家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
私が一年中、手作りしているものの一つに甘酒があります。
甘酒というと、寒い時にしょうがをたっぷり入れてフーフーして飲むイメージですが
実は、夏の甘酒、すごくおすすめなのです。
そもそも、甘酒って夏の季語で
食欲が落ちて、夏バテ気味の時の栄養補給として、昔から重宝されてきた食べ物なんですね。
私が、この時期一番好きな食べ方は
フルーツと一緒にヨーグルトに混ぜるの。
プレーンヨーグルトに甘味がほしい時、ジャムとか蜂蜜を入れると思うのですが
その代わりに甘酒を入れるんです。
麹の粒粒した食感が、とろりとしたヨーグルトとよく合うのです。
ところで、甘酒って夏の季語なんですけど
実は、なんで夏なんだろうなあ~とずーっと思ってたんです。
滋養強壮っていうけど、
冬の寒い時期、熱々の甘酒とショウガで風邪予防にもなるので、
冬の季語にしておく方が、自然じゃないのかと思っていたのです。
でもね、一年中甘酒を作っていると、
やっぱ甘酒は夏のものだわ、と納得できるようになったのです
どういうことかというと、
甘酒って、おかゆに米麹を入れて、温かいところにおいて発酵させるんですね。
ふつうは、炊飯器を使ったり、こたつを使ったり、湯たんぽを使ったり。
で、ある時、夏の暑い暑い日。
車のボンネットで目玉焼きが作れるか、という実験をテレビでやっていて
(確かできたはず)
それを見た時、甘酒くらいなら普通に発酵するわ、と思ったんです。
で、やってみたら、本当に上手にできた!!
ということはですよ、
昔は、炊飯器とか炬燵とか、そんなものを使わず
夏の暑い日、そこらへんで普通に麹を発酵させて作っていたのではないかと
だから、甘酒は夏の季語なのではないかと思ったわけ。
これ、あくまで私の推測ですけど。
いずれにしても、夏は甘酒を作るのには適した時期なので
作り方を書いておきますね。
まず、洗ったもち米1/2カップに水2カップを入れて
おかゆを炊きます。
炊く道具は、炊飯器でも鍋でも。
ちなみに私は圧力鍋で炊いてます。
(圧力鍋だと、浸水なしですぐに炊けるので)
炊き上がったら、ここに水100㏄を入れて、温度を下げ
米麹200
あとは、ふた付きの保存容器に移して、バスタオルなどで包みます。
冬だと、私はこれを湯たんぽで保温しているんだけど
この時期だと、暑い暑いべランでに出しておくんです。
でね、朝9時とか10時くらいに仕込めば
夕方の5時くらいには出来上がりです。
ほったらかしで、自然の熱を使って、甘酒が発酵する!!
なんとも、エコではございませんか。
ちなみに、私のこの配合は、売っている甘酒よりもかなり濃いめです。
だから8時間くらい発酵した後、ふたを開けると
水分が少ないので大丈夫か?
って感じに見えますが、スプーンでかき混ぜるとトロリとなってきます。
最初におかゆを炊くときに、水2カップを水4カップにすれば
市販の甘酒に近いさらさらのができるんだけど
保存するときのことを思うと、濃縮タイプで作る方が場所をとらないし
料理の甘みとして、調味料代わりに使うこともできるので
濃縮タイプの方が便利なんですね。
例えば、最初に書いたヨーグルトの甘み以外にも
フルーツを食べやすく切って、この甘酒にマリネしておけば
素敵なデザートになるし
100%の果物ジュースで割るのもおいしいです。
また、変わったところでは、みそと甘酒とオリーブオイルを混ぜたものに
塩をした肉や魚をつけておくと、保存もできて
いい感じの甘さの味噌漬けが簡単にできます。
夏の甘酒。
発酵食品を上手に取ることで、おなかの中から元気になれます。
この夏一度、挑戦してみませんか?
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