家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
今日の新聞に興味深い記事が載っていました。
口の働きが衰えると、死亡リスクが2倍にもなるそうなのです。
新聞によると
介護を必要としない65歳以上の人2000人に調べた結果
① 残っている歯が20本未満
② 噛む力が弱い
③ 口を巧みに動かせない
④ 舌の力が弱い
⑤ 固い食品が食べづらい
⑥ むせやすい
の質問で3項目以上丸がついたグループは、ゼロだったグループに比べ
4年後、死亡率が2倍、介護が必要になった割合は2.35倍になったそう。
確かに、噛めないと食欲も食べる量も、食べられる食品も減ってくるので
そうなると、気力や元気がなくなる気がしますね。
ただ、食べられなくなる原因は、歯だけのことではなく
噛むために必要な口のまわりの筋力も落ちてくるのだそう。
また、舌を使わないと、舌の動きも動きも衰え、小さくなったり厚みがなくなったりするそうです。
これ、65歳以上の方を対象の調査なので
まだまだ先のことのように思うけれど
いやいや、こういうのって、若いうちから気を付けておくべきことだと思うんですよね。
定期的に歯の検査に行くのはもちろんだけれど
常日頃から、しっかり噛んで食べる習慣、というのは大事ですね。
以前、雑誌で、噛む料理の特集をやらせてもらったことがあって
その時、噛むっていうことをまじめに考えてみたんですね。
その雑誌の読者層が60歳代以上ということもあって
単に、歯ごたえのあるような料理というだけじゃ
美味しく食べられない可能性もあると思って
やわらかいんだけど噛める料理を提案しようと思ったんです。
その結果、例えば煮ものだと、具材を大きめに切って柔らかく煮る。
そうすると、噛むのに力はいらないけれど、顎をたくさん動かす必要があるので
これが噛む回数を増やすというわけ。
例えば、厚揚げのようなものも
大きめに切ってカリッと香ばしく焼いてみると
一口では食べられないから、かぶりついてかみ切る必要があって(ここであごの力がいる)
厚揚げ自体は柔らかくても、カリッと焼いた皮の部分は噛み切らないとのどを通らないから
口の中で何回も噛むことになる
噛む力はいらないけど、噛む回数は増える、ここ大事だと思うんです。
実際、あの有名な金さん銀さんは
高齢になって歯がなくても、歯茎でいろんなものを噛んで食べておられたそうな。
だから、顎の力、歯茎の力も鍛えておくに越したことはありません。
更に
「口腔医療革命 食べる力」(塩田芳享著 文春新書)
という本の中に面白いことが書いてありました。
食べられなくなると、元気がなくなって、話をしなくなり、笑わなくなる。
そうなると、口の筋力が落ち、舌の動きも悪くなり食べられなくなる
という負のパイラルに陥るのだそう。
そういう意味では
誰かと話をする、いっぱい笑う
これもまた、食事が楽しくおいしくなるだけでなく
口の筋力をキープするためにも、大切なことなんですね。
コメント
先生、おはようございます。
大きな口で元気いっぱいですね。
食べ物を美味しく食べているんだろうなって、印象です?。
よく、お正月にはお餅を喉に詰まらせて亡くなる方がおられますが、これもこの話題に関連しますね。
喉の筋肉の衰えとか、噛みきる力が問題なんですね。
口の筋肉のキープ、高齢者にか関わらず、どの年代の人にも大事なことだと思います。
回りの人とのおしゃべりも、そういったことに通じるのですね。
先生、今日も一日健やかにq(^-^q)。
おしゃべりをする、歌を歌う、大きな声で笑う、深呼吸する、ガムをかむなど、やる気さえあればだれでもできることがたくさんあります。そのちょっとしたことをしているかしていないかで、これからの人生、長くおいしく食べられるとしたら、絶対やった方がいいと思うんです。