でいりいおくじょのBLOG

2023.01.06

読書日記「無人島のふたり」

年末に読んだ本です。

 

「無人島のふたり」(山本文緒著  新潮社)

 

山本文緒さんと言えば

数々の名著がありますが

 

やっぱり

「自転しながら公転する」

(本屋大賞ノミネート、中央公論文藝賞受賞)

は、最高に良く

 

大好きな作家さんでした

 

なので、突然の訃報にびっくりした一人です。

 

この本は

山本文緒さんが

すい臓ガンで余命宣告をされ

 

余命宣告された4ヶ月(120日)以上

生きるんだという気持ちでかかれた

闘病日記です。

 

年明け早々

この本のことを書くのはどうかとも思ったのですが

 

私自身、年末にこの本を読んだことで

いろんなことを考えるきっかけになり

すごく、前向きに今年1年を過ごそうと思えたので

この本のことを書かせてください。

 

そもそもの始まりはこうです。

 

山本さんは4月に胃が痛くなって

自分で胃薬なんかを飲んで対処しておられたのが

一向に良くならないので、これは病院に行った方がいいかも

って思って、病院に行かれるんです

 

最初は、胃潰瘍とか、その手の病気だと言われて

かなり強い薬を飲んだりされていたんです。

 

で、やっぱりよくならず、どんどん悪くなっているようなので

大病院で検査をしたら

いきなり、すい臓がんで余命半年の宣告をされてしまう。

 

年一回人間ドックで検査もしていたのに。

 

その時点で、もう手術もできない状態で

抗ガン治療か、緩和ケアという2択を迫られ

緩和ケアを選ばれます。

 

余命として宣告されたのは4か月

それ以上、生きることを目指しての闘病生活が始まります。

 

そこからの日々は

おそらく、言葉にできないことがたくさんおありになっただろうと思いますが

さすが作家さん、文章がうまい。

常に前向きです。

 

実は私、山本文緒さんと同い年でして

 

これって、私に起きても不思議じゃない事なんだなあって思いながら読みました。

 

なんか、日々普通に暮らしていると

この普通に元気な暮らしって、ずーっと続くように思うけれど

 

体のどこかが、突然具合悪くなる

なんていう事は、誰にでも起こりうることなんだ

ということを、目の当たりにしました。

 

そう思うと、

当たり前だけれど、今日という日がすごく大事で

今年1年も、すごく大事に生きなくっちゃ

って思えたんですよね。

 

あの料理をもっときちんと完成させておけばよかった

あの料理のコツを、ちゃんと伝えておけばよかった

レシピとして、きちんと残しておけばよかった

あの時の気持ちを、きちんと書いておけばよかった

ちゃんと伝えておけばよかった

 

みたいな後悔って

一杯残る気がする。

 

そんなことを考えました。

 

だから、日々、一生懸命生きて

後悔のないように暮らしたい。

 

本当に、切に思いました。

 

だから、お節料理を作っている時も

 

一期一会だと思って作らなくっちゃって思いましたよ。

 

来年また、おせち料理を作れたら、

ありがとうありがとうって思いながら作るだろうなって思いました。

 

おせちだけじゃなく、

いろんなことに、ありがとう、ありがとう

って思いながら、暮らしていきたいなって思いました。

 

上手く書けないけれど

 

今、生きていることの不思議と

生きている自分に、できることは何か

後悔を残さないために、今すべきことは何か

 

いろんな事を考えるきっかけになる一冊でした。

無人島のふたり

コメント

  1. 八木 より:

    『自転しながら公転する』は、偶然昨日から読みはじめ、半日であっという間に読み終えました。 山本文緒さんの作品は、とても読みやすく でも人生の機微みたいなものを細やかに表現されています。 才能豊かな方が、若くして天国に召されご本人も 無念だったと思います。 遺された数々の作品をこれからも大切に拝読していきたいです。

    1. 奥薗壽子 より:

      「自転しながら公転する」は
      本屋大賞ノミネートの時に読んで
      私的には、かなり押してました。それ位、いい作品ですよね。
      あの本が出て、テレビとかにも出演されて、その直後に体調を崩されたわけですから
      ご本人も、もっと書きたいことがたくさんおありになっただろうと思います。
      私も、まだ読んでない作品がまだまだあるので、大切に読みたいなと思っているところです。

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