家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
毎年、年の初めに読みたくなるのがこの本
「自分の中に毒をもて」(岡本太郎著 株式会社青春出版社)
岡本太郎さんと言えば
太陽の塔とか、「芸術は爆発だ~~!!」とか
とにかく、強烈な個性の方。
描かれる絵や、芸術作品も強烈なんだけれど
言葉もすごく強烈です。
この強烈な言葉で自分に活を入れる
と言うが、毎年の私の恒例行事。
年の初めって
去年頑張って苦しかったこととか
自分の力が及ばなかった事とか
いろいろ反省することもたくさんあり
また
今年もあれくらい頑張れるかなあとか
いやいや、今年は去年よりももっと頑張らないとだめだろうとか
いろんなことが頭の中をぐるぐるして
なんか、どんどん自信喪失してしまう。
私は、こう見えても自信喪失しやすい質なんです。
そんな時に効くのが岡本太郎さんの言葉。
******************
自信なんてのは、相対的なことで
誰それよりも自分の方が上だと比べているだけに過ぎない
世の中に完成なんてことはない。
世の中を支配している基準なんて、意味のない目安だ
いつも自分は未熟だという前提のもとに、平気で生きろ
******************
みたいなことが、延々書かれているんです。
これを読むと
なんかね、すごく生きる勇気が湧いてくる。
自信なんて、喪失するもんじゃないだよね。
そもそも、喪失するような自信なんて、何の価値もない。
誰かと比べないで
自分は自分だと思えたら、自信も何もない。
あるのは、今自分が何をしてきたか、何をしたいかって事だけなんですよ。
そう考えると
未熟であることが、ちっとも恥ずかしくなくなる。
未熟であるからこそ、前に進めるし
未熟であることが、前に進む動機となる。
もっと料理がうまくなりたい
もっとうまく、伝えられるようになりたい
もっとうまく言葉を使って
もっと、わかり易く表現したい
その原動力になっているのは
自分はまだまだ、足りてない事だらけだという現実だ。
臨済宗の言葉で
「道で仏に会えば、仏を殺せ」
という言葉があって
過去に学んだこと、信じてきたことを
手放した先にこそ、本当の未来がある
という意味らしいんだけれど
これ、すごくわかる。
過去に学んで、正しいと思ったことを
いったん全部忘れて、
真っ白なところから、もう一度始めることで
はじめて、見えてくるものがある。
そういう風なやり方をしないと、
前には進めない。
自分の考えに固執せず
自分が正しいと思うことも、いったん手放す。
そうやって、
今年も、また一年、新たな気持ちで始める。
今年も、
初心に帰って、
新たな気持ちで、料理に向かおうと思わせてもらいました。
バンザイ!岡本太郎!
ちょっと過激な言葉の連続だけど
おすすめの一冊です。
コメント