家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
最近は、家で気軽に映画を見られるようになって
それはそれで、いい時代だなあと思うんだけれど
その分、映画館で映画を見るのが
すごく贅沢に感じるようになりました。
そんなわけで
誕生日には、何か映画を見よう!!という事に。
選んだのは
「CLOSE」
朝の情報番組で紹介されていたのを娘が見て
その話を聞いた私も
すごく見てみたくなったのでした。
ざっくりとしたストーリを書いておくと
13歳になるレオとレミ
2人の少年は小さなころから一緒に過ごしている大親友で
文字通り24時間一緒にいるような大の仲良し。
やがて二人は中学生になり
それまで通り、仲良くくっついて過ごしていたのだけれど
同級生の女の子から
「二人は付き合ってるの?」
とからかわれるんです。
それまで二人は、自分たちの親密さに何の疑問も持っていなかったのに
その時一言がきっかけで、レオはレミに対してそっけない態度を取り始めます。
一方レミは、なぜレオが自分にそっけなくするのかがわかりません。
それまで通り、一緒にいたいと思うのに
どんどん離れていくレオ。
ある日些細なことで喧嘩になります。
レミを突き放すレオ
もう、かつてのようには戻れないことを察したレミ。
まだ性というものに目覚めていない二人の少年の
心の中にある、自分でも理解しがたい感情。
嫌いなわけではないのに
一緒にいることを拒むレオ
今まで通り一緒にいることがなぜできないのか分からないレミ
レオは、やり場のない気持ちをスポーツと、家業の農業の手伝いでをすることで
紛らすのに対し
レミは、ただ悲しさと淋しさを募らせていきます。
ネタバレになるので、ここから先は書きませんが
限りなく純粋であるだけに
どうしようもなく切ないです。
恋とか、愛とか、友情とか
そういうものになる前の自分でも理解しがたい気持ち
大人になる前の少年の中にある
その時にしかないような透明な気持ちです
映像は、劇的な展開があるわけではなく
特に、印象的な会話があるわけでもなく
淡々とした日常の繰り返しを淡々と映し出し
まるでドキュメンタリーを見ているような感じです。
それは、ある意味、単調な感じさえするのですが
その単調な流れの中で
少年が少しずつ成長していくのがリアルに感じられ、
何かぞくぞくするような感動が静かに湧き上がってきました。
「強くなる」ことは我慢することじゃないだよ。
というセリフが、心に残りました。
我慢は限界がくる。
人が強くなるために必要な事は
自分の内面と向き合い
本当の自分の気持ちから目を背けず
それを受け入れる事
あるいは、受け入れるようになるまで待つこと
いろんなことを考えさせられる映画です。
こういう映画は、見た後に語り合いたくなります。
実際、私も娘とめちゃ語り合いました。
語りながら、またいろんなことに気づくこともありました。
そういう意味でも、すごくいい映画です。
おすすめです。
コメント
お大変遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます!!
お盆とお祭りの準備、接客などで余裕がなくて、久しぶりにブログを拝見したらすごく沁みました。
「自分を愛するということ」にもとっても共感しましたし、映画日記の中の「強くなることは我慢することじゃないんだよ」にもやられました。
耐えることばかりがいいわけじゃないと私も思うようになったからです。(映画のニュアンスとは違うかもしれませんが)
淡々として劇的な展開が無い映画にも感じるものが多いことってありますよね。
「かもめ食堂」や、最近観た「メタモルフォーゼの縁側」もよかったです。
いくつになってもというより、年をとっていくからこそ自分と向き合うことは大事ですね。
お祭りには先生のレシピをたくさん作りたいと思っています。
うれしいコメント、ありがとうございます。
そうなんです。
若い時よりも、年を重ねた今の方が、自分と向き合う時間が大切になりました。
でも、向き合っても、向き合っても、どんどん自分がわからなくなります。
「かもめ食堂」「メタモルフォーゼの縁側」、どちらも大好きな映画です。
良いですよね~。
また、映画の話書きますね。
お祭り、頑張って!!終わったら、ゆっくり休んでね。