家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
最近、家の近所に、やたらカレー屋さんが増えていて
それも本格的なインドカレーから
生クリームの入った欧風カレー
ホテルで出てくるような英国風のカレーとか
ネパールカレーとか
もう、ありとあらゆるカレーが目白押し。
で、時々食べに行ってみると、
本格的な香りとこだわりがぎっしり詰まっていて
どこのカレーも本当においしいのでびっくりしてしまいます。
実は、ちょっと前「みんなの家庭の医学」で
発酵食を使う料理を作らなければならなくなったとき
3つ作る料理の中の一つをカレーにしたのですが
そのカレーを作るにあたって、
カレーのことをいろいろ調べて勉強したんです。
で、あの時はインドの正統なカレーの作り方をベースに
最終的には、自分のアレンジを加えたんですけど
あの時、いろいろ調べているうちに
カレーっておもしろいなあとおもって
以来、すっかりはまっているのです。
最近
「カレーライスと日本人」(森枝卓士著 講談社学術文庫)
という本を読んでみました。
この本は、日本のカレーが、どういう経路でインドから伝わって
今のカレーライスのスタイルになったかということが書かれた本。
実はカレールーをつかい、ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎが入っているカレーのスタイル
というのは、まさに日本のオリジナルなんですね。
そもそもインド料理であるカレーなんですけど
イギリスの植民地になった時、イギリスの初代インド総督がインドのカリを持ち帰り
イギリス人の口に合うように調合し製品化したのがカレー粉で
それが、明治時代日本に伝わるんです。
そこからが日本人のすごいところで
カレーの国の人たちの料理をそのままマネするんじゃなくて
最終的にカレーの本場のインドにはないカレーのスタイルを作り上げ
今や、日本のカレーはインド人も大好きとか。
(カレーという認識ではなくて、日本の食べ物と思っているとか)
料理って、正解もないし
そのスタイルも、味も、作り方も流動的で、自由な世界で
何か新しい料理ががあったら
自分の味覚をその食べ物に合わせるのではなくて
その料理のほうを、自分の口に合う量にアレンジしたほうが断然楽しいのです。
そういう意味では、日本人が作りやすいよう
また、日本人の口なうように、変化して、家庭料理に定着したカレーって
すごいなあ、とあらためて思いました。
カレーライスの本を読んでいたら
カレーが食べたくなって、
今日は豆カレーを作りました。
もともとは、
ひき肉とニンニクとしょうが、塩、カレー粉を炒めたところに
すりおろしたトマトを入れてさっと煮込み
ゆでた大豆を入れるというのが、私の豆カレーのレシピで
超簡単なんです。
けれど、「カレーライスの日本人」のなかに
すりおろした玉ねぎをあめ色になるまで炒めてカレーを作る
というのが出てきて
試しにそれ、ちょっとやってみました。
フライパンにすりおろした玉ねぎを入れて、水分を飛ばしながら煮詰め
飴色になるまで炒めたところに、
ひき肉とニンニク、ショウガ、塩、カレー粉を入れてさらに炒め
ひき肉に火が通ったらトマトのすりおろしを入れてさらに煮ます。
5分くらい煮たら、缶詰のミックスビーンズを入れ
さらに、自分で煮た大豆の水にも入れ
最後に塩で味を調えたら出来上がり。
冷凍していた豆を解凍したら
思ったより多かったんだけど、ええい、全部入れちゃえと思って入れたら
今度は豆が多すぎて、豆の煮ものみたいになったけど
ドンマイ!!
豆のカレーなんだから、豆いっぱい食べたほうがいいじゃないの。
ガラムマサラは仕上げのスパイスと書いてあったので
仕上げにガラムマサラを入れてみたら
かなり本格的な香りになりました。
スパイスは奥が深いですね。
次は、スパイスの本も読んで、スパイスの勉強をしようと思っています。
豆のカレーがヘルシーなので
ヘルシーつながりで、今日は玄米を添えました。
ちなみに、すりおろし玉ねぎを炒めるのは
ちょっと炒めにくかったですが
これも、やりようによっては、面白いかもしれません。
これもまた、アレンジの余地ありです。
料理って、面白いなあ。
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