でいりいおくじょのBLOG

2021.05.26

心の栄養は大事です。

もうかれこれ20年くらい前

猛烈に忙しい時期があって

 

本当に睡眠時間が1~2時間というような生活を

10年くらい続けていたことがありました。

 

今思えば無茶苦茶ですが

ただただ、毎日一生懸命生きていたのです。

 

でもね、その時に思ったことは

自分は、つるの恩返しのつるのようなものだなという事でした。

 

自分の身体の羽を抜いて

作品を作っている鶴。

 

でも

自分の羽を抜いて作品を作っているだけでは

そのうち、やせ細って、自分を見失ってしまうだろう

という事に、ある日気づきました。

 

当時、本当に

自分の内面が、どんどんやせ細っていくのを感じていました。

 

それではいけない

 

羽を抜いて作品を作る一方で

自分に養分を与えて、新しい羽根を作らねば

ということをすごく思いました。

 

自分に養分を与えるというのは

勉強をして知識を得るということだけでなく

 

それと同じくらい、(たぶんそれ以上に)

料理とは全く関係のないものを見たり経験して

自分の心の感動の領域を増やすこと。

 

きれいなものや、面白いもの、楽しいものを見たり聞いたり感じたりして

心のひだを増やすこと。

 

料理は、ただ美味しければいいというものではなく

特に家庭料理の場合は

料理の周りにある、さまざまな思いが大切で

 

味だけでははい

いろんな要因が複雑に絡み合って

料理の価値が決まっていくと思うのです。

 

それは、例えば、作る人の気持ちや

食べるときの雰囲気や

もっと言えば、そこに至るまでのいろんなこと

全部が料理の味であり、

 

それを感じ取って、そこから何かを生み出すためには

 

自分の中に、たくさんのひだが必要で

 

その襞をたくさんのものを持っていないと

出来上がった料理も薄っぺらになってしまう

そんな風に思うのです。

 

以来私は

毎日台所に立ち、家族のために3食作る一方で

ちょっとした隙間時間を利用して

本を読んだり、映画を見たりするようになりました。

 

そして、それは今でも続いていて

今では

散歩をしたり、花の世話をしたり、編み物をしたり

お茶を飲んでぼーっとしたり

お笑いを見て大笑いしたりしています。

 

一見料理と関係ないことが

本当は、とっても料理にとっては必要で

たぶん、これは、他のどんなことにも言えるような気がします。

 

今、そんな時間を、とても大事に大事に暮らしています。

 

料理と関係のない、そんな時間が

実は、料理をとても豊かなものにしてくれていると

信じています。

 

 

今、料理の作り方だけではなく

そんな風な、ことも、料理を通して伝えていきたいなあと思っているところです。

2021年5月25日トラ

ベットの下が涼しくて好き。

コメント

  1. 斎藤薫 より:

    奥薗先生

    いつもYouTubeで楽しくお料理を学ばせていただき、ありがとうございます。
    コメントをしたらお返事をくださることにも感謝しています。本当に嬉しいです。

    料理と関係ないことが料理につながる
    これは私も感じています。
    先生は料理以上のことを発信されているから人気があるし、求められているのだと思います。
    先生の生き方や哲学が、指先や言葉、笑顔に表れているから、人は惹かれるのだと思います。
    私は食材だけでなく、道具なども優しく扱われている先生の手がとても好きです。
    ユニークなお言葉も好きです。
    たとえば、片栗粉がもらもらする、など。
    私も先生のような、奥の深い女性になりたいです。
    お恥ずかしいのですが、いわゆる更年期で無気力になってたのですが、先生の動画で元気を取り戻せました。
    生きる希望を与えてもらった、そんな感覚です。
    これからも動画やブログを楽しみにしています。無理はされず、楽しく続けていただけたらと思います。
    失礼な文章になり申し訳ありません。
    奥薗先生の大ファンの母といつも応援しています!

    1. 奥薗壽子 より:

      うれしいコメント、ありがとうございます。
      私の想いを、きちんと受け止めて下さって、本当に、本当にうれしいです。
      料理の作り方だけではなく
      その周りにある、目に見えない何かを、一生懸命伝えていきたいと思っています。
      これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

  2. poco より:

    奥薗先生、こんばんは。
    先生の素敵な笑顔、魅力の秘密は、たっぷりの「心の栄養」だったのですね。
    心も畑と同じで、こまめに耕して、肥料やお水を適度に与えて、丁寧にケアすれば、そこから得られる果実も満足のいくものになりますよね。
    温室育ちの見目麗しい野菜に憧れつつ、雨風にさらされ、虫にも齧られ(笑)、それでもめげずに逞しく育つ、露地もの野菜の心意気を大事にしたいと思っています(笑)
    先生の美学や哲学、生きる姿勢を、お料理を通して伝えていただけること、とてもありがたいです。
    言葉では大袈裟になってしまうことや、上手く伝わらないことも、「美味しい」「楽しい」の気持ちに乗せれば、理屈ではないところで伝わるものがありますよね。
    言葉(で説明すること)ももちろん大事ですが、自分の生きる姿勢から何かを感じてもらえるような、そんな生き方がしたいです。
    【追伸】
    先日、なべかま通信のことでご丁寧にお葉書をいただいてありがとうございました!
    お忙しいのに、しかも手書きで、もう本当に感激してしまいました。
    お返事のお手紙を書いて投函したのですが、宛先不明で戻ってきてしまいましたので、たいへん横着ながら、こちらでお礼を申し上げます。
    なべかま通信の発刊、楽しみにお待ちしております♪

    1. 奥薗壽子 より:

      コメント、ありがとうございます。
      とても励みになります、感謝いたします。

      なべかま通信の事務局にお手紙を頂いたとのこと
      ありがとうございます。
      もしかしたら、私宛に送っていただきましたか?
      実は、私書箱なので、なべかま通信事務局に送っていただかないと届かないのです。
      申し訳ありません。
      本日、なべかま通信発送いたしましたので
      一両日中には届くと思います。
      気に入っていただければ嬉しいです。
      これからもよろしくです。

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