家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
数年前に韓国スイーツのホットクというのが流行ったことがありました。
見た目は長野のおやきみたいなので
中にシナモン風味の黒砂糖とクルミが入っているの。
その当時、私も流行に後れてはならじと新大久保まで何回か買いに行きました。
で、食べてびっくり!
生地がもちもちしておいしいんですね。
ずーっと前にポンテケイジョというブラジルのパンが流行ってことがあったんだけど
それに似たもちもち食感。
これは間違いなく日本人の好きな食感!!
ポンテケイジョは正式には大量のチーズを生地に練りこんでもちっとした食感を出すのだけれど
当時、米粉を加えてもちもち食感を出したのがパン屋さんとかで売れていて
(某ドーナツ屋さんでも米粉を使ったもちもち食感のドーナツがありますよね)
パンに米粉を入れると、こんな風にもちもちになるのか~と驚いたことのを思い出しました。
そんなわけで、ホットクを食べた時に、上新粉を使えば作れるなあ、とすぐに思った私。
というのも、韓国で餅(トック)は上新粉で作ることが多いから。
ほら、コチジャンを使ってピリ辛味に炒めたトッポギという料理があるでしょ?
あれが、韓国のお餅なんです。
お餅っていうと、日本のお餅を想像するけど、もち米を搗いて餅にする文化って
世界的にみるとすごく特殊で
大体、もちもち食感を好むのは
東アジア照葉樹林地帯を中心とする地域に限られているんですね。
ちなみに、ホットクというのは漢字で書けば“胡餅”。
胡という文字は、シルクロードを通って中国経由で伝わったものにつくことが多いから
中国風のお餅という意味になります。
更にいうと、中国語で“餅”は
小麦粉を使って作った食べ物を指すので、
いわゆる日本の“餅”とは違うんです。
だから中国風の餅だったら、長野のおやきみたいなものになるはずなんだけど
ここに、米の粉を混ぜてもちもち感を出したところが
料理としてすごく面白いなと思ったわけです。
ところが、実際に作ってみると、小麦粉に上新粉を混ぜるより
白玉粉を混ぜたほうがさらにもちもちすることを発見。
しかもした多摩湖を使えばこねなくても混ぜるだけでもちもち食感になるので
こねる手間、生地を発酵させたり寝かしたり手間がかからない。
更に、冷めてもかたくならない。
まさにいいことづくめ!
小麦粉+もち米の粉!!
この2つの出会いって、もはや韓国のホットクをこえて
日本の餅文化が融合したようで、更に面白く、
自分ではかなり悦に入っている、ふふふ。
すっかり調子づいた私は、以来この生地を使って
あんこを入れてみたり、長野のおやき風に煮ものを入れてみたり
カレーパンみたいに、ドライカレーを入れてみたり
一時、夢中になって毎日作っていた時期がありました。
そうしてある時、この生地って、何かに似ていると気づき
なんだろう、何だろうと考えているうちに
ようやく気が付いた。
これって、もちもちのピザ生地!!!!
実は、ピザ生地にすごーく凝っていた時期があって
もちもち食感を出すために、発酵させるのがいいのか、無発酵で作るのがいいのか
自分なりには、かなり試行錯誤していたのですが
な~んだ、小麦粉に白玉粉を混ぜれば、いとも簡単にもちもち生地になるんだ~。
そこで、平たく焼いて、(オーブンで焼くより、フライパンで直焼きしたほうがおいしい)
ピザ生地にしてみたりしたんだけど、
いろいろ試した結果、中に具材を包み込んで焼いたほうが断然おいしい。
多分、香ばしく焼けた生地のおいしさを味わっているんですよね、
具のおいしさじゃなくて
だから、焼けた生地の割合を多くしたほうが、断然おいしくなる。
こうして、この白玉粉入りの生地は
我が家では包みピザとして、落ち着いたのでした。
チーズとすごく相性がいいので
クリームチーズとブルーベリージャムを包んだのも、我が家では人気です。
本格的な手作りパンもいいけど、
こねずに、発酵もなしで作る、こんなもちもち食感の生地
これ、かなり使えますよ。
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昨日の「日めくりレシピ」で、「つつみピザ」を紹介しました。
詳しい作り方は、「日めくりレシピ」を参照してみてね。
ちなみに今日の「日めくりレシピ」は「運のつく七種粥」
運のつく食べ物を入れたお粥で、運のつきまくる一年になりますように。
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