家庭料理研究家奥薗壽子オフィシャルサイト
北九州にあるJR折尾駅に
地元ではおなじみの駅弁「かしわめし」というのがあります。
鶏肉のスープで炊いたご飯の上に
しょうゆ味で煮た鶏肉と卵とノリが乗っている三食弁当で
以前北九州に住んでいたころは、大好きでよく食べたものでした。
3色弁当なんだけど、
鶏そぼろではなく、小さく切った鶏肉がのっているのと
鶏の旨みがしっかりしみ込んだごはんにしっかり味がついているのとが特徴で
一般的な三食弁当とは、全く違う食べごたえなんです。
北九州に住んでいたころ、マネをしてよく作っていましたが
昨日の夜、鶏のしょうゆ煮を作ったので
今日は、その懐かしいかしわめしを思い出しながら
私のオリジナルかしわめし弁当を作ってみました。
鶏のしょうゆ煮は、お節料理にも作るほどの我が家の定番。
しょうゆとみりんと酒と水とほんの少しの砂糖を小さな土鍋に入れ
沸騰したところに、鶏もも肉を大きいまま入れて
5分ほど煮たら、あとは火を止めて余熱で火を通すだけ。
とにかくほったらかして、おいしくできるがうれしいところ。
何かをやっている片手間に作れるので、本当に重宝します。
昨日は水餃子を作っていたので
最初に、鶏のしょうゆ煮を仕込んでおけば
餃子が出来上がるころには、鶏も柔らかく煮えているというわけ。
小松菜をさっと炒めて、その上に鶏肉を少しほぐしながら
煮汁ごとかければ、ほらね、簡単にもう一品できちゃう!!
本当は、この煮汁でご飯を炊けば、
さらに本格的なかしわめしになったんだけれど
まあ、そこまでしなくても、鶏肉にしっかりしょうゆ味がついているので
のせるだけで、おいしくできちゃいます。
本当のかしわめしは、
鶏肉、卵、のりの3色なんだけど
ご飯の上に海苔をのせると、彩が真っ黒になっちゃうので
刻み海苔はご飯の間にサンドして
その時、塩昆布も一緒にぱらぱらっとして、サンドしておきました。
そうすると、塩昆布の味がごはんに移るので、
ご飯が所々味がついてうれしいかなと。
あとは錦糸卵と、軽くほぐした鶏のしょうゆ煮を上にのせ
彩に、いんげんのごまあえと紅ショウガ
緑と赤が入ると、彩がパッと華やかになります。
野菜がちょっと少ないかなと思ったので
グレープフルーツを添えました。
北九州に住んでいたのは、もう20年も前になるのに
こんなお弁当を作ると、
あの時食べた駅弁の味や
あの時の気配とか
かしわめしを持って行った、スペースワールドのアトラクションとか
いろんなことを思い出します。
味の記憶って、消えないものですね。
というか、むしろ、思い出の中で、どんどん美化されていく。
ちなみにスペースワールドというのは、北九州にある宇宙をテーマにしたテーマパークで
子供が小さいころ、何度も行ったところでした。
宇宙遊泳の体験とか、宇宙食を買って食べたりとか
あのころはできたんだけど、今はどうかな。
あの頃より宇宙が好きになっているので、今行っても楽しい気がするな。
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