家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
料理のレシピに「生鮭」とかくと、
生鮭って何ですか?と聞かれることがあります。
確かに、鮭って種類が多いし
スーパーでは生鮭とは書いてないかも。
以前にも一度、鮭について書いたことはあったのですが
ここでもう一度、整理してみたいと思います。
生鮭というのは、鮭の種類ではなくて
鮭の状態のことを指しているんですね。
つまり、塩サケに対して生鮭。
塩をしていないサケの切り身ってことです。
塩サケは干物コーナーみたいなところに売られていて
生鮭は鮮魚コーナーに売られていることが多いかな。
塩サケは、塩分量の違いで
甘塩、中辛、大辛 (辛塩)というような表記がされています。
甘塩鮭で大体3%くらいの塩分といわれているけれど
うちの近所のスーパーの安い甘塩サケを買うと
ほとんど塩分を感じないようなのもあります。
私は塩サケのあらを買ってきて、自分で鮭フレークなんかを作るんだけれど
(鮭フレークで鮭ご飯とか作るんだったら、切り身よりあらを買うほうが断然お得です)
その場合は、中辛くらいの辛さのサケのあらを、私は買います。
甘塩のサケのあらだと、鮭フレークにするにはちょっと塩分が足りない気がして。
さて、問題の生鮭です。
銀鮭とか、アトランテイックサーモンとか、トラウトサーモンとか
これから秋になると、秋鮭とかいろいろありますが、
こういうのぜーんぶひっくるめて生鮭というんです。
だから、レシピの材料のところに生鮭と書いてあったら
こういう、塩をしていない鮭、どれをつかっても大丈夫です。
サーモン=鮭
トラウト=マス
という風に、認識されていることもあったり
海に遡上するものをサーモン
皮など淡水で生活するものをトラウトという風に考える場合もあるんだけれど
生物学的には、鮭とマスって、明確な区別はないらしく
全部ひっくるめて、鮭という認識でいいようです。
もともと天然のサケには
アニサキスという寄生虫がいるので(サバにいるやつですね)
鮭は生食してはいけないことになっていました。
(ただし冷凍するとアニサキスは死滅するそうで、
冷凍した鮭を薄作りにして食べるルイべという食べ方はありました)
ところが、近年、養殖技術が発達し
寄生虫のいない鮭が育てられるようになったおかげで
生で鮭が食べられるようになりました。
スーパーでもお刺身用のサーモンを手軽に買えるし
回転すしのネタでも、今やサーモンは一番人気とか。
スーパーで売られているお刺身用のサーモンは
アトランテイックサーモンとか、サーモントラウト
これらは、完全養殖で価格も安定しているんですね。
以上のことを、もう一度まとめてみると
鮭には、塩サケと生鮭があり
生鮭の中には、
生食できるものと、加熱しないと食べられないものがある、
ということです。
ちなみに鮭って、DHA.EPAを豊富に含んでいるので
青背の魚が苦手という人も、鮭ならくせがなくて食べやすいのでおすすめです。
鮭の身の赤い色は、アスタキサンチンというカロチノイド系の色素で
トマトのリコピンよりも強い抗酸化作用を持っているらしく
アンチエイジングの強い味方でもあります。
異常気象の影響もあって
今年は、サンマやカツオが不漁気味だったりして
スーパーでしか魚を買えない生活だと
魚がとっても買いにくいときもありますが
そんな時こそ、鮭!!
一年中、価格も安定していて手に入りやすい。
本当にありがたいなあと思います。
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今日の「日めくりレシピ」は
お刺身サーモンのサラダを紹介しました。
お刺身サラダは、魚を先にドレッシングでマリネしておくのが、おいしく作るポイントです。
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