2019.05.15

適量でお願いします

お母さんって、年々味付けが薄くなってるよね

と、先日娘に言われて

ああ、そうかも…と思いました。

 

普通、歳を重ねると、

いろんな機能が老化していくのに合わせて

味覚も感度が悪くなっていくため

味付けが濃くなっていく場合が多いそうなんです。

 

ところが私は

自分で書くのも何なんですが

昔よりも、味覚はどんどんさえてきている気がしていて

そのせいか

あまり、余分な味付けをしたくなくなってきているのです。

 

子供の頃、

父親とか、大人の人が、

米の味がどうの、水の味がどうのって言っているのを

そんなに違い、本当にわかっているのか？って思っていましたが

今、ようやくあの違いが分かる年齢になったのかなと、自分では思っているのです。

 

これって視力と似ているなとも思う。

遠くのものは眼鏡をかけないと見えないし、

近くのものは眼鏡をはずさないと見えないし

見える範囲がすごーく狭―くなっているのだけれど

見えているものは、昔よりも、深く本質まで見えるようになった。

 

昔から、なるべく、素材の味を殺さないように

素材のおいしさを味わえるようにとは思ってきたけれど

最近は、昔よりも、もっと食材に寄り添えるようになってきました。

 

その結果、

どうすれば、もっと素材そのものの美味しさを引き出せるだろうということに

興味がどんどん広がって

上手に引き出せるようになったら

それほどたくさんの調味料を入れる必要がなくなってきたのです。

 

昔は、調味料を減らすのは

これを作ってくださる人が、物足りないって思うんじゃないかって

心配したりしたんだけれど

 

最近は、作る人が最終的なところで

加減してくださったらいいかな、なんて思っています

 

自分の舌に合うように

最終的な味の微調整は、よろしくお願いします。

って、そんな風に思いながら、レシピを書いています。

 

それぞれの家庭の味っていうのがあって

全ての家庭の味に、ぴたっと当てはまるレシピなんてないものね。

 

そう思えるようになったら、レシピを発表するのもすごく楽になって

料理をアップするのを楽しめるようになりました

 

その結果、レシピの中に、適量という文字が増えています。

これって、手を抜いているわけではなく

本当に、そうとしか書けなくて

適当に加えても、おいしくできるレシピがあると思っているのです。

 

こういうこと、かけるようになった自分にもびっくり。

 

歳を重ねるってすごいね。

やっとここまでこれた。

 

 

あわてない、あわてない

 

 

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