家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
亡くなった父が、大のたけのこ好きで
毎年この時期、食卓に筍が並ぶと大喜びしていました。
子供の頃は、私、それほどたけのこって美味しいと思ったことがなくて
でも父が筍を食べるところを見るのが好きで
というのも、たけのこを噛むときの音が、何とも言えずおいしそうで
いまだに、その音を思い出すのです。
変ですよね。
たけのこの味とか、香じゃなくて、音を思い出すなんて。
今日は、父の好きだった若筍煮をにて、たけのこご飯を炊いて
それから、下の方の硬い部分は細切りにして豚肉、ピーマンと一緒に炒めてチンジャオロースーにしました。
これで、いただいた分のたけのこは完食。
食べ終わってしまうと、ちょっと寂しいけれど
そういう切なさが、またいいんだと思います。
なんでもすぐにネットで注文して、何でもすぐに手に入る時代に
この時期しか手に入らなくて
すぐに手に入れることができないもの
例えば、桜の花でもそうですが
思い通りにならない自然の力というものに
引き付けられ、いとおしさを感じる自分がいます。
正直に白状すると
何年か前まで、ものすごく忙しくて
桜がいつ咲いて、いつ散ったのか全く知らずに暮らしていた時期がありました
別に桜を見なくても、たけのこを食べなくても、何にも不都合はありませんでした。
でもね、
桜のつぼみが膨らみ、桜がいつ満開になるか、日々待ちわび
咲き急がないように、日々祈る。
今、たけのこの季節、大切に大切に筍を料理して味わう
なんてありがたくて、とうとう時間なんだろうと、しみじみ思うんです。
若い頃は、もっと早く、もっと先へ、もっともっとと生き急いでいたけれど
この年になって、ようやく季節の移り変わるスピードと、自分の体内時計の進むスピードがあってきたのかもしれません。
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我が家のたけのこレシピは、近々日めくりレシピで紹介しますね。
今しばらくお待ちください。
コメント
先生、おはようございます。
食卓に並んだ筍料理、お父様にも食べさせてあげたいですね。
温かな優しい絵で、湯気までも感じられます。
香りも伝わってきそうです。
先生、今日も一日健やかにq(^-^q)。