でいりいおくじょのBLOG

2017.07.02

子午線の祀り

今日は、久しぶりのお芝居です。

野村萬斎演出、主演 「子午線の祀り」

木下順二の「夕鶴」に並ぶ代表作です。

 

平家物語をベースに書かれたもので

一の谷の合戦後から壇ノ浦での平家滅亡までの話。

 

平家の栄華と没落を描いた平家物語自体は

映画やドラマなど、いろんなところでも取り上げられているのでおなじみですが

何度見ても、人間の愚かさや弱さを目の当たりにして胸が痛みます。

 

今回の舞台は、

なんといっても、野村萬斎さんの演出がとっても良く

 

特に、言葉の力に感動しました。

 

原作に忠実に演じておられるのですが

日本語の言葉をとても丁寧に演じてくださったことで

平家物語というのは

読み物ではなく、やはりその昔琵琶法師が口伝で語り伝えてきた口伝の物語であることを再認識できたし

また、原作の平家物語に忠実に、淡々と記録的な言葉で芝居を紡いていく手法が

逆に、その時代に生きた一人一人の人物像を浮き彫りにしていくようで

より、心に響きました。

 

また、

平家物語というと諸行無常や盛者必衰の理を、胸が痛くなるほど実感しますが

今回のお芝居を見て感じたことは

 

世の中は、人間を超えた大きな力で支配されていて

自分もまた、確実にその中でほんろうされながら生きているのだということ。

 

子午線を月が通過するとき、海の水が大きくうねり

水が満ちたり引いたりするように

また、自分を取り巻く目に見えない何かが、そんな風にうねっていて

どんなに抗おうとしても、抗えない運命のようなものってありますね。

 

諸行無常、盛者必衰。

 

全ては移ろい、変化し、なくなっていくものなのだとしたら

執着することも、むさぼることも、嫉妬することも意味がありません。

 

今を大事に。

今を一生懸命生きることしかないのですね。

 

平家物語は、時空を超えて語り継れ

今なお、見る人の心に、大きなメッセージを与え続ける意味が

おぼろげながら分かったような舞台でした。

 

 

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コメント

  1. Yu-Ki より:

    先生、おはようございます。
    有意義な、時間を過ごされた様ですね。
    見聞を広げることは、自分を高めると思います。

    “今を大事に”。
    響きますね。

    先生、今日も1日健やかにq(^-^q)。

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