家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
昨日の続きです。
「悲しみの秘義」(若松英輔著 文春文庫)
エッセイ講座が新タームになって
テキストがこの本に変わるので、あらためて読み直してみました。
この本は、
わたしが読んだ最初の先生の本かもです。
これまでも、何回となく読んできたんですが
今回、また改めて読んで、ああと思ったのは
単行本あとがきでした。
これまでも読んでいたと思うんだけれど
正直、ほとんど読み飛ばしていたかもって思います。
改めて読んでみると
気持ちの整理がついてこの本を書かれたのではなく
書くことで、自分自身を癒されたのだという事を、あらためて思いました。
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人は誰も避けがたく訪れる暗闇の時を
明るく照らし出す言葉を、わが身に宿している
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自分を照らす言葉を生み出すのは自分だけで
その言葉を書くことで
自分の中の暗闇に光を与える
書くというのは、そういう事だと
言うのです。
自分を元気づける言葉は、自分にしか書けない
これ、常々、先生が言われていることで
先生は、本当に自分でそれをやって、それを実感して言っておられたんだと
このあとがきを読むと、あらためて思いました。
この本の初版が2015年で
新聞に連載されていたものをまとめた本なので
実際に書かれたのは、その1年以上前という事になるから
そうなると、
死者に対する気持ちの整理がついていない時に書きはじめ
書きながら、気持ちの整理をされたのだと推測できます。
昨日
プラトンの「パイドン」の講座を受けていたのですが
その中で、先生はこの本を読んで救われた
というようなことをおっしゃっていました
この本は、魂の不滅という事がテーマなのですが
この本を読むことで
人は死んでもなくなるわけではなく、死んでも死なない
という事を深く理解し
悲しみのどん底から、這い上がってこられたのでしょう、
この本を書かれたのは、
まさに、そういう時期だったのだろうなと
思ったりもしました。
そういうことも、いろいろ思ったりしながら読むので
読むたびに、いろんなことを考えます。
本当にいろんなことを考えます
いや、本当は、
もう少し本の感想を書こうと思っていたのですが
これ以上は書けなくなりました。
すいません。
明日の教室で、何を話してくださるのか
それを受けて、また書きたいと思います。
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