家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
先日、ツイッターで、
卵にはサルモネラ菌がついている可能性があるので
お弁当に入れるときは、必ずしっかり中まで加熱して入れてください。
と、かいたら
「でも、コンビニ弁当とか市販のお弁当に入っている半熟卵は、あれ、危なくないんですか」
という質問を受け
ああ、そういえば、コンビニ弁当って、衛生上の問題から半熟卵を入れてはいけないことになっていたのが、
何かが解決したか、何かが改善されたおかげで、販売できるようになったという記事を、確か前に読んだことがあるなあと思って
なんか、思い出せそうで、思い出せなくて、
すごく気持ち悪くて、卵の本を一冊読んでしまいました。
「牛乳とタマゴの科学」(酒井仙吉著 講談社ブルーバックス)
この本によると
鳥類は、卵も、尿も、フンも、出口は一緒で
膣も尿管も出口近くで腸に開口している。
なので、腸にいる微生物が子宮に侵入することがまれにある。
サルモネラ菌もその一つ。
サルモネラ菌に汚染された卵は2000~3000個に1個くらいの割合。
これがすごくリスキーなのか、そうでもないのか、よくわからないけれど
こんな割合でも、実際に食中毒は起こっているのだそう。
卵を低温で保存しておくと
もし仮に、サルモネラ菌に汚染されていたとしても、菌の増殖はそれほど進まないので
冷蔵庫に保存するのは、とにかく大事。
でも、問題は、お弁当などに入れて、調理した卵を常温で持ち歩く場合ですね。
もし2000~3000個に1個の割合のはずれの卵に当たっていたら
これは大変なことになりますね。
さらに、コンビニ弁当などで、冷蔵庫で保存されているときはいいとして、買った後、常温で持ち歩いた場合、危険はないのか、これも気になるところ。
この本では、そこから先を知ることができません。
けれど、ここであきらめるのも悔しいので、
さらに、卵について詳しく書かれているものを探してみると
ありました、ありました。
「Cooking for Geeks」(料理の科学と実践レシピ)
(Jeff Potter著 水原文訳 オライリージャパン)
タイトルを日本語に訳すと 「オタクのための料理」
この本、内容は、とんでもなくマニアックです。
そこの卵の章のところに、サルモネラ菌に関する記事がありました。
サルモネラ菌は 58度で顕著な速度で死滅し始め、
卵に含まれるたんぱく質は 61度以下では変性をはじめない。
つまり、この2つの間の温度に卵を保てば、
もし仮に、サルモネラ菌が存在していたとしても、許容できる範囲まで減らすことができる。
FDA(アメリカ食品医薬局)は、10000分の1に減少することを要求しているそうだけれど
卵を61度で3.5分保てば達成できるのだそう。
これを卵のパスチャライズという。
この方法が、日本のコンビニ弁当で採用されているかどうかまでは、
突き止めることができなかったのだけれど
お弁当に使われる卵が、パスチャライズされた卵である可能性は高いんじゃないかな。
ちなみに卵白は62~65度の間で大部分のたんぱく質が変性し
卵黄は65~70度のあいだで大部分のたんぱく質が変性します。
サルモネラ菌は70度で1分加熱すれば、完全に死滅するそうなので
いずれにしても、
黄身に火が通っているかどうか
家庭で料理するときは、その辺を基準にするのがよさそうです。
ということで
ちょっと、あいまいな結論になりましたが
いずれにしても、手作り弁当に卵を入れる場合は
しっかり火を通しておくこと。
これから、行楽の季節でもありますから
お気を付けくださいね。
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きょうの「日めくりレシピ」は「ふわふわ卵のあんかけ」
ふわふわの秘密ははんぺん。
冷めてもふわふわなので、お弁当にもぴったりです。
焦げやすいので弱火でじっくり中まで火を通してくださいね。
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コメント
デイサービスで働いています温泉卵で
殼は新聞紙でくるんで捨てましたがケースは普通に残飯など入れるバケツに入れたら別にしないと駄目と言うので生卵でなく温泉卵だから大丈夫と言ったが断固として譲らずサルモネラ菌は70度1分で死ぬのだからケースは普通に捨てても良いと思いますが衛生上問題ありますか