家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
品種改良が進んだ野菜の一つにキュウリがあります。
これは、ずーっと前に日本農業新聞で読んだことです。
キュウリって、もともとは表面にとげとげがあって
皮はもう少し柔らかい野菜だったんですね。
けれど、とげとげがあることで、
その部分に水やら雑菌やらがたまりやすく
どうしてもそこから傷んでくる。
そうなると、販売するときに不利になるので
とげとげがなくなるように品種改良されたのだそう。
その結果、
日持ちはするようになったけれど
皮が固くなった。
確かに、
私が昔、祖母の畑で食べていたキュウリは
もっと瓜に近かった気がします。
収穫が遅れると、あっという間に大きくなって
ずるずるのやわやわになって
シャキシャキした食感がなくなって、ふにゃッとしていました。
品種改良のおかげで
しゃきしゃきみずみずしいキュウリが味わえて
日持ちもするようになったのだから、いいことづくめではあるのだけれど
その代わり、漬物にするときに
塩が浸透しにくくなったんですよね。
だから、キュウリの塩もみをするときは
表面の皮をところどころむくというのが、一般的な下処理として普及しました。
私も、以前はそうしていました。
けれど、
せっかく皮がしゃきしゃきして、それもまたおいしいし
皮の所にはβカロテンも含まれているわけだから
むく必要があるんだろうか
とある時から思いはじめ
最近は、皮をむくのをやめました。
塩もみをして、水を絞るのも
極力やらなくなりました。
そうすることで
キュウリの栄養も、風味も、香りも
できる限り丸ごと味わえると思っています。
昔ながらのやり方に固執するのではなく
昔ながらのやり方を否定するのでもなく
今の時代の野菜に合った料理法に変えていく
正しいとか、間違っているとかではなく
そいう風に変化していくことが、大事なんじゃないかと思っています。
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