家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
最後の講義というのがアメリカではやっているそうで
ある分野の専門の方が
明日世界が終わると想定して最後の講義をするというもの。
日本でも、それをまねする番組をやっていて
生物学者の福岡先生が講義をされていました。
講義の内容は、もちろん「動的平衡」です。
動的平衡について、私が説明するのもおこがましいのですが
福岡先生曰く
固体というものは、塊に見えるけれど
大きな塊ではなく、分子とか原子とか言うものの集合体で
常に破壊と再生を繰り返している
それがつまり命というものである、ということなのだそうです。
(と、これは私の解釈で、もし間違っていたらすいません)
この世にあるものは、常に変化し続けているという考え方を
福岡先生の本で読んだ時は、すごく衝撃的で、自分の中では納得いくことがたくさんありました。
例えばレシピ。
このレシピは完璧だと思って、いつの場合も書いているのですが
しばらくすると、やっぱりこうしたほうがよかったんじゃないかと
やっぱりこっちの方がよかったんじゃないかと思ったりします。
だからレシピも常に変化し続けるし
変化し続けなければならないと思ってきました。
まさに、破壊と再生。
でも、今日改めて福岡先生のお話を聞いて思ったことは
レシピが変化しているのではなくて
変化し続けているのは自分の方で
料理を作って食べる自分が、常に変化し続けているわけだから
自分が作り出すレシピは当然、変化し続けるのだと気づきました。
その日の体調も違えば、毎日年を取る
自分を取り巻く環境も、状況も、日々変化し続けるから、その影響もうける。
だから、常に同じ料理を作れるはずがなく、その必要もありません。
家庭料理は、常に変化し続けていい
むしろ、変化しつづけるべきもののだと、改めて思いました。
その、日々変化し続ける家庭料理というものを
どうにかこうにかすくい取って、伝えていく場所として、日めくりレシピがあります。
日々変化し続ける家庭料理だからこそ
毎日、毎日料理を紹介し続けることで、家庭料理という大きな塊のようなものが出来上がり
そうやってこそ初めて伝わることがあると、私は信じています。
ひょっこりはん!
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