家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
自分のオリジナル土鍋まで作ってしまったほどの土鍋好きです。
そんな関係で、IH土鍋についてのお問い合わせもよくいただきます。
実は、IH土鍋を開発しようとしたことがあったんです
それもかなり真剣に。
IH土鍋というのは
鍋底に、金属を埋め込むか貼り付けるかすれば
電気に反応するようになるので、理論的には難しくありません。
構造上は難しくないのですが
実用するとなると
例えば、土鍋の内側に埋め込めば
例えば鍋物をして餅やうどんが鍋底に沈んでくっついた場合
一緒にはがれてしまう可能性があったりとか
鍋の鍋底の外側の方につければ
洗っている時に外れる心配があったりとか
そういう、外的な問題をクリアする必要があるのです。
でもまあ、それは、まだ何とかなる。
私がIH土鍋の開発を断念した理由は
それとは違う
どうしようもない部分でした。
実は、IHって、接触面から熱を伝えていくので
鍋底から熱伝導で、鍋全体が熱くなるのですが
土鍋の場合、熱伝導率が悪いので
土鍋の底からの熱だけで、土鍋全体を熱くすることが難しいのです。
それでも
なべ物や煮込み料理なら
ずーっと火にかけていればいいだけなので
大きな問題にはなりません。
ところが、炊飯の場合
大体5分くらいで中の水分がなくなってしまい
水がなくなったら、後は余熱を使って蒸らしながら炊くというのが
炊飯の基本です。
火で炊く場合
炎が、その周りの空気の温度も上げていくため
なべ底全体を覆う炎と、その周りで熱くなった空気が
土鍋全体を覆うように温まっていくので
沸騰から5分もすれば、土鍋全体が熱くなります。
なので、火を止めて蒸らすことができるのです。
ところが、IHの場合
周りの空気が温まることはなく
接触面からだけの熱伝導なので
沸騰後5分くらいでは、全体に鍋が温まりません。
結果、余熱調理はうまく行かず
これでは、美味しく炊きあがるはずがありません。
その当時、
IH土鍋で、鍋全体を熱くする方法はないか
真剣に実験を繰り返しました。
IHのキッチンスタジオを借りて
終日実験を繰り返しましたが
どうしても、納得いく炊きあがりのものを作ることはできませんでした。
考えてみたら
土鍋というのは
長い歴史の中では
ずーっと火で料理するための道具だったわけで
IHで使う調理器具ではないのです。
本当に、長い時間をかけて真剣に取り組みましたが
IH土鍋では、美味しく炊きあがらない。
それが私の結論です。
(もしかしたら、画期的なIH土鍋が、今はあるかもしれません、
もしあったらごめんなさい)
なので、IHでご飯を炊かれる場合は
IHの炊飯鍋というのを使われるのがおすすめです。
これは、私も使ったことがあり
とっても上手に炊けます。
要は、電気炊飯器と同じ原理です。
もしも
Iをお使いの方で、土鍋ごはんを食べたいと思われたら
私は、カセットコンロを使うのをお勧めします。
これで、簡単に美味しい土鍋ごはんが食べられます。
土と火
これが、永遠不滅のペアです。
IHを使っておられる方の参考になれば幸いです。
(1334) 自慢できる炊き込みご飯。ほっこり笑顔になれます!!土鍋で炊く方法も!<切り干し大根の炊き込みごはん> – YouTube
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