家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
ここのところ仕事が立て込んでおりまして
一つは、「みんなの家庭の医学」彼の新しいオファーをいただきまして
こちらは収録とオンエアーは、まだまだ先の話なのですが
いただいた課題が結構難しく
頭を悩ませております。
もう一つは
夏から取り掛かっている料理本の
原稿のチェックと加筆に追われています。
こちらは、当初の予定は年内に出ることになっていたのですが
本のテーマが「料理の基本」なので
新生活スタートの時期と合わせたほうがいいのでは、ということになり
発売は年明けになる予定。
ならば、ちょっと原稿を書くのも余裕があるなあと、のんびり構えていたら
あれよあれよという間に時間が過ぎていき
結局、ラストスパートで原稿を書き上げているような状況です。
一冊一冊、その時の自分の力を精一杯注ぎ込みたいと思って作っているので
来年春、楽しみにしてまってもらえたらうれしいです。
そんなわけで、今日は、もろもろの仕事に専念するために
ほったらかしでできてしまう煮込み料理がいいなと思ったんだけど
おでんとかだと、それはそれで手間もかかるので
もっと簡単に作れるものはないかと考えた結果
今日は、鶏肉と白菜のカレーにしました。
鶏もも肉を食べやすく切った、塩コショウをもみこんで小麦粉をまぶし
皮目のほうをしっかり焼いたら、白菜、しめじ、昆布を入れてさっと炒め合わせ
あとは、水を入れ、ふたをして煮るだけです。
白菜がくたっとなるころには、鳥からうまみが出て
これだけで鳥と白菜のおいしいスープが出来上がっています。
余りにもスープがおいしいので
このまま鶏の水炊きとして、春雨とか入れて食べちゃおうかと思ったんだけど
気持ちがすっかりカレーになっていたので
当初の予定通りカレーに。
しょうゆとみりんで味を調え
カレー粉入りの水溶き片栗粉でとろみをつけたら
お蕎麦屋さんの和風カレーになるんだけど
う~ん、ちょっと迷って、やっぱり市販のカレールーを入れちゃいました。
そういう日ってありますよね。
本格的なスパイスカレーじゃなく、おだしの効いた和風カレーでもなく
市販のカレールーを入れた、家庭のカレーを食べたいときって。
でも、ここで問題発生。
鶏のスープを作る感覚で、鳥と白菜だけを煮たので
スープとしてはすごーくおいしいんだけど
市販のカレールーを入れると、なんか味に深みがないというか
何かもう一つ味がたりない感じ。
何が足りないんだろうと考えていくと
そうか~、玉ねぎが入っていないから、甘みが足りないんだ~、と気が付きました。
市販のカレールーのカレーには、玉ねぎの甘みとうまみはMUSTですね。
でも、今更入れるのも変だし
別のもので、甘みとうまみを補うしかない!!
そうなると、ケチャップですねえ~。
ケチャップを大匙2~3杯くらい入れたら
おお―っ、見事に甘みをコクがプラスされ
ばっちり味が決まりました。
とっさの感がばっちりハマったときって、なんだかちょっとうれしくなります。
写真には写っていないんだけど
今日は、このカレーに福神漬けなんて添えて食べてみました。
日本のカレーに、日本の福神漬け!!
実はカレールーって、日本人の発明で
インドでも、イギリスでもない、日本の食べ物で
福神漬けも、日本のカレーに合わせて作られた和風ピクルス。
福神漬けを添えると、確実にカレーがおいしくなるから不思議です。
でも、これを見ても、日本のカレーには
少し甘い味のものが合うんですよね。
さらに言うなら、甘くて酸っぱいもの。
こういうカレーの時は
ご飯をすし飯にし足り、ご飯にレモン汁を絞ったりしてもおいしいですね。
私は、時々、こんな風に、ああでもない、こうでもないなんて
食卓の上で、ちょい足しをしながら、味で遊んでみたりすることがあって
その時は遊んでいるだけなんですけど
レシピを作っているときなどに、ふとあれにあれをたしたらおいしかったなあ、なんて思い出したりして
それが、意外に役にたったりするのです。
料理の楽しみって
料理本の通り、きちんと作るだけじゃなくて
こんな風に、手探りで味を組み立てていく過程の中にも
確実に、未知なる楽しい世界があると思っています。
今日は、とりとめのない話をだらだらと書いてしまいました。
すいません。
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