家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
先日、テレビのワールドニュースを見ていたら
生玉ねぎ早食い世界大会で日本人男性が優勝し、ギネスに登録されたというのをやっていました。
生の玉ねぎを1個、丸ごとかじって、たしか20数秒で完食!!
ところが問題はこの後。
この男性が淡路島の人で、淡路島の玉ねぎを食べるのはずるいのではないかという抗議が世界各国から出て、物議をかもしているらしい。
淡路島の玉ねぎって、肉質が柔らかくて辛みが少なく、とっても甘いんですね。
日本国内でも、淡路島の玉ねぎといえば高品質ブランド。
そこで番組取材班が、淡路島に行って、その男性を取材。
まずは淡路島産の生玉ねぎを見事なスピードで完食してもらった後
一般的な玉ねぎで挑戦してもらってもいいかと、聞く。
もちろん、いいですよ。淡路島さんのじゃなくても全く問題ない、と男性。
そして、自信満々食べ始めたのはいいけれど
1/3くらい食べたところでゲホゲホ言って、あえなくリタイアー
やっぱり普通の玉ねぎは辛かったみたい。
実は、以前仕事で淡路島に行ったとき
玉ねぎがあまりにもおいしいので感激していたら
地元の人たちの反応は意外に淡白で
そうですか~?そんなにおいしいですかね。
私たちは、生まれた時から子の玉ねぎしか食べたことがないから、わからんわ~
みたいな、反応。
だから、生玉ねぎ早食い世界チャンピオンの男性も
自分のところの玉ねぎが、よその玉ねぎとそんなに違うなんて、想像もしてなかったんでしょうねえ。
さてさて、そんな玉ねぎ。
以前、家庭の医学で玉ねぎを一日1/2個食べると、胃がんのリスクが50%減
1個以上食べると66%減る、ということで
玉ねぎ料理を紹介させてもらったことがありました。
玉ねぎに含まれるケルセチン(ポリフェノールの一種)に強い抗酸化作用があり
番組では胃がん予防ということでしたが
ほかのがんのリスクを下げる効果もあるらしいです。
ケルセチンは熱には強いのだけれど、水溶性なので
水にさらしてしまうとだめなんですね。
だから、炒めものとかスープにして煮汁を飲むなどが、効率よく取れる食べ方です。
一方、血液サラサラ効果を期待できる硫化アリルは
加熱すると性質が変化するので
血液サラサラ効果を期待するなら、生で食べたほうがいいんですね。
しかも、水溶性なので、水にさらしたら流れ出る。
ああ、なんかややこしいなあ。
じゃあ、どおすればいいのか、
まあ、とりあえず、深く考えず、できる限り玉ねぎを食べる、
加熱しようが、水にさらそうが、煮ものにしようが、サラダにしようが
とにかく食べる、うん、食べたもん勝ちだと思う。
最近私がはまっているのは、玉ねぎハムドッグ。
ロールパンかドックパンに縦に切れ目を入れて
マヨネーズを絞り出し、
そこに、玉ねぎスライスとハムとチーズを挟んでオーブントースターで焼くだけ。
実は、これ、京都の某有名老舗コーヒー屋さんのモーニングセットで出てくるパンなのです。
玉ねぎスライスを生で挟むんだけれど
オーブントースターで加熱するといい感じに加熱されて、
シャキシャキ感はそのままで、辛みだけが飛ぶんですよ。
玉ねぎが好きだからいっぱいはさんじゃう。
コーヒー屋さんのはハムが厚切りで上等なんだけど
私は、ふつうの薄いハムとプロセスチーズ。
それでも、玉ねぎがたっぷり食べられるし、かなりお気に入りの朝ごはんです。
今、野菜がいろいろ高騰しているので
こんな時こそ、われらが玉ねぎ、いっぱい料理に使いたいですね。
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今日の「日めくりレシピ」は「鶏むね肉の南蛮漬け」
玉ねぎは水にさらさず直接南蛮酢に漬け込むのがポイントです。
辛み成分(硫化アリル)は水溶性なので、うまく辛みが抜けます。
南蛮酢に溶け出した、ケルセチンと硫化アリルは、鶏むね肉と他の野菜にからむので
無駄なくおいしく食べられますよ。
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