家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
スーパーにセリが並び始めましたね。
セリって、春の七草のひとつなので
セリを料理すると、なんだか春の足音が聞こえてくるようで
心がうきうきしてきます。
昨日行ったスーパーでは、
根切りのセリと、根付きのセリがあって
今まで、セリというと根のついたのしか知らなかったから
へえ~っ、こんなのがあるんだと興味がわきました。
それで、試しに両方買って、昨日はさっと湯がいてお浸しにし
食べ比べてみたのですが
やっぱり根がついているほうが、味も香りもワイルドというかしっかりしていて
根の切ってあるのは、やわらかくて癖もないのだけれど
私には上品すぎる感じ。
三つ葉とよく似ていますね。
ほらこの時期、根三つ葉といって、軸もしっかりした根のついた三つ葉が出回るんだけど
香りも触感もワイルドなので
親子丼なんかに品よく盛るには、ちょっと無骨すぎてあわなくて
豚肉なんかと一緒にガーっといためたりして食べるとすごくおいしいんです。
あの感じとよく似ていますね。
まあ、どちらがいいとかっていうことじゃなくて
これはもう、好みと、使う用途によりますけどね。
さてさて、そんなセリをたっぷり入れて
今日はセリうどんを作りました。
セリうどんを初めて知ったのは
「吉兆味ばなし」(遊木貞一著 暮らしの手帳社)
という本の中でした。
アツアツのうどんに、たっぷりのセリを入れるだけのシンプルなうどんなのですが
アツアツのうどんのおつゆの中で
さっと火が通ったセリから、ふわっと立ち上る春の香り
それだけで心をわしづかみされたというか
セリを見かけたら、必ず食べたくなるほど、私の大好きなうどんになりました。
そこからスタートしたセリうどんなのですが
何回も作っているうちに、我が家のスタイルにどんどん形が進化して
煮干しだしに豚肉と梅干の入った形に、今は落ち着いています。
豚肉を入れることで、食べごたえがアップするのと
ちょっと動物性の油のコクをプラスすることで
セリがさらにおいしくなる気がするのです。
さらに、梅干しとセリもよく合うと私は思います。
梅もセリと同様、いち早く春の訪れを感じさせてくれる花ですから
(梅干しは、夏のイメージですけどね)
梅とセリの組み合わせって、私は気に入っているんですよね。
もちろん味も合います!!
セリうどんのポイントは
セリを入れるタイミングです。
煮干しと昆布でだしを取ったら、
豚肉と梅干を入れ、しょうゆで味を調え
(あえてみりんを加えないほうが、すっきりした味になる気がします)
うどんを入れ、
あとは、軸の硬そうな部分だけここで入れてさっと火を通し
残りのセリは、器に盛ってから、最後にバサッと入れるんです。
おつゆの熱でさっと火を通すと
セリのシャキシャキ感も残るし、香りも器の中でふわっと立ちます。
今日はまた寒くなりましたが
アツアツのセリうどんを食べれば
なんだかもうすぐ春がやってくる感じがします。
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