家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
「日めくりレシピ」の週末はスペシャルバージョンということで
ご当地野菜を取り上げているのですが
今月は、私の故郷京都!!
そして、今日と明日は、水菜、壬生菜を取り上げます。
水菜は今や全国で作られているので、京野菜というイメージは、
実は、れっきとした京野菜です。
京菜ともいわれ
食品成分表でも、京菜で検索しないと水菜では調べられません。
栄養成分的にみると
これが実に優秀な野菜でして
カリウム、カルシウム、鉄分、βカロテン、ビタミンB類(葉酸もむくむ)、食物繊維
などなど、ビタミン、ミネラル類の含有量は、トップクラスです。
しかも、生でも食べられるし、加熱しても食べられるし、漬物にもできるしで
どこをとってもオールマイテイーな優秀野菜です。
そんな水菜。
スーパーでも手ごろな値段で買えるの、家計の強い味方。
なので、どんどん買って、モリモリ食べたい。
でも、京都人の私としては
もしも、京野菜の水菜を見かけたら
ぜひ一度は食べていただきたいな。
京野菜の水菜を見かけたことのある方は
多分、なんでこんなに値段が高いんだろーと思われたと思うんですね。
でも、京野菜の水菜は、自家採種して種を絶やさないように大切に育てられているもので
明らかに、一般的な水菜とは違うんです。
どこが違うかというと
軸(茎?)の部分が、めっちゃ柔らかいのです。
京都の亀岡の先で作られているので
(私の祖母の田舎のちょっと先です)
私自身、見学させてもらったこともあります。
その時、伺った話によると
もともと、京野菜の水菜は、軸の部分が軟弱なので
背丈が伸びていくと、自分の力で支えきれずに、軸が外側にバーッと開いたようになるんです。
だから、収穫するときには、そのひらいた軸をかき集めて束ねて、根元を切らないといけない。
大量に収穫するとなると、その作業は結構大変で
軸がしっかり立って、成長しても外側に開かないように品種改良されたんですね。
それが今の、一般的に流通している水菜。
確かに収穫の効率は上がり、硬くなった軸のしゃきしゃき感が好きな人もいるとは思うんですけど
本来の柔らかさのある京都の水菜は、やっぱり違うおいしさがあります。
だから、もし京都の水菜をまだ一度も食べたことがないなら
ぜひ一度は、食べてほしいなと思います。
ちなみに、水菜ってハウス栽培なので、一年中流通していますが
やはりこういう葉物野菜って、寒くなったほうが中に糖分をため込むせいなのか
味もおいしくなります。
生のサラダもいいですが
しゃぶしゃぶの要領で、サッと加熱して食べるのが、私的には一押しです。
ほんの数十秒お湯にくぐらせて緑がパーッと鮮やかになる程度
それぐらいがベスト。
その時、しゃぶしゃぶするお出しに動物性の脂分がとけだしていると
いい感じに、水菜に脂が絡まって、めっちゃおいしくなる!!
だから、豚肉なら、肩ロースやバラ肉のような油のある部位と組み合わせたほうがおいしいですね。
あと、鶏もも肉を水炊きみたいに煮ておいて
その脂の溶けだしたおつゆでしゃぶしゃぶもいいですよ~.
本当は、京都ではりはり鍋というのがあって
それは、クジラと水菜を組み合わせた鍋で
鯨の尾のみとか、さえづりとかという、油の多い部分と一緒にさっと煮たりして食べるのが定番なんですけど
こういうのも、今や家庭ではなかなかできません。
鯨のころと言って
鯨の皮の部分の、脂を取ったかすの部分が
京都の錦市場なんかで売られているので
京都に行ったとき市場散策をして、見かけたら買ってみるのもおすすめ。
私もついつい買っちゃいます。
これを水につけてもどして
コトコトに出すと、めっちゃコクのあるだしが取れるので
それをベースにして、はりはり鍋なんかやるとごちそう感があります。
まさに、檀一雄さんの世界観にひたれます。
いずれにして、これから水菜がおいしくなります。
まさに、おいしくて健康にもいいスーパー野菜なので
たっぷり食べてくださいね。
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今日の「日めくりレシピ」は「水菜と豚肉のはりはり鍋」
我が家のはりはり鍋の特徴は、材料をシンプルにして
とにかく水菜のおいしさを味わうのが特徴かな。
私は、水菜とえのきの組わせが好きなので
水菜と一緒に、えのきもしゃぶしゃぶしちゃいます。
我が家の特性ごまだれもおいしいよ。
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