家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
今までに何回も書いているので
またかと思われるかもしれませんが
こう見えても結構小心なので、テレビ収録の前日は結構緊張しています。
自分の書いたレシピで、おいしいものができると信じているはずなのに
本当は、もっとおいしくできるんじゃないだろうかとか
もうひとひねりアイデアをひねり出せたんじゃないだろうかとか
自分の見えていないところで、不完全な箇所があるんじゃないかと
不安になってくるのです。
なので、前日には、必ずすべてのレシピを分量通りに作って
材料を切ったりする時間や、手間の具合
材料のボリューム感、出来上がりの見え方など
を、細かくチェックするようにしています。
試作の時は、栄養価と味と、料理の作り方などに目が向きがちだったので
結構、それ以外のところをチェックし忘れている場合があるのです。
まさか、というような事態を想定して、チェックをするのが小心者の小心たるゆえんで
一見、ネガテイブな性格に見えるのですが
自分の不安材料を自分で一つ一つなくしていき、最終的には自信をもってやれるわけですから
実はものすごくポジテイブでもあるのです。
さて、明日の準備をしつつ、
そればっかりじゃ、自分の中の何かが煮詰まってくるので
仕事とはまったく関係のない料理にもアンテナを張り
楽しみながら作るのも、大切なこと。
今日は、先日来蕎麦屋さんで食べているそばがきの復習です。
そばがきは昔から好きで、
蕎麦屋さんに入ったら、たいてい注文します。
そばがきって、蕎麦屋さんのポリシーというか、ご主人のそば哲学みたいなのが
結構現れる感じがするんです。
先日お蕎麦屋さんで、そばがきを食べて以来
もう自分でもやってみたくて
ああでもないこうでもないと、いろいろ試作してきたのです。
昔から、そばがきが好きでいろんなやり方を、試してきたんだけど
この間からおいしいそばがきを立て続けに食べて
そばがきって、おいしいそば粉を手に入れて、シンプルに丁寧に作る
それだけだわ、という結論に達しまして
先日訪れた、荻窪の高はしさんでそば粉を分けてもらい
それで、そばがきを作ってみました。
以前は、そば粉を熱湯で溶いて、ガーっと混ぜてから、
再度それをゆでて、ゆで汁ごと器に盛る、というのが私のやり方だったのですが
それだと、そば粉の香りがどうしても飛んでしまうので
お鍋の中で練りねりして、そこで仕上げたほうがいいような気がして
今は、お鍋の中で練って仕上げています。
大事なのは、そば粉と水の割合で
いろいろやってみた結果、そば粉:水が1:3を基準に
そば粉によっては、もう少し水加減を少なくしても、って感じです。
昔はお湯で溶いていたのですが、最近は水のほうがだまになりにくいので
水でよーく混ぜてから火にかけるようにしています。
あっ、使うの鍋は、内面フッ素の小さめのフライパンです。
昔鍋で作っていたときは、後洗うのが大変だったのですが
内面フッ素のフライパンでやるようになってからは、うんと気楽に作れるようになりました。
火にかけるときの注意は、とにかく弱火で気長に混ぜていくこと
強火で一気にやると、結構鍋肌についたのがぱりぱりに焦げてしまうので
混ぜながらゆっくりゆっくり加熱して
ねばりが出て、全体がもったりしても、弱火でさらに1~2分
そうすることで、独特なこしが出るように思います。
食べるのは、醤油。
そば粉がおいしければ、醤油だけで十分。
添えるとしたら、ワサビくらい。
でも、もしそば粉がそれほどいいものじゃなかったら、あんこをかけて
粟ぜんざいならぬ、そばぜんざいにするのもいいものですよ。
そばがきは、そば打ちほど難しくもないし
そばの香りを純粋に楽しめるので
おすすめです。
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