家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
本も好きですが、映画も好き。
映画は洋画もいいですが、邦画も好き。アニメも好き。
つまり、節操がないのです。
休みの日には、なにか1本くらいは映画を見たいなあと思っているのですが
なかなか、上手に時間が作れないことが多く
土曜日に半分見て、日曜日に残りを見て、とか
2週間くらいかけて、細切れで1本見たりとか
本当にヒンシュクをかいそうな見方をしています。
主婦もしないといけないので
なかなか2時間という時間をまとめて撮ることが難しい。
きょうは「海よりもまだ深く」という映画を見ました。
実は2度目です。
是枝監督作品は、脚本がいいし、セリフがいいし、
阿部寛さん、樹木希林さん、真木よう子さん、皆さん演技が素晴らしい。
阿部寛さんと真木よう子さんが元夫婦という設定で
阿部寛さんは、過去に一度小さな賞を取ったことのある、売れない小説家
結構ぐずぐずのダメダメ男で
たまたま台風の日に、夫の実家に、別れた妻と、息子と一緒に泊まることになるというストーリー
その中で樹木希林演じる母親が、息子(阿部寛)に言うセリフがあります。
これがすごくいい。
なんで男は今を愛せないのかね~。
いつまでも、失くしたものを追いかけたり、かなわない夢見たり
そんなことしたって楽しくないでしょ。
幸せっていうのは、何かをあきらめないと手にできないものなのよ。
私は、海よりもまだ深く人を愛したことはないけれど
毎日を楽しく生きているのよ。
・・・・・
このセリフが、ものすごく心に残るんです。
確かに、私も、今までの人生の中で、そう思うことが多々ありました。
なくしてきたものや、かなわなかった夢もたくさんある
でも、グスグスそれにとらわれるより、ぱっと振り切って、前を見て
ないものをほしがるより、今、手にしているものを大事にして
毎日を楽しくいきたいと思ってきました。
でもね、この映画を見ていると
なくしたもの、かなわなかった夢を捨てきれず、ぐずぐずしてもいいんじゃないかと
思えてくる。
いや、そういうものを捨てて、あきらめて楽しく生きている、と言い切っていても
心の中の深いところでは、ぐずぐずこだわっていたりする自分がいるのです、本当は。
ぜんぜん、あきらめきれてない。
これでいいんだと、あきらめて、失ったものを見ないようにして生きている
強そうに見えても、そんなにパキッと割り切れるものじゃない、たぶん。
っていうか、
あきらめていても、あきらめきれなくても
何か満たされないものがあるからこそ
誰かをいとおしく思えるし
楽しくいきたいと思う気持ちが強くなるんだと思う。
響子(真木よう子)は、なんやかんや言いながら
元夫(阿部寛)の小説家としての才能を信じているし
母親(樹木希林)は、この団地で楽しく過ごして、ここで死んでいく
って言いながら、分譲マンションに住む夢を捨てきれずにいる。
人って、本当に複雑。
是枝監督の映画は
見た後、なぜかわからないけど、まだまだがんばれそうな気になるから不思議。
だから、また、繰り返し見たくなったりするのです。
コメント
先生、おはようございます。
2度も見るくらいだから、相当影響力のある映画なのですね。
真剣な顔で見ていますね。
先生は、読書をしたり映画を見たり、美術館に行ったりと、時間を有意義に使われますね。
また本の紹介など、楽しみにしています☺。
先生、今日も1日健やかにq(^-^q)。
是枝監督作品は、本当にいいのでお勧めです。
愛の形というのはいろいろあって、幸せの形というのもいろいろあって
全てが満たされていることが幸せなのではなく、少し欠けているからこそ、優しくなれるってことがあるますね。