家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
切り干し大根の昔ながらの下処理方法は
よーくもみ洗いをして、水に浸し
場合によってはさっと下茹でしてから水けをきる。
私自身、昔ながらの教科書に出てくるやり方を否定するつもりはないけれど
時代の流れとともに、素材や加工の仕方、流通方法などが
目まぐるしく変わってきているわけだから
昔ながらのやり方を金科玉条のごとく守って伝えることだけが大切だとはどうしても思えません。
むしろ、今の時代に合ったやり方でその素材を食べ続けていくことのほうが大事だと思ってしまいます。
特に乾物は、その最たるものだと思います。
昔ながら時間も手間もかかるやり方にこだわっていれば
いつまでたっても古くて手間のかかる食べ物から抜け出すことができない気がするのです。
乾物自体、現代人に不足しがちなミネラル分を豊富に含んでいるスーパー健康食品ですから
時代のニーズは確実にあるはず。
手軽に食べられる方法や、ヘルシーな調理法、味付けを提案することで
もっともっと脚光をあびる食べ物になれるはずと、私は思っているのです。
例えば切り干し大根。
私のやり方は
さっと洗って、キッチンはさみで切るだけです。
それって、大丈夫ですか?
と聞かれたことがありますが、
生で食べて大丈夫なのかという意味の”大丈夫”は
切り干し大根って、大根を干したものなので、絶対大丈夫です。
衛生的に大丈夫なのか、という意味の”大丈夫”に関しては
私、宮崎で切り干し大根を作っておられるところを見学したことがあります。
(宮崎は切り干し大根の生産、全国シェア1位、約9割を生産しています)
小高い丘のようなところで切り干しって干されていました。
低い位置で干すと、風がゴミとかいろんなものを運んできますが
高いところで干すことで、それを防ぐことができるそうなんですね。
しかも、湿気を含んだ海から吹き上げる風ではなく
からりと乾いた山の上から風が吹いてくる日を選んで干し
一日で干し上げる。
風向きの見極め方と予測は、まさにプロならではのものでした。
切り干し大根は、一日でさっと干し上げることで
質のいい白い切り干しになるのだそう。
干し上げられた切り干し大根は、
生のダイコンよりも、ぎゅっと甘味とうまみが濃縮され
生とは違う、おいしさになります。
もちろん、外に干しているわけなので洗う必要はあるかと思います。
でも、ごしごしもみ洗いしたり、長く水につける必要はあるでしょうか?
せっかくの甘味やうまみが抜けてもったいないと私は思ってしまう。
一般の市場に出回っている切り干しは
(自家製の切り干しは何とも言えませんが)
少なくとも、きちんと品質管理をされているものなので
さっと洗って、そのまま使うやり方で全く問題ない、
というか、むしろそのほうがいいと、私は思います。
ちなみにさっと洗うというのは、どの程度かというと
それは、他の野菜をどの程度洗うかというのと同じで
自分で大丈夫と思える程度、ということです。
洗っただけの切り干し大根って、煮たのと違って固いので
包丁で切るより、キッチンはさみでチョキチョキ切ったほうが、断然楽です。
そんな切り干し。
原料がダイコンなので、そんな大した栄養などないんじゃないかと思うかもしれませんが
いやいやどおして、
これがかなりミネラル豊富でして。
食物繊維はもちろん、カルシウム、鉄分も豊富なんですね。
しかも、腹持ちがいい。
私は、乾物好きということもあって
乾物を使った料理の撮影なんかも、結構よくするのですが
そのたびに、撮影スタッフが口をそろえて言う言葉
ばっちり効きました!!(これお通じのことね)
腹持ちがいいので、ダイエットにいいですね。
特に腹持ちの良さは、抜群で
しかも切り干しって甘いから、甘いおやつを我慢しているダイエットの時なんかは
特に切り干し、おすすめだと思います。
おいしい切り干しの見分け方は
まず、色が茶色くなっていないもの。
切り干しは糖度が高いので、古くなると茶色くなって匂いも強くなります。
私は、さっと洗ったのをそのまま口に入れ
自分の唾液でふやかして食べて味見をします。
おいしい切り干しは、これだけで本当に甘くて、おいしいのです。
保存は常温でいいのですが
切り干しは糖度が高いので変色しやすいため
乾物といえでも、長期保存はせずに、早めに食べたほうがいいと思います。
ミネラルが不足しやすい季節です。
切り干し大根で、おいしくミネラル補給、いかがですか?
*************************
Youtubeで切り干し大根の下処理方法を詳しく解説しています。
豚肉と切干大根の生姜煮
是非、チェックしてみて下さい
戻さずに使う奥薗流の乾物テク。食物繊維たっぷりのヘルシー常備菜です。 – YouTube
切り干し大根が焼きそばに化けて、まさかのおいしさになる!ダイエットにもおすすめのヘルシー焼きそばの作り方 – YouTube
コメント