいか空が広くて、一面の田んぼの緑を渡る風は気持ちよくて、夜には家の周りに蛍が飛び交っていました。
車の騒音なんてないけど、カエルの鳴き声はすごかったなぁ~
畑でのもぎたてのトマトやきゅうり・・・文章を読んでいてあの夏の時間が鮮明によみがえりました。
「今思えば、あの時の時間は、本当に宝物です。手に入れようと思っても、手に入らない。」 本当にそうですね。
歳を重ねるにつれて
あの頃のことが、より鮮明に思い出されます。
あの時の、空気の温度やにおいまで
パーっとよみがえってきたりします。
おばあちゃんの顔も、最近は、よりはっきり思い出せます。
子供の頃、本当にキラキラした時間の中にいたなあって思えることは、本当に幸せだなあと思います。