家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
小学生のことだったか、中学生の時か忘れたのだけれど
調理実習でカレーを作ったことがあります。
サラダ油で小麦粉をじっくりじっくりきつね色になるまで炒めて
(いわゆるブラウンルーってやつね)
そこにカレー粉を入れてさらに炒めて作るカレー。
手間も時間もかかる、本格的な作り方で
先生もかなり気合が入っていたとは思うんだけれど
出来上がったカレーは、今でも思い出せるくらいまずかった。
なんで家庭科の先生は、インスタントのルーを使わなかったのか、
今考えても不思議。
固形のインスタントカレールーが家庭に浸透し始めるのが昭和35年以降らしいので
その頃、すでにルーでカレーを作ることは、そう珍しいことではなかったはずなのに。
やっぱ、あの当時は、子供にインスタントのルーを使う料理を教えることに抵抗があったのかなあ。
それにしても、カレールーのおかげで、カレーは日本人の国民食になりましたね。
事実、うちの子供が小さいとき
ルーを使わず、カレー粉を使って本格的なカレーを作っても
子供はちっとも喜ばなかった。
一番好きな食べ物は?と人に聞かれると
にっこり笑って
「○ーモンドカレー!!」と答えてた。
(おいおい、一応料理研究家をやっている母親の立場ってものも考えてくれよと、
顔で笑って、心で泣いた)
ところが最近、
サラサラのカレーが好きなんです~という人が多くなってきたように思うんだけど、気のせいですかね。
オリジナルのさらりとしたカレーを食べさせてくれるカレー屋さんも増えたし
インターネットで、そういうカレーのレシピなんかも手に入りやすくなったことも
その理由なのかな。
だから、最近は、カレー粉を使ったレシピも結構紹介するようになりました。
カレー粉を持っている人が増えているんじゃないかと思って。
事実、カレー粉が一つあると、カレー以外にもいろいろ使えて便利です。
例えば、チャーハンをカレー味にするとかね
スープやみそ汁にカレー粉をちょっと入れるとかね。
しょうゆやみそとの相性が意外にいいので、暑い時期のカレー味噌汁は、本当におすすめ。
カレーつけ麺もいいですよ。
豚肉やナス、玉ねぎなんかを麺つゆで煮たところに、カレー粉を少し入れだけ。
おろししょうがを入れると、お蕎麦屋さんのカレーうどんのつゆみたいな味になるの。
後、おすすめなのがホットドック。
キャベツのせん切りを塩少々を入れて炒めて、カレー粉で味付け。
これをソーセージと一緒にドックパンにはさむだけ。
関西のホットドックというと、なぜかキャベツはカレー味。
関東に人に話すとへえ~といわれるけど
関西人にとってはソウルフード
私にとってもすごく懐かしい味です。
後、変わった使い方としては
魚介類を料理するとき、ほんの少し隠し味に入れると、生くささというか磯臭さが消えます。
例えば、冷凍のシーフードミックスみたいなのでパスタや焼きそばを作るとき
なんか独特のにおいが出ることがあるんだけれど、
カレー粉を小さじ1/2くらい、ほんのちょっと入れると
その、いやなくせが消えるので、お試しあれ。
それから、カレー粉の保存ですが
私は冷凍庫保存しています。
カレー粉のごとラップでくるんで、さらにジッパー付の袋に入れて冷凍庫に入れてます。
カレー粉のにおいが,他の冷凍しているものに移るのも嫌だし
他の冷凍しているものの匂いがカレー粉に移るのも嫌なんで
ここはめんどくさくても、ちょっと丁寧にやっています。
冷蔵庫で保存しても品質的には大丈夫だとは思うんですけど、
冷凍のほうが、確実に香りはキープできると思いますよ。
*****************************
今日の「日めくりレシピ」は「鶏むね肉とオクラのカレー炒め」
カレー粉は鶏むね肉にまぶして焼くことで、油に香りが移ります。
オクラとカレー味は相性ばっちりです。
コメント