家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
京都の中華料理は何か違う、というのをある時何かで読んで
確かに、東京で食べる本格的な中華料理と確実に何か違うと初めて気づいたのですが
それが何なのか、あまりにも漠然としていてわからず
なんだろうと思っていたところに出会ったのがこの本。
「京都の中華」(姜尚美著 京阪神エルマガジン社)
京都中華というのは、祇園を中心に確立された京都ならではの中華料理のことで
にんにく、油、香辛料などを極力控えた、あっさりしているのが特徴。
もともと京都人は、あっさりしたものを好む傾向にあるし
舞妓さんや芸子さん、あるいはお商売をしている人が食べるのに
匂いが強いものや、胃にもたれる脂っこいもの、刺激の強いものは好まれない。
そういう理由から、京都ならではの中華料理が確立されたらしい。
京都中華には、
鳳舞系と言われる関東料理をベースにした料理を出すお店と
盛京系と言われる北京料理をベースにした料理を出すお店と
大きく分けて二つの系譜があるそうで
そのそれぞれのお店で修業を死した料理人の方が新しいお店を出すことで
どんどん京都中華の系譜は広がっているわけですが
それらのお店を丁寧に取材し、料理写真などもきちんと見せながら一冊にまとめたのがこの本です。
紹介されているお店の中で
いくつかは実際に食べに行ったことのあるお店、
子供のころから、中華料理解けばいつも行っていたお店もあり
そうか、東京に来た時に、なんか子供のころから親しんできた中国料理とは違うなあと思ったのは
たぶん、知らず知らずのうちに京都中華に子供の頃からなじんでいたからかもしれません。
中でもハマムラは
子供のころから、父親が大好きなお店で
「今日はおいしいものを食べさせてやる」という日は決まってハマムラでした。
でも、ハマムラの文字を使って、中国人の横顔にしているお店のロゴが
へのへのもへじみたいで、それが何かちょっと軽い感じに見えるせいか
餃子の王将みたいなチェーン店かと思っていました、すいません。
この本を読んで、れっきとした由緒正しき広東料理のお店だとわかったのは収穫でした。
この本によれば
大正時代に、いろんな意味で保守的で閉鎖的な京都に
新しい中国の料理を根付かせるために
いろんな策を講じ(あの横顔のロゴも一般公募をして選んだそう)、
中国人の本格的な料理人を入れた、京都初の本格中華料理店だったんです。
その料理人が高華吉さんという方で、この方がその後鳳舞派と言われる、京都中華の一つの流れをつくられたのだから
京都中華の始まりは、ここからといっても過言ではないのかも。
そもそも、京都と中国の関係は、平安時代、遣唐使の時代からすでに始まっていて
京都の都も、唐の都の模倣で
それをベースに独自の文化へと昇格させた京都人の知恵と底地を思えば
本場の中国料理を、京都人の口に合う京都中華へと変化させていったのは
ごく自然なことのように思います。
いや、さらに言えば、イタリアンでも他の洋食でも
京都では、やっぱり京都イタリアン、京都洋食というようなものになり
もはや、どこの国の料理でもなく、京都の料理になっているものね。
私も、外で食べておいしいと思うものや
テレビや本でこれは、というような料理に出会っても
そのまま作るということはしないで、必ずいったん自分の中で消化してから
かならず、自分の感覚に合う奥薗料理へと再構築する作業を入れるのですが
これは多分、これこそが、京都人の感覚なのかもしれません。
この本を読んで、確実に自分の中の京都人の血を感じたところです。
それにしても、この本は2012年出版なのですが
この本で紹介されているお店のいくつかは、すでに閉店になっているところもあり
最近の京都の目まぐるしい変化を思えば
それも、仕方ないのかもしれません。
でも、もう少し早くこの本に出合えてたら、食べることができたかなと思うと
ちょっと残念な気もします。
いずれにしても、
この本を読めば、京都中華を食べに京都へ行きたくなるのは必定。
わたしも、今度京都にいったら、
京都中華巡りするぞー!!!わくわく。
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さてさて、今日のお弁当です。
鶏の磯辺揚げの甘辛煮
かぼちゃの素揚げ
ピーマンとじゃこの蒸し煮
人参の明太子炒め
卵焼き、ミニトマト
ご飯には、自家製サケフレーク
昨日の夕飯に作った鶏の磯辺揚げを取り分けておいて
今朝は、しょうゆとみりんと砂糖と酒で甘辛く煮からめました。
衣が甘辛たれを吸って、いい感じにしみしみになります。
昨日揚げ物にした油をそのまま置いておき、
今朝はそこでカボチャを素揚げにしました。
揚げたてに、ほんの少し塩をパラパラ。
ピーマンとじゃこを耐熱容器に入れ、ごま油を少し回し入れたら
ラップをして電子レンジで2分チン。
あじを見て足りないようなら薄口しょうゆを少し。
シンプルだけど、柔らかく煮えたピーマンが美味です。
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