家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
おまたせしました、“はなくそ”の話です。
“はなくそ”というのは、涅槃会の時に食べるお菓子です。
そもそも、涅槃会というのは
お釈迦様が入滅された2月15日に行われる法要のことで
(京都では3月15日に行われます。たぶん旧暦の関係だと思います)
大勢の僧侶の方が、一堂に会して延々念仏を唱えられるんです。
その時、ご本尊にお供えされていが餅のお下がりを小さく砕いて炒って
お参りした人に配ったのが最初で
そうすることで、お釈迦様のお骨分けではないけれど
みんなでお釈迦様のご加護を分け頂くという意味が込められているのはないか
というようなことを、真如堂のご住職様がおっしゃっていました。
“はなくそ”に関係している寺院は3つ。
真如堂
泉涌寺
東福寺
それぞれに特徴があるので
比較してみたいと思います。
まずは真如堂。
こちらの“はなくそ”は“花供曽”と書きます。
参拝すると、もれなく頂けます。
ひなあられのような、柔らかい食感のあられに、黒砂糖をまぶしたもので
軽くて甘いです。
泉涌寺の“はなくそ”は“花供御”です。
“はなくご”がなまって、“はなくそ”になったといわれています。
ひとつ500円で販売されています。
こちらのは、いわゆる醬油あられに、炒った黒豆が混ざっています。
サクっとした食感で甘くないです。
形は真如堂のあられと似ていて、1センチくらいの、ころっとしたサイコロ型。
最後の東福寺の“はなくそ”は“花供御”
こちらは、境内に甘酒を頂いて休憩できる場所があって
そこに、たくあんと花供御が置いてあって
自由に頂くことができるんです。
(行ったのが遅かったので、もう残り少ない…)
こちらの花供御は、泉涌寺と同じような醬油あられなんですが
もう少し小さく、形も平べったい長方形。
黒豆の他にピーナッツも混ざっています。
この花供御とたくあんをつまみながら甘酒を頂き、ほっこりしました。
一応、300円で売られているので
買うつもりだったのですが、ほっこりしすぎて買うのを忘れ
あっと思って引き返したのですが
その時は時すでに遅し、売り切れた後でした、残念‥。
以上、“はなくそ”の徹底比較でした。
今回の涅槃会は、予定通り全部回って
涅槃会も拝見できて(東福寺は非公開だったけれど)
大満足でした。
今回の涅槃会に行って
今、こちら側にいるものが幸せに生きる事
これがやっぱり大切だということを、あらためて感じました。
得てして、極楽思想というのは、死んだらお釈迦様が迎えに来て
あの世で幸せになる、みたいなことだと思っていましたが
そうではないのだと。
涅槃会で“花供御”を頂いて、これでまた一年幸せに暮らせるわって、安心する
こういうことが、毎年毎年繰り返されて
それが暮らしの中に溶け込んでいる。
そういうことが
本当にありがたいなあって思いました。
コメント
えーっ。花供御タダでもらえるのぉ?甘酒も。やっぱり京都は良い所ですね?でもお寺の拝観料はありますよね。関東でお寺めぐりというと鎌倉かなぁ。紫陽花寺で梅雨の時期に紫陽花見に行きました。勿論奈良に負けない大仏もあります。小津安二郎監督の麦秋にも出てきます。京都良いなぁ。それでは失礼致します?ノブ
小津安二郎監督!いいですね~。久しぶりに見たくなりました~
小津安二郎監督は日本の誇りです??麦秋、晩春、そして世界でも有名な東京物語tokyostory笠智衆さん最近まで生きておられた原節子さん名脇役杉村春子さんと凄すぎます?小津作品で僕が一番好きなのはサイレントの小津安二郎監督には珍しいフィルムノワール非常線の女。田中絹代さんがスベタを演じています。それがなんとYouTubeで無料で全編観れます?60分くらいの作品です?無茶苦茶お洒落でカッコいい小津のフィルムノワール?興味を持たれたら是非観て頂けると嬉しいです?映画評論家ママデュークからでした。映画って本当にいいですね?いい映画を沢山観ていい人になって下さいね故淀川長治さんの口癖。それでは奥薗ねぇさんお先に失礼させて頂きます?サヨナラサヨナラサヨナラ?サヨナラは三度言わなければならないのだ‼️
YouTubeで見られるんですか!?早速探してみます。ありがとうございます。