家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
今、思い出しても、ドキドキして、いやな汗が出てくるような思い出があります。
あれは、10年以上前だったと思うのですが
あるラジオ番組に呼ばれて
その場で、パーソナリテイーの方と自由にお話をするというものでした。
家庭料理研究家としては一応それなりに仕事をしてきていましたので
料理についての話なら、どんなことでも一応は答えられるだろうと思って
スタジオに入ったのですが
その時の話題が、なんと、
最近読んだ本とか、最近見た映画とか、お気に入りの音楽とか
頭が真っ白になりました。
その当時、とにかく子育てと家事と仕事をこなしながら生きることで精いっぱいで
世の中に映画館があることや
音楽が流れていることさえ、忘れていたし
かろうじて読書は昔から好きだったので、本の名前くらいは知ってるけど
活字を読む時間あれば、とにかく1分でも1秒でも寝たいというような状況で
最近読んだ本といわれても、
出てくるのは、子供の絵本のタイトルばかり。
何にも答えられない自分が、みじめだったのはもちろんですが
なんか私って、ものすごく薄っぺらくて魅力のない人間だなあと思って
そっちのほうが、すごく悲しかったのでした。
その時の悲しさとみじめさが、今でも心の中にずーっと残っていて
料理ができても、魅力のない人間はつまらないなあと思うようになって
忙しい言い訳にせず、いろんなものに好奇心を持って
楽しく生きている人になりたいなと思ったのでした。
そこで、最初にやったのは、家事の合間にラジオを聴くこと。
テレビだと手が止まるけど、ラジオだと家事も、子供と遊ぶこともできるんですよね。
ラジオから流れる音楽は様々なジャンルの音楽のおかげで
知らず知らずのうちに、クラッシックもジャズもJ-POPも親しめたし
いろんなトーク番組を聞いていると
話題の本や映画や、世の中のいろんなことを知ることができ、
もっと読んでみたい、いろんなものを見てみたいと思えるようになりました。
でも、さすがに時間に追われている生活の中で
本を読んだり、映画を見たりする時間を作るのは至難の業です。
でも、本当にものすごく忙しい方のほうが
ものすごい読書家だったり
いつ、見ておられるんだろうと思うくらいたくさんの映画をご覧になっていたり
要は、意識の問題で
忙しいから仕方ないやと思うんじゃなくて
忙しいからこそ
一日のうちで、自分のために使う時間をきちんとキープできるように暮らしておられるんですよね。
そういうすごい方と同じレベルまでやるのはむりでも
私にも、そんな風になりたいと思う気持ちがあれば、きっと近づけるに違いないと思って
毎日の暮らしの中で、自分のために使う時間をキープできるところを探しました。
すると、ありました、ありました。
私は私のために使える時間。
それは、お風呂に入っている時間と、朝、メイクをしている時間。
そんなわけで、私はお風呂に入っている1時間程度を毎日の読書タイムとし
朝、メイクをする20~30分を映画やドキュメンタリーなどの映像を見る時間にしています。
限られた時間なので、本1冊もなかなか読み終わらなかったり
映画1本見るのに4~5日かかったりもしますが
それでも、この時間は私にとって、何とも豊かな時間です。
一日10分で20分でも、そんな時間があると
毎日が充実する気がするので、おすすめです。
さてさて、今日のお弁当の話を。
今日のお弁当は、定番の和風照り焼きハンバーグ弁当。
和風照り焼きハンバーグ
小松菜とコーンの炒め物
チーズベイクドポテト
切り干し大根のうま煮
卵焼き、ミニトマト
ハンバーグは、豚ひき肉を使い、じゃが芋のすりおろしを加えるのが奥薗流。
冷めてもしっとり柔らかく仕上がります。
醤油と蜂蜜をからめて、和風照り焼き味にしました。
小松菜とコーンはさっと炒めて、味は軽く塩コショウ
照り焼きハンバーグと一緒に盛り付けることで
甘辛味がつくので、味付けはほとんどなしでも大丈夫。
ベイクドポテトは
すり下ろしたじゃが芋の残りを食べやすく切ってラップをし
電子レンジにかけてから、ハンバーグの横で焼くだけ
仕上げに粉チーズをかければ出来上がり。
ケースの下に、ほんの少しケチャップを入れておくと、食べるときニンマリ。
切り干し大根は前日の残りです。
こういうのが入ると、なんか手作り感出ますね。
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