家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
「火を通すんだったら、こんな安い赤身でいいんじゃないの」
「いや、だめだめ、火を通すときは、やっぱり脂がないと」
魚屋さんのお刺身コーナーで、夕飯用のお刺身を物色していた時
そんな会話が聞こえてきました。
お刺身を加熱?
気になって、声のする方を見てみると
高齢のご婦人と、その娘さんと思われる50~60代くらいの女性。
見ているのは、マグロ!
どうやら、今日はネギマ鍋を作るご様子。
ネギま鍋というと、江戸時代から食べられている江戸庶民の味。
ネギとマグロでネギマです。
江戸時代、脂身が多いトロの部分は腐りやすく、最も値段の安い部位で
それをおいしく食べるために、割り下で煮て食べたのが始まりといわれていて
江戸庶民の味ですね。
関西人の私は、ネギマと聞くと、“THEお江戸”って感じ
これまで、何度も挑戦したことがあるのですが
あまり上手にできたことがありません。
トロで作るのが正しいとわかっていても
お値段を考えると、加熱して食べる勇気はわかず
いつも、安い赤身で作っているのが、原因でしょう。
そうすると、せっかくのマグロが、いわゆるツナ状態になり
さっぱりしていてヘルシーといえばヘルシーなんだけど
なんかこう、もう一つ、マグロを煮て食べる意味が分からないというか。
ネギマ鍋って、こういうのじゃない気がする…って、いつも思っていたのでした。
加熱して食べるなら、脂の多い部位じゃないと
キャーッ、かっこいいなあ、言ってみたいなあ。
結局、そのご婦人たち、4000円くらいするマグロの大トロのサクをご購入
よっ、江戸っ子!!!
私はというと、大トロを買う勇気はなく
かといって、脂の少ない赤身も違う気がしてきて
結局、お寿司コーナーで見つけた
しょうがで食べるお寿司セットというの買いました。
しょうがで食べるお寿司
このネーミングにそそられたのです。
かつお、アジ、サヨリ、白魚の握りで、
わさびではなくしょうががのせてある。
大トロもよろしいですが
この時期、このラインナップをしょうがで食べさせるって
アイデア勝ち。
醤油をチョンとつけて食べると、
ああ、口の中がさわやかな初夏の味。
コメント
先生、おはようございます。
やだぁ~、先生(>_<)。
この絵を見せられたら、食べたくなるじゃないですかぁぁ。
春のこの食べ方、最高ですね。