でいりいおくじょのBLOG

2014.08.06

さば

先日Wedgeという雑誌の中で面白い記事を見つけました。

「ノルウェーのサバが日本のサバよりおいしいわけ」

日本では海の資源管理が適切にされていない、という話を最近あちこちで耳にしますが

サバにおいても、日本産のサバは評価が低く

国際市場においても、安値でしか取引されていないらしいのです。
 
1990年代の前半は国産サバが輸入サバよりおいしいというのが一般認識だったのが

ここにきて、ノルウェー産の評価が国産を上回りました。
 

キロ単位価格  ノルウェーサバ  190円

        国産サバ     106円
 

なぜこうなったか。

大きな理由の一つが資源管理の仕方。
 

魚のおいしさは、脂肪の量が大きく左右します。

ノルウェーサバの脂の量の推移を見てみると
3~5月には脂の量はごく少なく5~10%前後まで下がり
8~11月になると25~30%まで一気に上がっておいしくなる。

 

一方、国産サバは、ノルウェーサバより若干脂の乗りは劣るとはいえ
9~11月には20~25%くらいにはなるのだそう。
 

こう見ると、この2つに大きな違いはないように思うのだけれど

大きな違いがあったんですね。
 

ノルウェーは、科学的根拠に基づき漁船ごとに厳格な個別割り当て枠があって

漁獲量が厳格に決められいるわけです。

決められていると、わざわざまずくて売れない時期のサバは取らないですね。

結果、脂ののっていないまずいサバは流通しないことになるのだそう。
 

一方日本は、そういう仕組みがないので、春先でもサバをとる。
 

確かに、スーパーには年中サバが売られていますよね。

私が大のサバ好きなので、サバを見るとついつい買ってしまうんですけど
 

春先から夏にかけてのサバって、身がパサついて、確かにまったくおいしくない。

塩焼きにせずに、煮つけにすればいいのかというとそう問題ではなかったし

いっそのこと、圧力鍋で煮て、柔らかくしてしまえばおいしく食べられるのかとやってみたけど、

しっかり味をつけて30分くらい圧力鍋で煮てみても

やっぱりぱさぱさしてうまみも少ない。
 

魚は体にいいから、もっと食卓にのせましょう

子供にもっと魚のおいしさを伝えましょう

などと、あちこちで言われているから
 

本当は、魚をもっと食べたいし

おいしい魚を食べたいと思っている人は多いと思うんだけど
 

結局買っても、おいしくなかったら、次買うのはためらいますね。
 

海のそばに住んでいれば、それなりに手に入れる手段はあるのかもしれませんが

スーパーでしか魚を買えない人もたくさんいるわけで

そうなると、もっと魚を食べたいと思っても

なかなか、魚に手が伸びないというのが本当のところじゃないのかな。
 

その一方で、魚の数自体が少なくなっているという話も。

これもあちこちで指摘されていることなんだけれど

今の日本の漁業って、ルールがきっちり決まっていないから

早い者勝ち、とったもん勝ち状態らしく

クロマグロやブリなんかも、幼魚のうちに漁獲されまくっているのが問題になっていますね。

サバも例外じゃないみたい。
 

昨年、家庭の医学でサバ缶が取り上げられて

サバ缶がスーパーの棚から、まったくなくなってしまうってことがありました。
 

その、サバ缶超品薄状態の時に

実はサバ缶レシピの本を作っていて

それこそ試作と撮影用のためのサバ缶を確保すべく

スタッフの皆さんにも協力してもらいサバ缶入手に奔走しました。
 

その時、これほど売れているなら

なぜ、サバ缶製造ラインを増やして、もっとたくさん作らないんだろう

という素朴な疑問が浮かび、メーカーに問い合わせてもらったんですけど

その時の回答が、サバが不漁のため作れないということだったのです。
 

ちなみに、その時、日本全国のいろんなメーカーさんのサバ缶を集めまくって

いろいろ食べ比べてみたんですけど

サバ缶といえども、いろいろあるんですね。
 

サバ缶にも安いのと高いのがありますが

安いサバ缶の中には、尻尾の部分しかはいっていないのとか

缶汁がドロドロに濁っていて、圧力のかけ方なのかサバの肉質なのかわからないけど

缶を開けた瞬間、変なドロドロがめちゃ怪しいものもありました。
 

ちょっと値段高めのは

さすがに、大きめのサバのおなかのあたりが見事に筒切りされており、

煮崩れすることなく入っていて

おおーっと思ったりしましたよ。
 

暑い時期

魚を料理する気にならないときは

サバ缶なんかを上手に使うのも手ですね。

脂ののっていないサバを一から料理するよりは、はるかにおいしく食べられるし

生ごみも出ないし。
 

やっぱり魚は体にいいので

気軽に魚料理を作りたいですよね。

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